2019年も残すところあと数日。12月15日放送の「林先生の初耳学」では、番組恒例の「林修が驚いた10大ニュース」をランキング形式で発表した。世相に敏感な林先生らしく、ランキングからは現代社会の抱える問題点が浮き彫りに…。なかでも林先生が「こんなショッキングなニュースはない」と言い切った、日本の未来にかかわる深刻なニュースとは？

"少産少死"の日本。その先は...
技術革新やエンタメのトレンド、災害など多岐に及ぶトピックが取り上げられた「林修が驚いた10大ニュース」。そんななか、何度か登場したキーワードが"格差社会"だった。
第5位は「日本の出生数が急減、今年90万人割れへ」。厚生労働省が発表した今年1月から9月の出生数が速報ベースで前年比5.6％減に。これを受け、今年の出生数が86万人程度になるという見通しが報じられた。
国はこれまで、出生数が90万人を下回るのは2021年と推計。それが2年も前倒しになり、林先生は「こんなショッキングなニュースはないですよね」と日本の未来を案じた。
一般に人口は、その国の経済や医療、科学技術の発展に伴い、「多産多死」→「多産少死」→「少産少死」→「少産多死」と移り変わっていく。林先生は「今の日本は"少産少死"です。もうちょっと経つと"少産多死"になっていく可能性が高い。そうなるとますます人口がすごいスパイラルで減っていくことになる」とした。
一方で、既婚者の合計特殊出生率は1.94（2015年）と「そんなに急激に人口が減っていくペースではない」。このことから「特に近年深刻だなと思うのは、結婚する率が下がっていること。格差社会、(生活水準の)二極化が進む中で、所得の低い方々が結婚して生活ができないという危機的な状況が大きな原因になっているんじゃないか」と、背景に格差社会問題があることを指摘した。

香港の大規模デモから日本が学ぶべきこととは？
続く第4位は「香港で大規模デモ発生、約103万人の市民が参加」。犯罪容疑者の身柄を香港から中国本土へと引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」の改正案をきっかけに今年6月に勃発したデモは次第に過激化。11月にはデモ隊が立てこもっていた大学に警察隊が突入し、1,000人以上の逮捕者を出した。
このニュースについて、「僕なりにいろいろ勉強したんですけど、根が深い」と感想をもらした林先生。「一番大きいのは格差社会なんじゃないかと。今の香港の若者たちは、所得の低い家に生まれた時に、どうやったらのし上がっていけるのかっていうビジョンが見えない」「人は、今日がつらいのは耐えられるけれども明日が暗いのはどうにもならない」と香港デモの背景を分析した。
そして「格差社会が進行しているのは日本も同じ。僕はどうしても、香港の話としてだけ捉えるんではなくて、日本と比較して若者の未来がどうなっていくのかなっていうことを並行で見ているのでこれをピックアップしました」と説明した。

"ムサコざまあ"が映した日本の現状
さらに第2位「猛烈な台風で日本各地に甚大な被害」でも、そんな格差社会にまつわる問題点を指摘した。
「今回やっぱり、ネットなんかで"ムサコ(武蔵小杉)ざまあ"っていうのがワッと出てきたっていう、これはちょっと過去に例がないこと」と、高級住宅地が浸水被害に遭ったことでSNSに「ざまあ見ろ」「嬉しい」といった言葉が並んだことを振り返り、「完全に人々のつながりが切れた分断社会ができて、災害をきっかけにそれが一気に表面化する"災害ディストピア"が生まれたんだ、という人もいます」と、ここでも富裕層と低所得層に二極化された格差社会が日本に影を落としている現状を憂えた。
林先生が"格差社会"を今後の日本を占う大きなテーマととらえていることが明らかになった今年の「10大ニュース」。このほか10位にこの日のゲスト・土屋炎伽の「ミス・ジャパン初代女王決定」、9位「サブスクリプションの波が音楽業界にも」、8位「首里城火災」、　7位「小学6年生、数学検定準1級合格」、6位「ラグビーW杯日本代表が史上初のベスト8進出」、3位「売上倍増の書店がブームに」、1位「ノーベル化学賞で快挙 吉野彰氏らが受賞」がランクインした。

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次回の「林先生の初耳学」は2020年1月12日(日)に2時間スペシャルを放送する。高学歴ニートに人生の先輩が熱く授業する人気企画『熱血課外授業』で乙武洋匡が魂の授業を展開するほか、ゲスト佐藤健と林先生の知識対決も送る。

「林先生の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。博学で知られる林先生でさえ知らなかった知識を"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/

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