フラメンコ世界王者は京都人!? 男性もゾクッとする「男の色気」とは

情熱大陸を読む

2018/07/11 20:30

昨年、本場スペインの国際コンクールで並み居る現地のダンサーを抑えて優勝したフラメンコダンサーのSIROCO(シロコ)。由緒あるこの大会で日本人が優勝するというのは異例中の異例だ。7月8日放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」では、京都の商家に生まれながら20歳で単身スペインに渡り、36歳で一つの頂点を極めた男の情熱的かつ誠実な生き様を追った。

洞窟に暮らし、8時間ステップを踏み続けた修行時代

フラメンコはもともと、迫害を受けてきたスペインの少数民族ヒターノによって生み出された舞踏音楽で、日本人ダンサーにはいくら技量が高くても表現力の面で超えられない「壁」があるとされてきた。だが、SIROCOの踊りには、その常識を覆すようなほとばしる情念と艶めかしさが溢れ、去年、スペインの5大コンクールの一つ"Aniya la Gitana de Ronda"で史上初、日本人男性としての優勝を果たした。
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抜群の即興センスとステップのスピードが高く評価され、一躍フラメンコ界の寵児となったSIROCO。フラメンコを始めたきっかけは17年前、19歳の時に観た1本のドキュメンタリー映画だったという。その迫力に強い衝撃を受け20歳で単身スペインへ。
今回の放送では、当時暮らしていた家を案内してくれた。
向かった先は、かつて少数民族ヒターノが迫害を逃れて隠れ住んだというサクロモンテの洞窟。水も電気もなく、風呂や洗濯は川で済ませるという過酷な環境を敢えて選んだのは、生活費を切り詰めるだけではなく、フラメンコの成り立ちを身を以って知る...そんな覚悟があったのだろうか。
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「僕は一般の京都人。突然変異でフラメンコ踊り出したようなもんです。ちっちゃい時から道端で踊ってるような環境で育った(スペインの)人たちはダンス自体がすごく自然なんですよね。僕達みたいに20歳から勉強しだしてスクールに通って鏡見て勉強した人間と、やっぱり違います」

拾ってきた鏡の前で、ひたすらステップを踏み続ける日々。多いときは1日8時間もステップを踏み、どんな時でもトップダンサーに食らいついていった当時の彼を、かつての師匠でありスペインきってのフラメンコダンサーとされるファルキートもこう振り返る。
「初めて会った時からSIROCOはとても輝いていた。いつも尊敬と愛情を持ってフラメンコに接していて、いつか成功すると確信していた」

優勝凱旋公演で息をのむ即興ステージを披露
現在は京都で妻と共にフラメンコ教室を主宰するSIROCOだが、去年のコンクール優勝から1年経った今年6月、アンダルシア地方ロンダでの優勝凱旋公演に挑んだ。
会場となった「PENA FLAMENCA」は、愛好家たちが資金を出し合い半世紀以上もの間フラメンコ文化を伝えて来た聖地だ。この場所で外国人が単独公演を行ったことはかつてなく、それは「とてつもない栄誉を与えられた」ことを意味しているのだという。
公演当日、着物で会場に向かったSIROCO。会場には日本人ダンサーが果たしてどれほどのものかを見極めに来た客であふれかえっていた。
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ギターとカンテ(歌)とパルマ(手拍子)が響きあい、SIROCOの肉体が躍動する様に、目の肥えた地元のフラメンコファンが思わず息を飲む。最大の見せ場は、"現代フラメンコの貴公子"とされるファン・デ・ファンとの即興競演。ピタリと息のあったステージに、喝采が降り注いだ。
SIROCOとはスペイン語で「熱風」を意味する言葉。ほとばしるような激しいその踊りに、放送終了後SNS上では「男から見ても男の色気がすごい」「生半可じゃできない」など感嘆の声が沸いた。

「情熱大陸」はスポーツ・芸能・文化・医療などジャンルを問わず各分野で第一線を走る人物に密着したドキュメンタリー番組。MBS/TBS系で毎週日曜よる11時放送。

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番組情報

毎週日曜 よる11:00~

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