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道路にはみ出す飲食店の「テーブル」「看板」に地元住民ら困惑 "公道と私道"が混在する大阪・天満エリア

2021年05月24日(月)放送

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大阪・天満は多くの飲食店が立ち並び、『裏天満』と呼ばれる人気エリアもあります。ただ最近は、一般道でもテーブルが道にせり出した店が増えてきて、「町の環境が乱れる」などと地元では困惑する声が上がっています。

“道路に客席”「通行の妨げになっている」と訴える声

【取材班に届いたメール※一部抜粋】
「ここ最近、天満の町に飲食店が増え、道路に客席を作り通行の妨げになる店舗が多く見受けられます。コロナ禍の中でもかなり賑やかな状況で不安を感じております」

これは、大阪・天満の飲食店関係者から取材班に届いたメールです。無許可で道路に客席を作りゴミなども放置している飲食店の実情を訴える内容でした。取材班はメールをくれた人物に直接取材を申し込みましたが、「狭いコミュニティーで直接同業者を指摘することは難しい」と断られました。一体、天満の飲み屋街で何が起きているのでしょうか。

せり出したテーブルや看板をかわしながら通過する車

今年4月8日午後7時すぎ、取材班は天満を訪れました。当時は「まん延防止等重点措置」で飲食店には午後8時までの時短要請が出されていた中、ミナミやキタに比べて客足は戻ってきているように見えます。
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駅につながる道路にある店の軒先には看板が並び、テーブルが道路までせり出した店も確認できます。
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そこを通るタクシーは、看板を避けながら、せり出したテーブルのギリギリを蛇行運転で通過していきます。こうした状況は数年前から続いているといいます。
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(地元住人)
「正直、迷惑だなと思っています。商店街の天満駅のところまででいうと、車もあって自転車もあって歩行者もいるところではけっこう危ないなっていうのはあります」
「歓迎はしてません。私らはここで生活してるんでね。飲み屋さん街で生活していたわけではないので。(Q元々は何の店舗が?)食料品だったり、それこそ小物を売ったり、生活するのに必要なお店がたくさんあったけど、今はそういうのがだんだん減ってね」
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「公道」では、テーブルを道路にせり出したり看板を置いたりする行為は道路交通法違反(道路の不法占拠)に当たる可能性もあります。午後9時前、多くの店がシャッターを閉めますが、テーブルを道路に放置する店もありました。

「私道」では店同士の“暗黙のルール”

天満と言えば、狭い路地裏に赤提灯をさげた飲食店が立ち並ぶ『裏天満』と呼ばれるエリアが人気です。元々は青果店などが立ち並んでいた場所で、その多くが「私道」。道路をふさがないように店同士が暗黙のルールで運営しているといいます。
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しかし、数年前から周辺の“公道”でも、路地裏風の店が出店し始めたといいます。

昼間に天満を歩くと…

こうした事態に地元住民らは去年、看板や客席が路上にはみ出した店に改善を呼びかける活動を始めました。活動を呼びかけた1人が大阪府議会の久谷眞敬議員です。取材班は久谷議員と昼間の天満を見て回りました。
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(久谷議員)「(路上にイスとテーブルが置いてあって)いつでも座ってくださいという状況です。夜になったらまたワーっとなっています。(路上に)看板も常設という状態です。完全にアウトなので」
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  (記者)「路上に散乱しているタバコの吸い殻などは?」
(久谷議員)「この辺は本当に多いですよね。わい雑しているのが(天満らしい)と勘違いしている人がいますけど、やっぱり町をきれいにしたいという思いはみんなの共通認識なので」
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公道にはみ出した店や放置されたタバコの吸い殻。定期的に店側に注意を呼び掛けていますが、こうした問題がなくならないのは天満特有の事情があるといいます。
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  (記者)「ここはすごくはみ出していますね?」
(久谷議員)「夜は通れないというか。逆に通さないようにしてるのかなというくらい」
  (記者)「ただ、私道だから注意できないという状況?」
(久谷議員)「そうですね。将来的にはこういうお店とも連携して一緒にやってもらえたらと思っています」

私道の軒先に看板を置く行為などは道交法違反に当たらない場合もありますが、防災上の問題などが指摘されています。

違法性を認識する店も「置くところがない」

天満では公道と私道が複雑に混在していて、「私道の店が軒先に看板を出しているのだから、公道でもある程度は許容されるのでは」と主張する店もあるといいます。
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4月、実際に客席を公道に出していた店に取材を試みました。

(店側)「よそ行って。うちは答えられへん」

別の店は…。

(記者)「道路交通法で道に置くことが違反だが?」
(店側)「そうですね」
(記者)「それはご存じですか?」
(店側)「はい。やっぱり指導とかあれば直したりしますけど」
(記者)「なぜ外に設置している?」
(店側)「置くところがないからですよ。ある意味飾りみたいなものですから、どちらかと言えば。きょうもドラム缶に座るお客さんは1組もいなかったので」

店側は違法性については認識しているようです。

防災上の問題点は?

一方、天満の飲み屋街では去年11月に火災が起きました。飲食店の1つから出火。現場は私道と公道が入り組んだ狭い路地で、軒先には看板などが置かれていました。
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40台ほどの消防車が出動しましたが、消火には約10時間を要し、火は7棟に燃え広がりました。
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都市防災に詳しい専門家に天満の現状を映像で見てもらいました。

(関西大学社会安全学部 越山健治教授)
「道路においてゴミが落ちていたり段ボールがあったりすると、何してもいいんだという無秩序性が見えてしまうので、放火とか犯罪とかを呼びやすいと言われています。自分の店舗だけとか自分の場所だけでの何かという話が利害対立して、その話ばかりになってしまうとおそらくいい空間にはならないし。全体でちょっとずつルールを作っていって、少しずつ制限をかけていって、地域の安全を考えていくという考え方がすごく大事だと思います」
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数年前から続く飲み屋街のこうした光景は風情と言えるのか。道路を管理する大阪市は取材に対して「指導を行っているが大きな是正に至っておらず対応に苦慮している」と話しています。

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