博識ぶりがテレビでも大人気の林修先生。そんな林先生が4月21日放送の「林先生の初耳学」で行った“視力”に関する解説内容が「わかりやすい」と話題を呼んでいる。その背景には、国語(現代文)担当の予備校講師というキャリア、そして趣味だという読書に加え、際立つ“数学的思考力”があった。
視力に"1.1"がないのはなぜ?
林先生が知らない知識を"初耳学"に認定する「林先生の初耳学」。この日、番組では"視力"に関する問題が出題された。
出題は「視力表にはなぜ1.1がないのか?」というもの。たしかに、視力表では0.1から1.0までは0.1刻みだが、それ以降は飛び飛びになっている。
林先生は「これは知ってます」と即答。「視力って小学校の時から言われますよね? その"数字の意味"を皆さん考えずに生きてきたんですか?」と、"ドヤ顔知識"を披露した。
数式と"大きなケーキ"で全員納得
黒板の前に立った林先生は、視力表によく使われる"C"形の記号(ランドルト環)を描き、「視力というのは、目の中心部から見たときの(目と対象物の両端を結んだ2つの直線が作る)"角度"、つまり視角で決めるんです」と、視力の意味から説明をスタート。
数式(視力=1/視角)を使い、"視角と視力は反比例の関係"であることを説明。「視力1.0と視力1.1はあんまり差がないんです」「だから視力1.1を測る必要がない」と結論づけた。
数式に身構えるスタジオメンバーには、"分母(視角)が大きくなると、求める答え(視力)は小さくなる"という原理を噛み砕いて説明。
大きなケーキを例に、「(ケーキを)1人で食べるか2人で分けるかの差は大きいですよね? でも、9人集まっているところにもう1人来て10等分になっても、もうあんまり変わらないでしょ?」と解説すると、初めは戸惑っていた出演陣も「なるほど!」と笑顔に。澤部佑(ハライチ)は「最終的にわれわれに理解させるためにはケーキまで例えを落とさないとダメだと判断したんですね(笑)」とツッコみ、スタジオを沸かせた。
視聴者からも「説明の流れが見事」の声
この解説は、視聴者からも「わかりやすくて感動した!」「納得できた」の声が次々と上がるなど好評!
ポイントは、林先生が"数字の意味"をきちんと伝えたこと。なんとなくやり過ごしがちな"視力"をすっきり明快に説明した手腕に、インターネット上では「数式で仕組みを説明したうえで例をあげる流れが見事」「数学が苦手でもわかった」といった感想が上がっている。
林先生の解説が人気を呼ぶ秘密は、まさにこの明快さにある。物事を数字やステップに置き換えて数学的に説明することで、視聴者はさらに深く理解できる。数字にも強い林先生ならではの知力が存分に発揮された解説といえる。
アナウンサー試験に必要な能力を"解析"
林先生の数学的思考が生かされた場面はほかにもあった。
この日は人気企画「吉川美代子先生の女子アナ学」も放送。元テレビ東京アナウンサー・大橋未歩先生を特別講師に迎え、多摩動物公園の動物を取材してキャスター役・吉川先生の質問にも答える"中継リポート"の課題が行われた。
VTRをスタジオで見守った林先生は、「普通の人も気にしないといけないポイントがいっぱいあった」と指摘。「まず重要なのは"読解力"。あとは、どう伝えるかという"コミュニケーション能力"。『何を(伝えるか)』と『どう(伝えるか)』、この能力があるかが出ちゃいますよね」と総括した。
一見複雑に見える課題をいくつかのポイントに細分化し、やるべきことを際立たせるという理解のしかたにも、林先生の数学的な発想が覗く。林先生の持ち味が光るコメントに、スタジオのメンバーも納得の表情を浮かべていた。
*「林先生の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
全国1億3千万人から募集した選りすぐりの知識を抜き打ちで林先生に出題。物知りの林先生でさえ知らなかったものを"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/