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小学校で給食が始まらない!市側は「おかず」や「皿」の持参を呼びかけ...『全面再開は未定』で保護者ら憤懣

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 大阪府東大阪市では、配送業者の事情により、約半数の小学校で給食が提供できない状態が続いています。給食の配送については学校給食法で定められている配送方法があり、その条件に合うトラックが用意できなかったことが背景にあるということですが、なかなか始まらない学校給食に保護者からは怒りの声が上がっています。

配送業者が“専用のトラック”を準備できず市は契約を解除

 東大阪市は4月6日に給食の配送業者との契約を解除したため、市内の約半数にあたる26校で、4月12日から予定していた給食を提供できない状態となりました。今年度から新たに契約した配送業者が、4月になっても給食の配送に必要な設備のあるトラックを準備できなかったため、市は給食開始の直前に契約を解除したのです。

 (東大阪市教育委員会 古川聖登教育長 4月8日)
 「小学校の学校給食の一部を実施できなくなりました。誠に申し訳ございません」

4月18日からは主食のみ提供…皿などの持参を呼びかけ

 契約解除から10日あまりが経過した18日、給食再開のめどは立っているのでしょうか。市内で保護者らに話を聞きました。

 (小学2年生・5年生の保護者)
 「(Q再開されましたか?)いや、メニューを配られたんですけど、ご飯かパンか、たい焼きとか、小魚の袋に入っているようなやつとか。あとプリンとかゼリーとかそんな一品だったので、ちょっと子どもにしては量が少ないかなと思って、おかずは持たせないとかわいそうかなと」
 (小学2年生の保護者)
 「朝バタバタしながら主人のお弁当と子どものお弁当を作っていますので。いつまで続くんでしょうかね…。GW明け(まで)と願っているんですけど」
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 東大阪市教育委員会によりますと、4月12日~15日の4日間は各家庭に弁当の持参を依頼し、18日からは牛乳とパンかご飯などの主食のみを提供。一方で、「おかず」や「パンなどを入れる皿」はまだ準備ができないため、各家庭に持参するよう呼びかけているということです。

保護者「給食費を払ったうえで弁当持参。いつお金を返していただけるのか」

 こうした市の対応に怒りを滲ませる保護者もいました。電話での取材に次のように話します。

 (小学4年生の保護者)
 「給食費を払ったうえで子どもにお弁当を持たせているので、昼ごはん代は子ども1人分に2倍かかっているんですよね。いつになったらお金を返していただけるのか。向こう(市教委)は『まだ何も言えません』と」

 取材に応じてくれた保護者は共働き家庭で、仕事と育児の両立に支障をきたし始めているといいます。

 (小学4年生の保護者)
 「『5月6日まで』となっていたので、あと3週間、そこまで我慢したら終わりかなと思ったんですけども、(市教委に)まだその先は未定だと言われていて、先が見えないのがどうしようもなくて…」

1校のみ“直接運ぶ対応”で再開『1メニューで7往復』

 そんな中、4月18日、当初より6日遅れで1校だけ学校給食が再開されました。

 (記者リポート)
 「職員の方が、調理センターから学校側へと給食の入ったトレーを運んでいます」
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 市によりますと、再開された楠根東小学校は給食の調理場と隣接していて、調理師らが直接運ぶ対応を取ることで給食を再開できたということです。4月18日は1つのメニューにつき約7往復で給食を運び終えていました。

PTA協議会の会長「子どもたちのことを思って何をすべきか考えてほしい」

 一方、市立小中学校のPTA組織の代表は、市側の対応に怒りをあらわにしました。

 (東大阪市PTA協議会 龍神晃弘会長 4月18日)
 「『1学期いっぱいかかりますか?』と尋ねたところ、『それも答えられません』とゼロ回答。子どもたちのことを思って役所が何をすべきか、そこを考えてほしい」

 保護者からの声を受け、4月19日に市側へ要望書を提出しました。

 東大阪市教育委員会によりますと、次の配送業者については18日時点も検討中で、まだ全面再開のめどは立っていないということです。

2022年04月19日(火)現在の情報です

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