MBS 毎日放送

2019年05月16日 11時00分 公開

「ぶっ飛んだ俳句は夏井先生のせい」立川志らくがプライドをかける言葉のセンス

きょう(5/16)午後7時からの『プレバト!!3時間スペシャル』(MC:浜田雅功)で、楽器、マジック、油絵など芸能人がそれぞれの特技を1か月間特訓して才能のアリナシを査定する大型スピンオフ企画「ザ・1か月」が放送される。その中の「クラシック演奏の才能査定ランキング」に、立川志らくがハーモニカで挑戦する。「俳句査定」では特待生3級の志らくだが、ハーモニカとの意外な出会いと実力とは。さらに、大活躍する俳句での卓越したワードセンスの原点などを本人に直撃した。

ハーモニカのきっかけはミッキー・カーチスさん、3000円払って教えてもらいました

――音楽好きとは聞いていますが、ハーモニカとの出会いは?

10年ほど前に、私が主催している劇団「下町ダニーローズ」にミッキー・カーチスさんが出演してくださって、劇中でブルースハープというハーモニカを披露してくれたのがきっかけです。ハーモニカってこんなにも格好いいのかと感激していたら、ミッキーさんが使っていたハーモニカをプレゼントしてくれたんです。でも、ブルースハープは普通のハーモニカとは違って穴が10個しかないし、自分の口の中で音を作らなければいけない。ものすごく高度なテクニックが必要なんです。全然音が出なくて、ミッキーさんに相談したら「3000円で教えてあげるよ」って。3000円払って教えてもらいましたよ(笑)。そうしたら音が出せるようになって、今では落語会や舞台でお客さんの前でも披露しています。お遊びの延長なんですけどね。

――1か月の特訓の成果のほどは?

普段から吹いているから楽勝だと思っていたのですが、しんどかった(笑)。クラシックは初めてでしたし、ジャズの楽器だから自分のリズムでやるものなので、人と合わせて演奏することなんてありませんから。オーケストラといっても3、4人くらいの楽団かと思ったら、まさかの東京フィルハーモニー。しかも指揮者は世界的に有名な三ツ橋敬子さん。ハードルが高すぎて、プチパニックを起こしました(笑)。練習ではボロボロでしたけど、でも私は本番には強いんです。まあ見ていてくださいよ。

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ぶっ飛んだ句は夏井先生のせい、俳句にのめり込んでいます

――今回のスピンオフ企画だけでなく、いつもの俳句査定も本当に大変そうですね。

そうなんですよ! ネットで「どうせマネージャーに俳句を考えてもらってるんだろ」とか言われると、ものすごく腹が立ちますね。誰も助けてくれませんから。そんなことを言うヤツのところに乗り込んで、この苦しみを教えてやりたくなります(笑)。仕事の合間も何かいい言葉はないかと歳時記を見ていますし、夜中にパッと起きて思いつくことも。いつも締め切りまでずっと考えています。実は俳句はアマチュアでやっていて、10年くらい前から映画監督協会の仲間と月1回句会を開いているんです。でも、プロがいないから誰も教えたり、直したりできない会なんですけどね(笑)。だからプレバトに出るようになって、夏井先生のアドバイスを聞いて、初めて俳句ってこういう作り方なんだと知りました。もともと好きだったのですが、のめり込んでいます。

――志らくさんの俳句は「ガンジーのような足」など発想が独創的です。

最初に出た時は「南無の空光に見えしチューリップ」(2017年4月13日放送回)で"凡人"でした。自分としてはきれいな句を詠んだつもりだったんですけどね。でも、ある人から「自分がいいと思っていてもしょうがない。夏井先生にいいと思わせる句を詠まないと」と指摘され、先生の句集を買って読んでみたら、かなりぶっ飛んでいたんです。じゃあ私ももっとぶっ飛んだ句を詠もうって。それが特待生に昇格した「ガンジーのような足が出る砂日傘」(18年7月19日放送回)あたりですね。それまでギリギリで才能アリに入ることもありましたが、変わったのはそこから。だから先生のせいです(笑)。"夏井チルドレン"って言っていいくらい影響を受けています。

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――これまでの句で会心の出来だったのは?

「婆やは蜜柑食べ続ける妖怪」(18年12月20日放送回)、「桜隠しキリストめける干したシャツ」(19年4月11日放送回)の2つですかね。「婆や~」はミカンを食べているおばあさんを思いついたのですが、五七五で詠むとなんか陳腐になってしまって。それで破調にしてみたら、これが一番いいんじゃないかなって。よく夏井先生が「破調は素人が手を出すと絶対に失敗する」とおっしゃっていたのでチャレンジでしたが、「破調が成功している」とお褒めの言葉をいただけました。「桜隠し~」は桜と西洋のキリストを思い切って合わせてみたのですが、うまくいきましたね。オンエアの翌日に季節外れの雪が降って、本当に桜隠しになったのもびっくりしました。

梅沢さんに引導を渡すのは私、早く名人になって同じ立場で戦いたい

――大活躍の志らくさんを名人の梅沢富美男さんも警戒しています。

梅沢さんはコメンテーターとしての先輩でもあるんです。梅沢さんが"元祖炎上"ですから(笑)。プレバトでも、やっぱり普通の人の発想じゃないところからワードが飛んでくる。特待生・名人の中でも梅沢さんの俳句が一番好きです。でも、たまに本人は自信満々なのに、ものすごく陳腐な句を詠まれることも(笑)。それが人間らしくて面白いんですけどね。いつもやたらと「ミスタープレバト」「俺が出れば数字が上がる」とか言っているけど、そろそろ誰かが引導を渡さないといけない。この間の高校生との対決の時に「誰かが梅沢さんに代わるとしたら、それは私でしょう」と言ってやりました(笑)。尊敬する大先輩ですが、番組では対決の図式でいるつもりです。早く名人になって、梅沢さんや東国原英夫さんと同じ立場で戦いたい。今も同じ土俵なんだけど、胸を借りるのではなく、同じポジションでがっぷり四つで戦える位置まで早く上がりたいです。

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――そして鈴木光さんという"天敵"も現れました。

とっても邪魔されていますね(笑)。彼女に言わせるとクイズ番組の「東大王」で私にギャフンと言わされているから、俳句でやり返してるみたいですけど。やっぱり東大生は頭の仕組みが違う。論理立っているし、彼女にはセンスもある。でも、こっちは論理ができないから全部が感覚です。だから負けるとすごく悔しい。最後は自分の感覚やセンスが絶対に上回るはずだと確信しているけど、現時点では論理に負けてますね。正月SPでは彼女の明るい句に敗れてしまいましたが、それに対抗して自分もきれいな句を詠んでみたりと影響を受けています。それが「走馬灯に駆け込む書初めの午」(19年1月10日放送回)に繋がっているんです。走馬灯の中にウマが飛び込んだらきれいだろうなって。でも"走馬灯"が夏の季語だったから"現状維持"になっちゃいましたけど(笑)。

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言葉のセンスを問われるのが俳句、プライドをかけています

――志らくさんにとって俳句の魅力とは何ですか?

俳句は言葉のセンスがものすごく問われるんです。17音という短い中に、誰もがいいと感じるドラマを描けるか。正解はないけど、自分がこれだと思う一番効果的なワードを選ぶんです。言葉のチョイスが大事ということでは、俳句も落語もコメンテーターでも同じです。落語ではきれいに語るところに重きを置かず、いかに観客の頭に映像を浮かべさせられるか。コメントも世間とのバランスを考えず、自分はこう思うんだとスタンスをはっきりさせて、強烈な言葉を選んでぶつけています。俳句も同じで、常に言葉選びです。芸人はセンスが命なので、プライドをかけています。だから俳句で"現状維持"や"降格"査定になると、ものすごく傷つく。全国の皆さんにセンスがないところを見られてしまうわけですから。

でも、「和紙ちぎり絵」とかの査定で"才能ナシ"になっても、私に出演を依頼する方が悪いって開き直っています(笑)。落語会の打ち上げとかで、酷評された絵の写真を周りに見せると「こりゃあ、ひでえ!」ってゲラゲラ笑われますけど、まったく傷つかない。でも、俳句は違う。"現状維持"や"降格"したら、悔しいから放送は見ません。それでもつらくはないんです。好きでやっていることですから。夏井先生に教えていただいて1ステップ上がれましたし、世の中にアンテナを張っているセンスのいい芸能人と戦えるのはとても楽しい。だからプレバトの収録の日は、小学生が遊園地に行くみたいにワクワクするんです。

(取材・文=中野龍)

◆「プレバト!!3時間スペシャル」
5月16日(木)午後7時~MBS/TBS系
MC:浜田雅功
アシスタント:玉巻映美(MBSアナウンサー)
【俳句の才能!特待生昇格スペシャル】(50音順)
名人・特待生:梅沢富美男、千原ジュニア、村上健志(フルーツポンチ)
特待生候補:皆藤愛子、河合郁人(A.B.C-Z)、筒井真理子、徳光和夫、馬場典子、藤井隆、星野真里
専門家ゲスト:夏井いつき(俳人)
【プレバト!!ザ・1か月】(50音順)
マジック:哀川翔、濱家隆一(かまいたち)、濵田崇裕(ジャニーズWEST)、ほいけんた、野々村真
油絵:大和田伸也、加藤登紀子、鈴木砂羽、前田典子、宮尾俊太郎
クラシック演奏:小倉優子、黒坂真美、立川志らく、松井咲子
ゲスト:川栄李奈、ホラン千秋
専門家ゲスト:上口龍生(プロマジシャン)、魔耶一星(プロマジシャン)、野島伸幸(プロマジシャン)、伊勢崎勝人(洋画家)、三ツ橋敬子(指揮者)、東京フィルハーモニー交響楽団
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