蒔絵工芸作家・大町憲治|塗師・三木啓樂 #196 2020年04月19日(日)放送

京都1200年の美のタイムラインに時々の「斬新さ」を見つける番組「京都知新」。今回は2人の漆工芸作家をご紹介します。
大町憲治さんは、四季の花々や、琳派の文様など伝統的なデザインを蒔絵や螺鈿の技法を使って、40年以上描き続けてきた蒔絵工芸作家です。
 螺鈿とは、貝殻の内側の真珠層を切り出し、漆器の表面にはめ込むことで、柄を虹色に浮き上がらせる技法です。
この螺鈿のテクニックを応用し、大町さんは、およそ20年前に貝殻の代わりに京セラの先端技術が生み出した『京都オパール』という人口宝石を使用した新しい漆工 「彩輝光(さいきこう)」を考案しました。
この「彩輝光」の技術を使い、大町さんは漆工芸の既成概念を覆す現代アート作品を製作。伝統工芸の未来へ新しい光を放とうとしています。

そして、従来の漆工芸の枠を超え、独創的な作品が注目を集めている漆工芸家・三木啓樂(みきけいご)さん。
創業100年を超える工房「塗師 表悦」の生まれです。「塗師」とは漆を塗ることを専門にする職人ですが、三木さんは漆を塗る以前の下地作りが重要だと考えています。
土の粉と漆を練った「錆漆」。これを下地に使い文様を立体的に表す「切錆」という伝統的なテクニックを応用し、三木さんが生み出したのが「波シリーズ」です。
100年を超える「表悦」の技を継承しながら、新しい漆塗りの表現に三木さんは挑戦し続けています。


【INFORMATION】

Ken MAKIE Studio
http://saikiko.jp/

三木表悦
〒604-8255 京都市中京区東堀川通六角下ル壷屋町242

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