MBS 毎日放送

2018年10月04日 13時00分 公開

「筋肉はファッションです」棚橋弘至の見事なセルフプロデュース術に反響続々

見事な筋肉美にロン毛茶髪がトレードマークのプロレスラー棚橋弘至41歳。人気低迷で倒産寸前だった新日本プロレスの看板レスラーとして握手会や女性限定イベントなど次々と異例のファンサービスを考案し、業界V字回復を実現した立役者だ。今や来場者の4割が女性客。売り上げも過去最高記録を更新するまでになった。9月30日放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」では、満身創痍の身体を抱えながら試合前には美容院に通い、SNSで自撮り投稿するなどアイドルさながらの自己演出で人気を牽引していく姿を伝えた。

どん底からの起死回生「プ女子」獲得の秘密は"チャラさ"にあり

ド派手な衣装と、黄色い声援。今や女性ファンが殺到し日本武道館の1万2000席の会場を満員札止めにするほどのプロレスブームが巻き起こっているが、棚橋がデビューした90年代は新しい格闘技ブームのあおりを受けプロレス人気が一気に下火に。所属する新日本プロレスも倒産の危機にさらされるという「どん底時代」だった。

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「(人気低迷で)どんどん席が一列ずつ減ってく感じがね、エゲツなかったすね。スターが生まれる環境をまず作らなきゃいけないと思って。そこからですね。色々動き始めたのは」

起死回生を狙った棚橋は、握手会や女性限定イベント、試合後のハイタッチなど異例のファンサービスを考案していく。握手会の現場では、思った以上に棚橋とファンとの距離が近かった。

(棚橋)「いつもアイちゃん(僕と)一定の距離感保つよね」

(女性ファン)「近いとちょっと・・・」

常連ファンを名前で呼び、恥ずかしがる相手もぐっと引き寄せやさしくハグ。得意技は「チャラさ」だ。
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自身のSNSでも外出前のファッションコーディネートを自撮りして毎日欠かさず投稿するなど、これまでの無骨で男臭いプロレスラーのイメージを大幅に打ち破った。そんな地道な活動が奏功し、プロレス好きの「プ女子」と呼ばれる女性ファンが急増した。

メディアにも引っ張りだこで、テレビやラジオ出演も精力的に行い、最近では映画「パパはわるものチャンピオン」で主役も務めた。ファッション雑誌のモデルや育児雑誌の表紙も飾り、多いときは、1日7~8本の仕事をこなす。
慣れない「リング外の仕事」では気苦労も多いだろうが、棚橋は決して「疲れた」とは言わない。「レスラーはどんなときもかっこよく」が信条だからだ。

満身創痍の肉体管理のため、家族の食事とは別に自炊も

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そんな"チャラさ"とは裏腹に、長年レスラーとして酷使し続けてきた棚橋の肉体は限界を越えようとしていた。
この日は所属する「新日本プロレス」の道場でトレーニング。ちなみに「新日本プロレス」とは、46年前にアントニオ猪木が創設した団体で自宅の庭に建てた道場が今も使われている。現在所属するプロレスラーは39人。かつて道場の壁には、長きにわたりアントニオ猪木の巨大パネルが飾られていたというが、棚橋はあるときこんな決意表明をしたという。

(棚橋)
「いつまでも新日本プロレスのイメージが猪木さんじゃダメだと思ったから(パネルを)はずしました」

トレーニングが始まると、後輩レスラーに何度も一方的に投げるよう依頼し、受け身の練習を入念に行う。打ち所が悪ければ、命に係わるケガも負いかねないのがプロレスだ。人生の約半分をプロレスラーとして生きる棚橋はこの19年の間に、右膝の靭帯を2本失っている。膝をかばって歩くことが癖になり、すっかりぎこちない歩き方になってしまった。

そのため食事にも気を使う。メニューは仲間のレスラーたちと同じ「ちゃんこ」だが、食べ方は異なる。181cm、103kgの体に似つかわしくないほど白飯は少量で、肉の脂身も口にしなかった。

(棚橋)
「こんだけ(脂肪を燃焼させよう)と思ったら自転車(エアロバイク)30分はこがなきゃいけないので。それだったら体に入る前に我慢する。脂身が一番美味しいんですけどね(笑)」

右膝への負担を気にして体重は増やせない。棚橋はほとんどの食材のカロリーを暗記しているそうだ。
結婚して15年。妻と子ども2人の4人暮らしをしている自宅でも徹底した肉体管理のために自らキッチンに立ち、家族とは別メニューを自炊しているのだという。

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麻酔を打ちながらリングへ。それでも笑って「面白いっしょプロレス」

先月、新日本プロレスが総力を結集する一大イベントが日本武道館で大盛況の中、開催された。棚橋はこの日の大トリを任されたが、右膝の痛みは続く。正直、限界だったが、リングに上がらないという選択肢ない。

(棚橋)
「チョー痛いっす・・・だから今日は痛み止めを打とうと思います」
リングの外で懸命に奔走してきたその答えは、リング上にあるからだ。

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会場は、棚橋コールで溢れ、ファンの熱量が棚橋を突き動かす。
棚橋の闘いを目の当たりにしたファンもまた、涙を流して歓喜する。
これが、棚橋弘至の作ってきた「プロレス道」だ。

戦いを終え、足を引きずりながら日本武道館を後にする棚橋に番組スタッフが近寄ると、やっぱり優しい笑みを浮かべてくれた。

(棚橋)
「面白いっしょプロレス」

この日も、疲れたとは言わなかった。
放送終了後、「震えるほどかっこいい」「放送を見てファンになった」など、プロレスファンの枠を超えた多くの反響が寄せられた。

「情熱大陸」はスポーツ・芸能・文化・医療などジャンルを問わず各分野で第一線を走る人物に密着したドキュメンタリー番組。MBS/TBS系で毎週日曜よる11時放送。

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