先日、京都市の合併記念の森で「合併記念の森」管理運営協議会と京都市の主催で行われた"林道法面を小わざで守る技術研修"に参加してきました。
(※法面は"のりめん"と読みます。法面とは斜面のことで農林業界用語?でそう呼びます。)
近年の集中豪雨で、日本全国の山の斜面が崩れたところがあると思います。
今回は、そんな大規模な災害が起きる前に、少し崩れた斜面に植林や土木技術(小わざ)を利用し、災害を未然に防いで、山を守ろうという企画です。
講師は京都市森林アドバイザーの高田先生で、土木や森林関連の企業さんが技術提供してくださいました。
参加協力団体・企業一覧(順不同、敬称略)
NPO法人森林再生支援センター、京北森林組合、樹々の会、株式会社シーテック、株式会社タイガ、前田工繊株式会社、小泉製麻株式会社、株式会社JOUCA、(一社)パースペクティブ、石井林業、林業女子会@京都、株式会社マプリィ、植彌加藤造園株式会社、(一社)里山デザイン
小わざ①
適正な植栽の樹種
樹種によって、適地が違いますので、それぞれの適地に植林しました。
当日配布資料1
植林のキーポイント
・一箇所に3本づつ植える
これにより、木が他の木と競争して、一本で植えるより、成長が早いです。
また、3本中2本、木が枯れても大丈夫なので、リスクヘッジにもなる。
3本植えは光の当たり方などのバランスをみて植えるべし。
南側に2本植えて、その間に1本植えるなど。
・苗をよく観察して植える
苗の幹が曲がっている場合などあるので、もともと生えていた環境に近い形で植えると、苗に負担がかからず育ちやすい。
また、大きく育った苗は、苗ポットの中でぐるぐると巻きついている場合があるので、解すべし。
・しっかり土を固める
ひっぱても抜けないように、植えたら良く土を固める。
・苗を菌から守る
植える時は、土壌にいる細菌が苗の根につかないように植える。
苗に傷があったりすると、苗が枯れる原因に。
・鹿から守る
鹿がいる地域は、木の新芽を鹿に食べられて枯れてしまうので、ネットで張ってる。ネットを張る時は、ネットの下から潜られないように、ネットの下を固定すべし。
・木は斜面が好き(おまけ)
庭木などは、平らなところに植えられていますが、木は基本的に斜面に植えた方が強く育つそうです。水はけの関係などで。
小わざ②
使用期限が過ぎた消防ホースの利用
使用期限が過ぎたホースは従来処分するだけですが、それをリユースするとてもいいアイディアです。
小わざ③
メッシュの利用
斜面の水が流れる所の、更なる侵食を防ぐために、メッシュと杭を使った小わざです。
小わざ④
エコプランターの利用
木のチップから出来ていて、最終的には分解され土に戻ります。見た目もいいです。
植樹はめちゃめちゃ深くて面白いです。
この技術を皆さんの近くの森林でも活用して、山を守っていただきたいです。
そして実は
里山デザインでは※一般社団法人パースペクティブと地元の林業家さんなどと連携して、京都市の合併記念の森を利用して、"工藝の森"プロジェクトの準備を進めています。
※(パースペクティブは、日本の工藝を教育プログラムなどを通じて国内外へ伝えている松山さんと、伝統を守りつつ新しい漆の使い方を発信実践している堤浅吉漆店の堤さんが共同代表をされています。)
工藝は 人と自然、人と人との持続的な関係性や暮らしを象徴しています。現在はその関係性が薄れてしまっているので、関係性を繋ぎ直すために、工藝の森では、森づくりとモノづくりを通じて、工藝の森を人と自然、人と人を繋ぐプラットフォームを構築して、調和した持続可能な社会を提案します。
工藝の森では、まずは漆と桐を植林します。(パースペクティブでは、漆塗りの桐のサーフボードを作りのWSを昨年京北にて開催しています。)
また、多くの方に森を身近に感じていただけるのよう、WS等の準備も進めています。
まずは植林、炭焼き、野草酵素ジュース作り、ドラム缶風呂、ブッシュクラフトやキャンプ、オフグリッド関連、エコなモノづくりなどのWSを4月以降定期的に開催して行く予定ですので、是非参加いただきたいです。
工藝の森の愉快な仲間たち(左から塔下さん、松山さん、堤さん。)
なんか楽しそうでしょう!?
ハシゴだけに、皆さんと森の架け橋になります。笑
植林に興味がある個人の方や協賛して下さる企業さんを募集していますので、是非お問い合わせください。
お問い合わせ
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(一社)パースペクティブ
sachi@prspectiv.co(松山さん)
もしくは
里山デザイン
075-748-1033
京都市右京区京北周山町西丁田21-3
fukumoto@satoyama-d.com
HP: www.satoyama-d.com