エアロパーツビルダー・三浦慶 #474 2025年10月05日(日)放送

シリーズ累計1兆円超のハリウッド映画「ワイルドスピード」。その第8作で、ド派手なカーチェイスを繰り広げるスポーツカーに三浦がデザインしたエアロパーツが装着されている。アメリカはもとよりヨーロッパのカー・マニアやアフター・マーケット(車のカスタムパーツや中古部品を扱う業界)で、「KEI MIURA」の名は、最高にクールなレジェンドとして広く知られている。インスタグラムのフォロワーは20.8万人。一介の職人としては、驚異的な数といっていいだろう。
宇治市に隣接する久世郡久御山町に三浦が営む「TRA京都」がある。インバウンド旅行者が訪れる世界的ファクトリーは、町場の自動車工場と変わらない。54歳の三浦が、運転免許を取ったのは18歳の時。当時の若者にとってクルマは欠かすことができない乗り物だった。子どもの頃からモノづくりが好きで、遊園地の遊具をつくる仕事を始めた。CADを駆使し、FRPを加工し造形した。やがてクルマのエアロパーツを手がけるようになった。コンピューター制御で3次元加工を行う大型機械を誰よりも早く導入し、ドリフト車用のエアロパーツを造り始めた。タイヤを横滑りさせながらコーナーを曲がるドリフトは、峠の走り屋が編み出し洗練させたテクニック。2000年に競技が始まると、4年後にはアメリカに飛び火した。ドリフトレーサー・吉原大二郎は、競技車両に三浦のエアロパーツを装着。2011年、アメリカ最大の競技「フォーミュラD」で優勝すると、エッジの効いたデザインに全米のドリフトマニアが注目。世界に知られるきっかけになった。
今年2月、サーキットを一周するタイムを競うタイムアタック競技に初参戦。イギリスの名車ロータス・エリーゼを魔改造し、最高出力1000馬力のレーシングカーを造って筑波サーキットを駆け抜けた。エアロパーツからレーシングカーまで、そのすべてを我流で造り上げる。世界が認める天才的ビルダー、三浦慶の素顔に迫る。



【INFORMATION】
●TRA京都
https://www.instagram.com/trakyoto/

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