
52歳 本場の踊りに人生を捧げて
世界最大級の “晴れ舞台” に挑む
「その時にしか生まれない一瞬に、生きる喜びがあるんです」
サンバダンサー中島洋二は、この季節のために生きている。
2月末に始まったブラジル・リオデジャネイロのカーニバル。800万人もの人出が見込まれているという。
ダンサー、演奏者、山車...1チームあたり多い時には3000人を越すメンバーがパレードし、会場周辺には10万人を超す観客が集まる。まさに、世界最大級のエンターテイメントだ。
中島は、大学在学中に観客として生で触れたサンバカーニバルに心を掴まれ、単身ブラジルへ。人づてに師匠を見つけ、本場のサンバを修業した。1997年にカーニバルに初出場し、以来27年連続で参加している。
当初は「日本人がサンバなんて」と鼻で笑われた。けれど今では、サンバへの深い理解と表現力が買われ、現地の演出家からの信頼も厚い。今年も、ソロパートなど重要なポジションへの依頼が舞い込んだ。大きな羽を背負って、出場28回目のカーニバルに挑む。
52歳の独身。家族を持ちたいと思ったこともあるが、サンバに全てを賭けることを選んだ。美大出身の技術を活かし、衣装は全て手作り。華やかな羽を買い付けに中国へ行くこともある。「欠けているものがあるから、得られることもある。それが人生かな」
取材中、亡き父とのエピソードも打ち明けてくれた。
父は元俳優で、スターを夢見たものの花を咲かしきれなかったという。その父から託された思いとは...。
地球の裏側は、夏。色彩と音楽の怒涛を乗りこなす、中島の熱い季節が始まった。

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