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住民「子どもいる親として不安」市「救護施設は迷惑施設ではない」..."日常生活を営むことが困難な人たち"の支援施設の建設めぐり紛糾

2022年09月26日(月)放送

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 身体や精神の障がいなどがあり日常生活を営むことが困難な人たちが入所する『救護施設』。生活サポートを受けながら共同生活や自立を目指す施設で「最後のセーフティーネット」とも呼ばれています。現在、救護施設が設置されていない政令市は全国で京都市を含む3市だけで、京都市は新設に向けて計画を進めています。一方で地元住民らは、「必要な施設」であると理解を示しつつも憤りの声をあげています。

「調べていくうちに不安が」京都市での『救護施設の建設計画』に住民困惑

 京都市伏見区は、京都市中心部や大阪へ通勤する人たちのベッドタウンとなっていて、子育て世代も多く暮らすエリアです。
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 しかし今、住民たちが困惑する計画が持ち上がっているといいます。

 (Aさん)
 「こちらが今回、京都市が選定した救護施設の建設予定地になります」

 この地域に暮らすAさん。今年5月、娘が通うこども園の園長から、この場所に『救護施設』という耳慣れない建物ができると聞かされたといいます。

 (Aさん)
 「救護施設と聞いてイメージはいいものかなと正直思ったんですけれども、調べていくうちにちょっといろんな不安とかが湧いてきたという感じですね」

救護施設は自立支援に不可欠…「最後のセーフティーネット」とも

 救護施設とは身体や精神に障がいがあり1人で生活するのが困難な人たちが共同生活を送る施設のことです。掃除や作業をする時間も設けられていて、自立支援に不可欠な「最後のセーフティーネット」とも呼ばれています。
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 京都市では、下京区内で1人で生活するのが困難な人の生活をサポートする更生施設を運営していましたが、入所者の高齢化が進みバリアフリーに対応していないことが問題になっていました。
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 (京都市中央保護所 尾崎功治施設長(当時) 2019年取材)
 「こちらがお風呂ですけれども、入口にも段差があり中に入るにも段差があって、浴槽もけっこうな高さがあります」

 建物ができてから30年近く経ち老朽化が顕著になっていることもあり京都市はこの施設の廃止を決めました。

当初の予定地は“隣の市民が猛反発”で建設中止に

 そこで京都市は6年前、介護職員を配置できる救護施設を新たに建設することを計画。当初は京都市と向日市の境界となる場所を予定地に選んでいました。
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 ところが計画について寝耳に水だった向日市民が猛反発。

 (近隣住民への説明会での住民の音声 2019年)
 「京都市はどないなっとんねん!ええかげんなこと言うとって!」
 「ちゃんと説明してください!」
 「ここにいる皆さんが納得できる形で、なぜあの場所が救護施設に適切な場所なのか教えてください」

 その後、ここでの建設は中止となりました。
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 こうした紆余曲折を経て去年、Aさんの暮らす地域にある障がい者支援施設の敷地内が新たな予定地に決まりました。

近くに子ども園や小学校があり「子どもを持つ親としてはすごく不安」

 そこで、社会にとって必要不可欠な施設であることは住民も理解しますが、立地場所は本当にここが適正なのか、疑問の声も上がっているのです。

 建設予定地は住宅街のど真ん中で、目の前にはこども園、100mほど先には小学校があります。さらに新たな施設では入所者の範囲を広げ、非行のある少年や過去に犯罪を犯した人も受け入れる可能性があります。
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 このためAさんは万が一のトラブルを心配しているのです。

 (Aさん)
 「(刑務所を)出られた方が入られるような施設と聞いたので、やっぱりその点、非常に皆さん不安に思われているかなと思います。僕自身もやっぱりそう思いますし」
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 こうした懸念を抱えているのはAさんだけではありません。

 (こども園の園児の保護者)
 「犯罪歴がある人とかも入られるっていうふうに聞いています。怖いですね。子どもも夕方に遊んだりしているし、そういうのもできなくなるのかなって思いますね」
 「人気のない住宅街で、こども園と向かい合わせで、隣に小学校があって、子どもを持つ親としてはすごく不安」
 「怖いというか、何が起こるかわからないのは正直あるから、(建設予定地として)なんか違う場所がやっぱりあるんじゃないかなと」

「施設は必要」「そんなことはわかってます!」対策が示されず住民ら怒り

 住民の不安が高まる中、京都市は今年8月、小中学校の保護者向けに説明会を開催。議論は紛糾しました。

 (近くに住む小学生の保護者)
 「一番心配しているのはやっぱり登下校の時ですね。私たちが安心できる提案が何もないまま、『もう作ります』というのはちょっとおかしいんじゃないかな」
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 (住民)「誰も納得していないのに、そんな無理やり税金を投入して、ここにその施設を作るんですか?京都市は」
 (京都市の職員)「我々としてはこの施設は京都市内に必要だと考えております」
 (住民)「そんなことは皆さんわかってます」
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 京都市側からトラブルを防ぐ具体的な対策が示されないため住民もヒートアップします。

 (住民)「説明会は今日で最後にされて強行で建設を進めていかれるのか、ある程度住民が納得する説明ができるまで説明会を繰り返し開催してもらえるのか?」
 (京都市生活福祉課 村上文彦課長)「工事は工事として一定の時期に進めていきたいというふうには考えております」
 (住民)「もう建設は決定事項ですか?じゃあこの説明会いらないじゃないですか」

説明会は今回が最後…しかし両者主張は最後まで平行線

 京都市側は予定の時刻で説明会を終わらせようとしますが…。

 (住民)「誰も帰らへんですよ」
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 説明会は今回で最後です。納得できる説明が得られるまで住民も引き下がりません。

 (住民)「あなたが、建設ありきでしたっていう説明してくださいよ。建設ありきで住民の声なんか無視して形だけの住民説明会でしたってここで明言してくださいよ」

 説明会は終了予定時刻を約1時間オーバーしましたが最後まで両者の主張は平行線でした。

 (住民)「市がやることですかこれ。建てる建てへんとかじゃなくて、京都市さんの姿勢が(住民を)ないがしろにしすぎですって」

京都市は秋ごろに工事開始の方針「意見の中で何ができるかを検討」

 近隣住民の納得が得られないまま計画を推し進めるつもりなのか。京都市の担当者に見解を尋ねました。

 (京都市生活福祉課 村上文彦課長)
 「救護施設につきましては、他都市もそうなんですけども、近くに小学校・保育園があるところも多数ございますし、救護施設そのものが迷惑施設ではございません」

 場所の変更は現状は考えていないとした上で、秋ごろには施設の建設工事を始める方針だといいます。

 (京都市生活福祉課 村上文彦課長)
 「(Q住民は納得しているという認識?)全員が全員納得できるとは思っておりませんし、一定の意見というのも聞いておりますので、その意見の中で我々として何ができるかという部分を現在検討しているところです」

 物議をかもす救護施設の建設計画。本来の目的である自立支援を着実に行うためにも地域の理解は必要ではないでしょうか。

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