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【JNN中盤情勢】与党過半数割れの可能性、その後の政局は?"ラストサンデー"党首は何をどれくらい訴えた?!演説を独自分析【参議院選挙】

参議院選挙2025

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 7月20日に投開票される参議院議員選挙。13日は選挙戦の“最後の日曜日”でした。各党首は一体どの場所で、どんなことを語ったのか?MBSは、党首がどの政策にどれくらい時間を割いたのかを独自に分析。その結果や、今後考えられる政治の動きについてジャーナリスト・武田一顕氏への取材を交え、大八木友之MBS解説委員の見解を含めてまとめました。

中盤情勢 与党過半数割れの可能性も

JNNでは12~13日、インターネット調査を行い、取材を加味して中盤情勢を分析しました。結果、自公で参議院の過半数を割り込む可能性があることがわかりました。1週間前より与党に厳しい情勢となっています。

【政党ー中盤情勢(推定獲得議席数)ー序盤情勢ー1週間での変化】
自民 28~44 35~50 下ぶれ
公明  5~11  8~13 下ぶれ
立憲 24~32 20~31 上ぶれ
維新  5~8   6~9  下ぶれ
共産  3~6   3~6
国民 11~21  9~18 上ぶれ
れいわ 3~4   3~5
参政  8~18  7~16 上ぶれ
社民  0~1   0~1
保守  2~3   1~2  上ぶれ

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与党の過半数維持ラインは50議席のため、中盤情勢の幅33~55議席は、序盤情勢の幅43~63に比べると、過半数割れの可能性が1週間前より高まったと言えると思います。

逆に1週間前から情勢で上ぶれしているのは、立憲、国民、参政、保守といった政党です。

この調査では約4割の人が「まだ投票先を決めていない」と回答していて、今後情勢が大きく変わることもありえます。

最後の日曜日 党首はどこで何の話をした?

 公示が7月3日、投開票が7月20日の参議院選挙は、期間中に土曜日が3回あります。ジャーナリストの武田一顕さんは、「候補者は週末に力を入れてアピールする」と指摘。特に無党派層をいかに取り込むかが選挙の結果を左右します。

 MBSの大八木友之解説委員は「私は街頭演説は後ろから、どのくらいの人が立ち止まるかを見ています。そういう人がどれだけたくさんいるかが、ひとつのバロメーターですね」とコメント。

 また、知名度のない候補者からすると、人気者に応援に来てもらい、足を止めてもらうことが大事だということです。

5.jpg 「最後の日曜日」となった13日、各党首が応援演説をした場所をまとめました。(画面の東日本から順)

 【参政】宮城→茨城→千葉
 【社民】東京
 【れいわ】静岡→東京
 【国民】埼玉→東京→福岡
 【公明】富山
 【共産】滋賀→京都
 【保守】大阪
 【立憲】京都→岡山→大阪
 【維新】兵庫→京都
 【自民】熊本
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 これについてMBSの大八木友之解説委員は、「国民は1人区でも、いい勝負をしているところもありますが、複数区で議席を拾っていきたいというところがまわっているところに、表れていますね。人口が多い場所に行ってます。参政は、全国に候補者を立てているので、代表が各地をまわっている。テコ入れしたい場所や激戦区をまわってます」、また自民については、「九州がけっこう厳しい。もしくは立憲、自民で一騎打ちになっているようなケースも多く、石破さんは再三九州に入ってる形ですね」と指摘しています。

 では、その演説の場で各党首が何を訴えたのか?『物価高、景気、社会保障、少子化・子育て、外交・安全保障、政治とカネ、外国人政策。その他』の8項目に割いた時間の割合をMBS「よんチャンTV」が分析し、割合にまとめました。“ある1回の演説において”という注釈付きとはなりますが、割合はどれぐらいだったのでしょうか。
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 【自民・石破氏】候補者や熊本の話
 物価高     4%
 景気      6%
 外交・安全保障 17%
 その他     73%

 【公明・斉藤氏】科学技術の振興
 景気      30%
 少子化・子育て 11%
 その他     59%
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 【立憲・野田氏】ガソリン減税
 物価高     68%
 少子化・子育て 21%
 その他     11%

 【維新・吉村氏】大阪での実績
 社会保障    23%
 外国人政策   7%
 その他     70%
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 【共産・田村氏】外国人規制への批判
 物価高     12%
 景気      10%
 社会保障    11%
 外交・安全保障 17%
 外国人政策   12%
 その他     38%

 【国民・玉木氏】「年収の壁」178万円に
 物価高     28%
 景気      2%
 少子化・子育て 11%
 その他     59%
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 【れいわ・山本氏】消費税廃止
 物価高     40%
 景気      19%
 社会保障    13%
 その他     28%

 【参政・神谷氏】外国人政策・マスコミ批判
 物価高     5%
 外交・安全保障 15%
 政治とカネ   7%
 外国人政策   8%
 その他     65%
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 【社民・福島氏】他党批判
 物価高     15%
 景気      15%
 社会保障    7%
 外国人政策   5%
 その他     58%

 【保守・百田氏】外国人規制
 物価高     19%
 外国人政策   30%
 その他     51%

1人区は…野党系優勢15 与党優勢8

 12~13日のJNN情勢調査によりますと、「1人区」は全国32選挙区のうち、野党優勢が15、与党優勢が8、接戦が9という結果になりました。

 大八木解説委員は、「選挙前から自民党関係者に話を聞くと、東北は今回厳しいだろうということもあり、力を入れていくのは九州だ、みたいなとこがありましたが、蓋を開けてみると、かなり接戦にもちこまれている。かなり厳しい戦いになっているところもあります。昔の形でいうと四国が野党系で埋まるというのが、かなり意外というか。ずいぶん変わってきたなというイメージです」

 選挙のあとについて、武田一顕氏は、「石破総理の進退ラインは45議席を超えるかどうか」ではないかと見立てました。

 仮に与党が過半数を割ったとして、武田氏の見立てでは、▼『石破総理が続投なら』、衆参とも過半数割れで法案が通しにくい、その結果、年度内に解散総選挙の可能性があるということです。

 いっぽう、▼『石破総理が辞任なら』、自民党で新総裁を選んだとしても、その新総裁が総理になれるかどうかわからないという見立てです。

 大八木解説委員は、「私は武田一顕さんと若干違うところがあって、▼石破さんが総理を続投しての解散総選挙は考えにくいと思います。新しい顔を選んでやっぱり選挙を勝ちに行こうとしますから。」との見立て。

 さらに、▼『総理辞任なら』、「石破さんが総理を辞め、自民党総裁のままで、誰か野党から出して連立組みませんか? ということの方が現実的なのかなと。このケースで新総裁はないのかなという気はします」と見立てました。(7月14日 MBS「よんチャンTV」)

◎武田一顕:ジャーナリスト 元TBS記者 元JNN北京特派員 中国情勢に精通 小渕内閣以降の歴代政権を取材 愛称は「国会王子」

◎大八木友之:MBS解説委員 元JNNパリ支局長 報道キャスターなど歴任 東京・永田町を独自の視点で連日取材

2025年07月15日(火)現在の情報です

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