MBS 毎日放送

1983-1990
1万人の誕生

「大阪21世紀計画」の賑わい拠点となるべく誕生した大阪城ホール(=1983年)。その完成記念として「大阪城ホールの完成は年末。
年末といえば第九。いっそ1万人で第九を歌うのはどうだろう?」―そんなアイデアから『サントリー1万人の第九』は産声をあげました。
当時のサントリー社長、故・佐治敬三がクラシックファンであったことも手伝い「面白い企画ですね」と快諾。
ご本人も1万人のひとりとして、合唱に参加していました。当時のコンサートタイトルは『サントリーオールド 1万人の「第九」コンサート』。
当時のシンボルマークの入った楽譜を今も大切に使っている人もいます。

1983年

1983

すべてが手探り。プロでも歌うのは難しいといわれた1万人規模での第九コンサートを成功に導いたのは、「歌ってみたい」と3ヶ月間の練習に参加してくださった大阪のみなさんの熱い思いでした。指揮は、当時50歳を迎えたばかりの山本直純。オーケストラは関西の三大オーケストラの豪華競演。司会には武田鉄矢、ゲストは宝塚スター。華やかな顔ぶれではありますが主役は1万人の参加者です。初年度の最年長参加者は、79歳の男性。最年少は9歳の少女。世界でも類をみないこの大合唱は大好評を得て、日本国内はもとより海外のニュースにもとりあげられるほど話題となりました。

1983年

第1回/1983年12月4日

テーマ
空に漂う1万の歌声。地を揺るがす2百の奏者。心を震わす1万5千の聴衆。歓喜はひとつの渦となる。
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:桶本栄、アルト:伊原直子、テノール:五十嵐喜芳、バリトン:岡村喬生
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団
ゲスト
宝塚スター
司会
武田鉄矢、小池清

できごと...
大阪城国際文化スポーツホール(現大阪城ホール)完成。サントリーCANビールのCMで使用された松田聖子『SWEET MEMORIES』がヒット。

1984年

1984

初年度の大感動を胸に、「来年も歌いたい」「家族や仲間とも感動を分かち合いたい」という声が第九事務局にぞくぞくと寄せられ、第2回目の合唱団募集が始まると前回を2000人以上上回る申し込み数。山本直純は、ドイツ語の第九の他にも「みんなで歌える新しい日本の歌を作りたい」という思いがあり、藤本義一に作詞を依頼。「おおきに あんじょう ごきげんさん♪」の大阪弁を活かしたフレーズが印象的な合唱幻想曲『友よ 大阪の夜明けを見よう』が出来上がり、第一部で声を合わせました。

1984年

第2回/1984年12月2日

テーマ
喝采、リフレイン、'84
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:大倉由紀枝、アルト:藤川賀代子、テノール:林誠、バリトン:岡村喬生
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団、大阪フィルハーモニー合唱団、大阪音楽大学
司会
遥くらら、高梨欣也
曲目
合唱幻想曲『友よ 大阪の夜明けを見よう』

できごと...
15年ぶりに、1万円・5千円・千円の3種の新札が発行された。エリマキトカゲが大ブームとなる。ロサンゼルスオリンピック開催。

1985年

1985

石の上にも3年――大阪城の城石の上で開催するこのコンサートも3年目。12月の第一日曜日、市民が参加できるユニークな音楽会は町のムーブメントとして根付きはじめました。続ける限りは、より高度な音楽性を追求しようと、大阪ではクラスを初心者と経験者に分けてのレッスンがスタート。合唱指導の先生たちも熱が入り、各クラスごとに個性あふれるレッスンが繰り広げられました。昨年に続き、第一部では『友よ 大阪の夜明けを見よう』を全員で熱唱。阪神タイガース優勝に沸く関西の地に、力強いフレーズが響きました。

1985年

第3回/1985年12月1日

テーマ
歓喜は継承される―'85
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:常森寿子、アルト:荒田祐子、テノール:林誠、バリトン:岡村喬生
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団、大阪フィルハーモニー合唱団、大阪音楽大学
ゲスト
宝塚スター
司会
紺野美沙子、高梨欣也
曲目
合唱幻想曲『友よ 大阪の夜明けを見よう』

できごと...
「科学万博-つくば'85」開幕。阪神タイガース優勝で、道頓堀をはじめ、関西一円が大騒ぎとなる。ファミコンが子供たちの間で大ブーム。

1986年

1986

師走の風物詩として定着してきた第4回。第一部では、1万人のテーマ曲として歌われてきた『友よ 大阪の夜明けを見よう』の大合唱と、第九合唱の練習。この年は、「参歌」の輪をさらに全国規模に広げ、東京のサントリーホールから5000人の第九コンサートを続けている「両国国技館すみだ第九を歌う会」の有志、鹿児島、金沢の合唱団を結んでの四元中継を実現させました。

1986年

第4回/1986年12月7日

テーマ
いま新たなる感動―’86
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:大倉由紀枝、アルト:藤川賀代子、テノール:林誠、バリトン:岡村喬生
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団、大阪フィルハーモニー合唱団、大阪音楽大学
司会
紺野美沙子、高村 昭
曲目
合唱幻想曲『友よ 大阪の夜明けを見よう』

できごと...
伊豆大島の三原山が大噴火。イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日。朝シャン、ボディコンスタイルが若い女性の間で流行した。

1987年

1987

5回目記念として、第一部ではべートーヴェンの代表曲である交響曲第五番「運命」第1楽章を演奏しました。司会は平松邦夫とフルート奏者の神崎愛。この頃には、全国各地でも第九合唱のブームが巻き起こり、5周年記念に各地の合唱団からお祝いの言葉も寄せられています。

1987年

第5回/1987年12月6日

テーマ
'87―さぁ、クライマックスへ
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:豊田喜代美、アルト:荒田祐子、テノール:林誠、バリトン:岡村喬生
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団、大阪フィルハーモニー合唱団、大阪音楽大学
司会
神崎 愛、平松邦夫
曲目
ベートーヴェン交響曲第5番『運命』第1楽章

できごと...
国鉄が38年の歴史の幕を閉じ、分割民営化。JRが発足した。週休2日制の会社が増え、金曜日の夜に盛り場が賑わう「花キン」が流行語に。

1988年

1988

ベートーヴェンゆかりの地、ウィーンから「ウィーン室内合唱団」を迎えての第6回目。より、インターナショナルなステージへと羽ばたきます。プログラムは、音楽の都が育てた作曲家モーツァルトより『アヴェ・ヴェルム・コルプス』、シューベルト『菩提樹』、そして日本歌曲から『ねむの木の子守唄』など。第九合唱も継続参加者らが基盤となるメロディを支え、そこに初心者のフレッシュな歌声がブレンドされてパワーが増しました。

1988年

第6回/1988年12月4日

テーマ
'88―飛翔する歓喜
ゲスト
ウィーン室内合唱団
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:奈良ゆみ、アルト:藤川賀代子、テノール:林誠、バリトン:岡村喬生
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団、ウィーン室内合唱団、大阪フィルハーモニー合唱団、大阪音楽大学
司会
平松邦夫
曲目
ウィーン室内合唱団による『アヴェ・ヴェルム・コルプス』『菩提樹』(シューベルト)日本歌曲『ねむの木の子守唄』

できごと...
本州と北海道を結ぶ、世界最長(当時)の青函トンネル開通。本州と四国を結ぶ瀬戸大橋も、開通。ソウルオリンピック開催。金4、銀3、銅7と、日本勢が健闘した。

1989年

1989

ラッキー・セブンの7回目。歴史的に記念すべき日となった11月の東西ドイツ統一の賑わいそのままに、お祭りムードのコンサートとなりました。ベートーヴェンの聖地であるボンから、ボン市フィルハーモニー合唱団。そしてウィーンから、ウィーン室内合唱団が来日。次の年に開催される「国際花と緑の博覧会」にちなんで瀧廉太郎『花』、チャイコフスキー『花のワルツ』などを演奏。コンサートの模様は、衛星放送でヨーロッパ・ドイツ語圏各国に全曲放送されました。

1989年

第7回/1989年12月3日

テーマ
'89―歓喜のタクト、今高く
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:奈良ゆみ、アルト:荒田祐子、テノール:若本明志、バリトン:岡村喬生
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団、1万人の「第九」花の万博コンパニオン特別合唱団、大阪フィルハーモニー合唱団、大阪音楽大学
ゲスト
ボン市フィルハーモニー合唱団、花博コンパニオン
司会
平松邦夫
曲目
ボン市フィルハーモニー合唱団による『自然における神の栄光『流浪の民』(シューマン)『花』(瀧廉太郎)『花のワルツ』

できごと...
昭和天皇崩御。元号が「平成」へと変わった。3%の消費税がスタート。ドイツ「ベルリンの壁」が崩壊。コンサートの模様がヨーロッパ・ドイツ語圏でも放送された。

1990年

1990

第九のふるさと、ドイツに思いを馳せる8回目。統一ドイツから「ベルリン・バッハ合唱団」90人と指揮者カール・ホッホライターを迎え、ベートーヴェン『自然における神の栄光』、バッハ『歌え 主のみ前に新しい歌を』を披露。山本直純は本番前に渡独。ドイツの合唱団を直接指導して世界平和を祝福すると共に日本人の第九にかける思いを伝え、第二部ではドイツ市民と日本市民が声を合わせて「すべての人は兄弟になる」という意味を噛みしめながら、『歓喜の歌』を歌い上げました。

1990年

第8回/1990年12月2日

テーマ
'90―響きあう自由と歓び
指揮
山本直純
ソリスト
ソプラノ:奈良ゆみ、アルト:藤川賀代子、テノール:若本明志、バリトン:岡村喬生
司会
平松邦夫
演奏
大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団
合唱団
1万人の[第九]特別合唱団、ベルリン・バッハ合唱団、大阪フィルハーモニー合唱団、大阪音楽大学
曲目
ベルリン・バッハ合唱団による『自然における神の栄光』『歌え 主のみ前に新しい歌を』『歌えバンバン』

できごと...
大阪で「国際花と緑の博覧会」開催。今上天皇、即位の礼。秋篠宮殿下と紀子さま結婚の儀が行われた。カラオケブームで、カラオケボックスへ通う人が続出した。