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長年続く『駅前の迷惑自転車』特有のワケあり『道路じゃないので撤去進まない...』記者が直撃すると「遅刻するので許して」「みんな止めているから」

特盛!憤マン

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 人通りの多い駅前の遊歩道にずらりと止められた自転車。住民らから不安や怒りの声が上がっています。なぜ駐輪が絶えないのか?禁止の看板があるにもかかわらず平然と自転車を放置する人たちを直撃しました。

朝からずらりと並ぶ自転車…「なんとかしてほしい」

 今年3月、取材班に届いた一通のメール。

 『阪急崇禅寺駅東口には遊歩道があります。遊歩道の桜並木は違法駐輪で外観も悪く歩行者の妨げになっています』

 長年にわたる駅前の放置自転車についての怒りの声でした。

 4月15日、取材班がさっそく現場に行ってみました。

 (記者)「また午前7時半ですが、自転車がずらりと止められています」

 遊歩道に並んだ自転車。それぞれが植え込み部分に前輪を乗せて駐輪ラックかのように止められています。
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 長期間放置されているのか、何枚も注意のタグがつけられている自転車もあります。こうした状況について街の人はどう思っているのでしょうか。

 「あれみんな置いてはるんやな。あれあかんと思うわ。人が通る道でしょ。やめるべきやわ。罰金とったらいいんちゃうの」
 「嫌です!朝早かったら自転車が倒されているし。10台くらい倒れています。その光景はきれいとは言えませんね」
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 問題となっているのは阪急京都線・崇禅寺駅の東側にある約350mの遊歩道。梅田までのアクセスも良く駅の利用者が多く通ります。一体どのような人が自転車を止めているのか。取材班は朝から張り込むことにしました。

1台また1台と増える自転車 歩行者からは不安の声も

 午前7時30分。まだラッシュのピークではないにもかかわらず、すでに30台ほどの自転車が止められていました。そして…。

 (記者)「今、スーツを着た人が自転車を止めました」
 (記者)「また1台自転車が…駅から近い方から埋まっていきますね」
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 駐輪禁止の看板や張り紙があるにもかかわらず、まったく気にするそぶりもなく、次々と自転車を止めていきます。

 (記者)「駅に一番近いところに自転車を止めました。鍵をかけて駅の方へと向かっていきます」
 (記者)「また1台、自転車を押し込むかのように縁石に自転車を乗り上げました」
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 取材を始めて3時間半、約30人が止めていき、自転車の数は60台以上に増えました。市の担当部局によりますと、10年ほど前からこの状態で、多い時には200台以上が止められていたといいます。
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 あまりに多く止めているからなのか、数十台の自転車が連なって倒れてドミノ倒しのようになることも。歩行者からは不安の声が聞かれます。

 「子どもの送り迎えをいつもここでしているので怖いですよね。子どもとかが歩いてひっかけたら、自転車が倒れてきたら怖いなと思います」
 「対向でベビーカー同士で来たら通れないと思うので、人も通りにくいので、良心によるとは思うんですけど、やめる方向になっていったらいいなと思います」
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 春になると駅の利用者を満開の桜が出迎え、大阪の“隠れた桜の名所”としても知られるこの場所。しかしこれだけ多くの自転車を止められてしまうと、花見気分も台無しになってしまいます。

記者が直撃すると「きょうは許して」「急いでいるので」

 歩行者から「迷惑だ」という声が相次ぐ中、なぜ駐輪をするのか。取材班が直撃しました。

 (記者)「今、自転車止められましたよね?ここってダメだと思うんですけれども、急がれているのはわかるんですけれど」
 (駐輪した人)「すみません、遅刻するので」
 (記者)「遅刻しても自転車を止めてはいけないと思うんですけれども」
 (駐輪した人)「きょうは許してください」

 (記者)「今、自転車止められましたか?」
 (駐輪した人)「ちょっと急いでいるので」
 (記者)「急いでいるのはわかるんですけれども、ここに止めるのは…西側に止めればいいと思うんですよ」
 (駐輪した人)「わかりました、すみません」

 (カメラマン)「ここは駐輪禁止っていうのはご存じですか?」
 (駐輪した人)「はい」
 (カメラマン)「止められた理由は?」
 (駐輪した人)「ちょっと近いからです」

 自転車を止めようとしたこの男性は…。

 (記者)「ここは止めてはいけないところだと思うんですけれども?」
 (駐輪しようとする人)「ここ置いていますよ」
 (記者)「皆さんダメだと思うんですよ、駐輪禁止だと思うんですが?」
 (駐輪しようとする人)「大丈夫です」
 (記者)「大丈夫じゃないと思うんですけれども?」
 (駐輪しようとする人)「これ(並んでいる自転車)は?」
 (記者)「これも全部ダメだと思います」
 (駐輪しようとする人)「その人らにも言ってください」
 (記者)「言っています」

 結局、男性は駐輪を諦めて立ち去っていきました。

「みんな止めているから止める場所なのかなと」

 大阪梅田方面に向かうという男性は。

 (記者)「看板に“自転車を止めないように”と書いてあるんですが?」
 (駐輪した人)「自分ここ地元じゃなくて最近来たばかりなので、みんな止めているから止める場所なのかなと」
 (記者)「駅の西側は止めにくいですか?」
 (駐輪した人)「梅田方面に行く人が多いので、ホームがこっち側なので、こっち側の方が止めやすいんじゃないですか」
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 実は駅の西口には有料の駐輪場がありますが、利用者が多い東口の大阪梅田方面側には駐輪場はありません。西口の有料駐輪場に止められる台数は限られている上、梅田方面の改札に行くには地下通路を通るか踏切を渡る必要があり、この遊歩道に駐輪をする人が多いようです。

強制撤去が進まないワケ

 とはいえ大阪市はなぜ強制撤去に踏み切らないのか。この場所を管理する水道局に話を聞きました。

 (大阪市水道局・柴島浄水場 近田信一郎副場長)「水道局の土地になりますので、道路上じゃないということで、撤去行為はなかなか進まない」

 この遊歩道は公道ではなく、あくまで水道局が所有する土地だといいます。市によりますと、強制撤去の対象は市が管理する公道のみで、この場所での強制撤去は難しいといいます。

 ただ、指をくわえて黙っているわけではありません。4月18日、職員が駐輪禁止を伝える黄色いタグを、自転車1台ずつに取り付けていきました。でも本音も…。

 (職員)「タグを貼っても貼っても1台も減らないこともあったり、次の週には増えたり、イタチごっこみたいな感じですね」
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 その後、駅から少し離れた場所に自転車を移動。これまでの場所に駐輪できないようロープを張りました。
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 しかし、ロープが張られていないエリアは変わらず自転車を止める人が絶えません。

 (記者)「市の職員によって作業が行われているにもかかわらず、自転車が止められました」

 一定の効果はあったということですが抜本的な対策とはなっていないようです。

 (大阪市水道局・柴島浄水場 近田信一郎副場長)「通行の方が不快な思いをしていますし、私どもも手間がかかりますので、何とか止めないでいただくようにお願いするしかないのかなと」

 撤去されないことをいいことに長年地域を悩ませる放置自転車。利用者の良心が問われています。

2024年05月15日(水)現在の情報です

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