4月18日放送の「プレバト!!」俳句査定は、「全国俳句強豪校vs名人・特待生!春の他流試合」と題し、梅沢富美男をはじめとする名人・特待生が名門・愛媛県立松山東高校と激突。この際、夏井先生いわく「私以上に言いたいことを言います」という俳句界の重鎮3人が審査員として登場し、痛烈なダメ出しを受けた梅沢とまさかの大バトルに。それを見ていた夏井先生が「私ではない人間が(梅沢さんを)怒るのが爽快!」と大興奮する一幕があった。
松山東高校が初戦で春の俳句王・フルポン村上を撃破
今回は俳人・夏井いつき先生がプレバトの名人・特待生の実力を図るべく、「俳句甲子園」全国大会最多19回の出場を誇り、正岡子規や高浜虚子が輩出した愛媛県立松山東高校との他流試合を用意。梅沢富美男、フルーツポンチ 村上健志、中田喜子、Kis-My-Ft2 千賀健永、立川志らくが最強高校生と激突する。お題は「自動ドア」の写真で、夏井先生が「私の頭上の頭上にいらっしゃる人たち」「私以上に言いたいことをいう」と尊敬する俳句界の重鎮・宇多喜代子先生、井上康明先生、高野ムツオ先生が審査員を務める。
まずは松山東高校の先鋒、3年・中山寛太くんの指名で、春のタイトル戦を制した名人8段・フルポン村上がステージに立つ。
<第1試合>
花の夜や靴履き終えて無言の汝
フルーツポンチ 村上健志
春はひらく立ち止まること許されず
松山東高校3年 中山寛太
自動ドアから別れに発想を飛ばした村上は、「別れ話をして部屋を出ていく。靴は履き終えたけど、まだ出て行きはしない。その無言の静けさを詠んだ」と自信満々。
一方、中山くんは「自動ドアを見た時に、ガラスの向こうの春の光が差し込んでいて。ドアが開くと、春そのものが自分に開いたように見えた。みんなが新生活に行く中で、立ち止まることはできずに進んでいくしかないと感じた」という高校生とは思えない一句を披露する。
<判定>
27 対 28 ・・・ 勝者:松山東
1点差ながら、いきなり高校生チームが勝利という結果にスタジオが騒然となる。
宇多先生は「村上さんは句がしゃべりすぎ。物語になりすぎ。中途半端で伝わってこない」と中山君に軍配を上げる。さらに井上先生も。ところが、高野先生は逆に「村上さんのは俳句としてしっかりできている。ストーリー性もギリギリのところで止まっている」と村上の句を支持。
夏井先生は「のっけから異種格闘技みたいでしたね。物語を描こうとしているし、片や春の季節そのものを描こうとしているチャンレンジャーな句。大差はなかった」と、審査員の評価が割れるほどの僅差の勝負を称えた。
名人・梅沢が俳句界重鎮と大バトルで夏井先生「爽快!」
第2試合は、「自信あります。ここに来たことを後悔させてやりますよ」と気合の入るキスマイ千賀と、「NEWSの手越(祐也)くんのファンです」と明かして千賀をズッコケさせた2年生の新部長・山内那南さんの戦いに。
<第2試合>
「運命」のドア叩く音春疾風
Kis-My-Ft2 千賀健永
減便の航路の島々を躑躅
松山東高校2年 山内那南
<判定>
28 対 28 ・・・ 引き分け
ベートーベンの名曲「運命」に発想を飛ばした千賀、フェリーの自動ドアから島々の躑躅に思いを馳せた山内さんの勝負は引き分け。
ここで3番手の武田歩くんが、なんと梅沢富美男を指名。「私が大将をやらなかったら誰がやるんだ!」と豪語していた梅沢は、納得がいかない様子を見せつつも渾身の一句で勝負に出る。
<第3試合>
退院の雲なき空やつばくらめ
梅沢富美男
春空やアポロの飛ばぬ半世紀
松山東高校2年 武田歩
梅沢は「退院してドアが開いたら青空。そこにツバメが飛んでくるんですね。それを見て、ああ清々しい春だ!しかも、『春』と一つも詠んでいない奥ゆかしさ」と自信満々。
一方、武田くんは「自動ドアから外に出ると春の空が無限に広がっていて、さらに向こうにある宇宙を詠んだ。人類が月面に立ったのはアポロ以来半世紀も成し遂げられていない。春空を越えて、いつか再び人類が月に降り立つのを夢見ている」という壮大な一句。
<判定>
28 対 28 ・・・ 引き分け
しかし、結果はまたも引き分け。
宇多先生と井上先生は「退院の気分がとてもよく出ている」と梅沢の句に10点満点の評価。ところが高野先生は「梅沢さんの俳句はダメダメ。だいたい退院したらまず空を見る。発想パターンが類想だし、ツバメと取り合わせるのも常套手段。名人が作る俳句じゃない」と痛烈なダメ出しの8点。梅沢は「村上の俳句が好きだと言った時から、どうも波長が合わないと思っていた!」などと激怒。
その様子を見ていた夏井先生は「私ではない人間がおっちゃんを怒るのが爽快でした」と大笑い。
その上で、「自動ドアの向こうにある空対決でしたね。梅沢さんの句は身近な人生の感慨、武田くんの句は人類の壮大な感慨を詠もうとした。ものすごく対照的で評価が分かれて当然。私も五分五分だと思います」と好勝負をたたえた。
続く第4試合は、「私たちは夏井先生にビシバシ添削されているから、レベルが上がっていると思う」と自信を見せる中田喜子と3年生の森貞茜さんが対戦。
<第4試合>
囀りを合図のごとく始発来る
中田喜子
春日のエンドロールや伊予灘線
松山東高校3年 森貞茜
ウグイスのさえずりを始発列車の合図にたとえた中田と、車窓から流れる海の絶景をエンドロールになぞらえた森貞さんの比喩対決となる。
<判定>
28 対 28 ・・・ 引き分け
志らくvs高校生、劇的勝利にスタジオ大興奮!
熾烈なバトルは1点差のまま最終対決にもつれ込むことに。梅沢が「お願いしますよ。一番オイシイとこなんですから」と5番手の志らくにプレッシャーをかける。
<第5試合>
自動ドア開けて子を追うシャボン玉
立川志らく
鉄塊の森の底飛ぶつばくらめ
松山東高校3年 小川一磨
志らくは「素直に"自動ドア"を詠んだ。お母さんに呼ばれて、シャボン玉を吹いている子どもが途中で帰ったら、自動ドアが開いてシャボン玉が後を追うようだった。"開けて子を追う"で誰が追いかけるのかな、友達や親かなと思うけど、思い切りシャボン玉で裏切ってみた」と意図を説明。
すると、対戦相手の小川くんが「本当は誰かが前に立っているんだけど、シャボン玉自体がドアを開けたかのように詩的な詠み方になっている」とさらに深い読みを示し、名人たちを驚かせる。
その小川くんは「修学旅行で東京に来た時に、自動ドアを出るとものすごく高いビルが僕たちを見下ろしているような感じがした。その"鉄塊"の一番低い所をツバメが飛んで行った、という句です」と説明。
<判定>
30 対 27 ・・・ 勝者:プレバト
<総合得点>
141 対 139 ・・・ 勝者:プレバトチーム
なんと志らくが3点差で勝利し、総合でもプレバトチームの逆転勝利となった。
井上先生「志らくさんの句は切れ端のような一瞬を捕まえて、いろんなことを想像させる。シャボン玉が『もっと遊ぼうよ』と子どもを追いかけているようで、テクニックがあって老練」
宇多先生「兼題の見地からすると志らくさんの方が良かったが、兼題を退けたら小川くんの方が良かった」
高野先生「小川君は"鉄塊の森"と"つばくらめ"の取り合わせが素晴らしい。志らくさんの句について小川くんがとてもいいことを言っていた。すごい鑑賞眼ですよ。どちらもいい句でした」
審査員の講評に両チームとも納得の表情をみせる。
さいごに夏井先生から「小川くんの句は"つばくらめ"から行って、"飛ぶ鉄塊の森の底"とやっていたら完全に勝ちだった」との言葉が贈られる。「すごく悔しいんですけど、志らくさんの俳句、僕すごく好きでした」とあらためて勝者の俳句を称える小川君。その爽やかな態度にスタジオ中から拍手が巻き起こる。
そして、劇的な逆転勝利の立役者になった志らくが「見事プレバトが勝利しましたので。梅沢名人、主役交代です」と冗談を飛ばし、それでも満足そうな笑顔の梅沢で、春の他流試合が幕を閉じた。
◇
さて、次回の俳句査定のお題は・・・
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