中村鎚舞・金工作家 #174 2019年11月10日(日)放送

今回の主人公、中村鎚舞(なかむら ついぶ)さんは江戸時代・寛政年間から200年余り京都で錺職(かざりしょく)と呼ばれる金属加工を生業にする家の生まれ、この道40年を超える金工作家です。
30代で独立した中村さんは、中京区押小路通りに『工芸工房 鎚舞』を設立。製作の拠点にしています。その中村さんの工房には、いつもカップルの姿があります。25年ほど前から指輪づくりの体験教室を開いており、結婚式を控えたカップルが指輪を作りにやってきます。今では年間7000人を超える参加者が訪れます。

体験教室を主宰する一方で、中村さんは、独自の創作活動を続けています。
中村さんが最も得意とする金属加工の彫金は、角タガネと呼ばれる先のとがった道具で、髪の毛ほど細い線で文様を彫っていきます。無数にあるタガネの刃の大きさや形状を使い分けデザインを作っていきます。その作品はどれもどこか絵画的なのです。今年10月『京の名工展』に出展された中村さんの作品は、1枚の銅板から、瓜と今にも動き出しそうなコガネムシを打ち出すことに挑戦したものでした。金属を自分の手で粘土のように自由に操りたい。中村さんは、独自の業を生み出しました。 また、銀や銅、真鍮など、数種類の異金属の合金を溶かし叩くを繰り返し生み出した作品は、独自の模様を描き出しつつも一体感を生み出しています。これは、「錬込地金」とよばれ日本伝統工芸展などで高い注目を集めています。 金属を自在に操り彫る。令和の錬金術師に迫ります。

【INFORMATION】
工房工芸 鎚舞
〒604-0944 京都市中京区押小路通麩屋町東入橘町617
電話:075-708-7745 FAX:075-223-4124
E-mail:info@tsuibu.com URL:http://www.tsuibu.com

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