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体育は片道25分歩く運動場へ!?都心の『グラウンド狭すぎ』小学校 休み時間の外遊びは学年ごとのローテーション「ほんまは全学年で遊びたい...」

特盛!憤マン

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 「グラウンドが狭すぎる!」大阪市中央区にある小学校で、グラウンドが狭すぎて「バッティング練習ができない」「子どもが遊べない」といった不満が児童や保護者から噴出しています。取材するとそこには、都心ならではの事情がありました。

「え、ここが校庭なの?」狭すぎるグラウンドでひしめき合う児童たち

 的当てをしたりスーパーボールすくいをしたりして楽しむ子どもたち。PTAなどが中心となってお祭りを開いていたのは大阪市中央区の市立「開平小学校」です。学校名は変わりながらも約100年前から続く伝統ある学校で、地域の人々から愛されています。

 開平小学校があるのは大阪の都会のど真ん中。中之島公園の南、川を挟んですぐそばの場所に建っていて、周りは高層ビルなどに囲まれています。その都心の小学校がいま、ある問題を抱えています。「グラウンドが狭すぎる」というのです。

 (5年生)「思いっきりボールを打ちすぎると越えちゃうから。狭いから」
 (保護者)「子どもにとって狭いのが当たり前というのがちょっとかわいそう」
 (保護者)「実際に校庭に立ってみると『え、ここが校庭なの?』っていう」

 サッカーにキャッチボールと思い思いに楽しんでいますが、全てが狭いスペースでひしめき合って行われています。

 そのため、こんな場面も…。サッカーをする男の子の頭上をフリスビーが飛んでいったり、別々にキャッチボールをする子どもたちは、近すぎてボールが当たりそうです。

 上から見てみると、校舎に対してグラウンドがいかに小さいかが分かります。広さは文部科学省が定める基準の4分の1以下しかありません。あまりに狭いことから休み時間にグラウンドを使えるのは学年ごとのローテーションになっています。

 (5年生)「ほんまは毎時間、全学年で遊びたいけど、グラウンドが狭いから仕方ないと思う」

体育の時間は片道25分歩く運動場へ

 さらに問題は休み時間だけではありません。体育の時間になると、都心の交通量の多い道を約70人の児童が大移動します。向かった先は…

 (記者リポート)「今、片道25分歩いて運動場に着きました」

 学校から約1km離れた北区にある運動場に到着。グラウンドが狭いため、外で体育をするときは毎回、ここまで来ているのです。

 当然、運動会も全学年が集まれないため、今年は近くの体育館を借りて行われました。こうした状況に学校側は…
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 (開平小学校 岩本由紀校長)「休み時間に使えるような『そらっぱ』という遊び場です」

 校舎の屋上に人工芝を敷いた広場を作り、少しでも子どもたちが運動できるスペースを作ろうと苦心しています。

“都心回帰” タワマンなどが建ち児童数が急増!

 しかしなぜ、こんなにもグラウンドが狭いのでしょうか。

 (開平小学校 岩本由紀校長)「最近ものすごく児童数が増えていて、どこに校舎を増築するかという問題になり、校地敷地内に校舎を建てたことでより狭くなった」

 もともと開平小学校は2014年まで全校生徒は120人ほどでした。しかし、この10年で児童数は300人以上増加。教室が足りなくなったため、2021年にグラウンドの一部をつぶしてこちらの新校舎を増築したのです。さらに…

 (開平小学校 岩本由紀校長)「机椅子倉庫と呼んでいますが、来年度は2クラスくらい増えるかもしれないので、教室数が足りないのでここを普通教室にします」

 来年度からは“倉庫”も教室に作り変えるといいます。

 大阪市の推計では2030年には児童数がさらに300人ほど増え、700人以上になると見込まれているからです。児童が急増しているのにはワケがあります。

 開平小学校の校区にはもともと2つの小学校がありましたが、人口が郊外に流出する「ドーナツ化現象」で児童数は減少。そのため1990年に1校は廃止され、もう1校が開平小学校として残りました。

 しかし、周辺にタワーマンションなどが建って2017年ごろから人口の都心回帰が発生し、今度は児童数が増加することに。再び小学校を増やそうとしても簡単にはいきません。

 というのも、大阪市は廃校となった学校の土地を2007年に売却し、すでに大型商業施設が建っているのです。

新たな土地の購入は“具体的な目途立たず”

 地域住民らの団体は児童が健全に運動ができない「狭いグラウンド」問題を解決してほしいと、大阪市教育委員会に対し学校用地を改めて購入するよう要望しています。

 (愛日地域活動協議会 丸山悦治会長)「普段から走るなど基本的なことができていません。子どもたちの境遇を考えればそこ(土地購入)までする必要があると思います」

 この要望に対し市教委は…

 【要望に対する回答書より】
 「校地の拡張に向け、熱意をもって協議を行っております」

 学校周辺の土地所有者と土地購入に向けて話し合いをしていると言いますが、具体的な目途は立っていません。

廃校になった学校の敷地に「新たな小学校」を作る案も…

 他に手立てはないのでしょうか。市教委を取材すると…

 (大阪市教委・施設整備課 山下哲郎課長代理)「元南高校第二グラウンドに開平小学校の分離新設校を設置する案を話し合っているところです」

 同じ中央区内にある廃校になった「南高校」。このグラウンドに新たな小学校を作り、児童の分散を図る計画を検討しているといいます。ただ、順調に進んでも開校は7年後の2031年になります。

 そもそもこうした状況になることを予期できなかったのでしょうか。

 (大阪市教委・施設整備課 山下哲郎課長代理)「都心回帰で市内に高層マンションが建って、そこに住む傾向がここ10年くらいのことかと思っています。状況が読めていたかと言うと正直読めていはない」

 きょうも狭いグラウンドで遊ぶ開平小学校の児童たち。子どもが健やかに成長できる環境を確保するため、大阪市には長期的なビジョンに基づく方針が求められます。

2024年12月03日(火)現在の情報です

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