第9回となる1991年からはイメージを一新。
“響”の文字をシンボライズしたサントリーのコーポレートマークを使ったロゴが生まれ、タイトルも『サントリー1万人の[第九]コンサート』へ。
人と人の響きあいをメッセージの核としてスタートしました。時は20世紀末、この時代は、様々な天災や事件が相次ぎました。
とくに1995年の「阪神・淡路大震災」では1万人の合唱団の参加者も多数被災、コンサートを開催すべきかどうかも議論されましたが、地元から元気を出していこうとの思いから「鎮魂・復活・希望」をテーマに開催。
以降、アジアからアーティストやソリスト、ヨーロッパからも合唱団を招聘するなど、世界を視野にパワーアップしていきました。
第9回にちなみ、この年は全国9地区(北海道、東北、関東・信越、東海、北陸、中国、四国、九州、近畿)の市民合唱団を招いての第九。各地のご当地ソングや民謡を綴って歌う「全国お国巡りメドレー」が賑やかに演奏されました。また、みんなで合唱できる21世紀への賛歌をつくろいうという話から、大阪府出身である堀内孝雄に作曲を依頼し、『夢に吹かれ~近畿・21世紀への旅立ち』が生まれました。もちろん、ゲストとして本人も登場。大阪城ホールに渋い声が響きました。
できごと...
ロシア革命以来の共産党支配にピリオドが打たれ、ソ連が崩壊。湾岸戦争勃発。若貴人気で、若い女性の間でも相撲が注目された。
第10回の祝祭イヤー。時代をつなぐ意味から山本直純は「ベートーヴェンとブラームスが握手するコンサートにしたい」と話していました。目玉企画として、ベートーヴェンの「第十」と言われる、ブラームスの第一交響曲の終楽章に合唱を付け、千人の合唱と共に演奏。宇宙飛行士・毛利衛が宇宙で活躍した年でもあることから、そのタイトルを『我らの地球(われらのほし)』としました。この年は、全スタンド席を合唱団で構成。360℃のサラウンドで響き渡る、祝祭の第九となりました。
できごと...
バルセロナオリンピックで、日本22個のメダル獲得。NASAのスペースシャトル「エンデバー」で、宇宙飛行士・毛利衛が飛び立つ。きんさんぎんさん100歳。
10年の集大成を経て、新ステージとなる11回目。1万人の合唱レベルも徐々に向上してきました。この年は、チャイコフスキー没後100年を記念するチャイコフスキー・イヤー。彼の「第五交響曲」に山本直純が詞を書き、ロシア民族の願いを渡り鳥に託した『理想の大地(ゆめのくに)』という美しい合唱曲が生まれました。この年、MBSラジオの人気番組「ありがとう浜村淳です」の20周年記念で浜村淳本人も第九に初挑戦。
できごと...
チャイコフスキー没後100年。サッカー「Jリーグ」開幕。皇太子殿下と雅子さま結婚の儀が行われ、日本中が祝杯ムードに包まれた。
待望の関西国際空港が開港。大阪が世界に開かれた都市となるように祈りを込めて、開幕は山本直純の『ファンファーレ 響け、世界の空へ!!』。次に『80日間世界一周』。関西国際空港に初乗入した国々の客室乗務員も加わって、藤本義一作詞による『友よ 大阪の夜明けをみよう』を8年ぶりに再演しました。MBSテレビ「あどりぶランド」からアナウンサー7人と視聴者による「あどラン合唱団」、MBSラジオから「ありがとう浜村淳です」のリスナーらによる「ありがとう合唱団」も参加。関西のエネルギーが世界の空に響き渡りました。
できごと...
大阪の泉州沖に、関西国際空港が開港。大江健三郎がノーベル文学賞受賞。日本人初の女性宇宙飛行士として、向井千秋がスペースシャトルで宇宙へ飛び立つ。
阪神・淡路大震災。地元の被災を前にコンサートを見送る声もありましたが、被災地だからこそ立ち上がり、新たな出発の門出にしようとのコンセプトが決まり、開催。山本直純のアイデアによるオラトリオ『鎮魂・復活・希望』の後、朝比奈千足の指揮によりマーラー『復活』フィナーレを演奏。神戸フィルハーモニックや神戸市混声合唱団など、被災地からも大勢の人が参加。二元中継で神戸と大阪城ホールをつないで、「すべての人はひとつになる」という普遍のベートーヴェンのメッセージを歌い上げました。
できごと...
阪神淡路大震災が起こる。大阪城ホールと神戸会場の2元中継で、コンサートが行われた。野茂英雄が、米大リーグで新人王に
「香港返還」を直前にしたこの年は、エネルギーあふれる「アジア」とのコラボレーションステージ。メインプログラムは山本直純が作詞・編曲をしたボロディン作曲『中央アジアの草原にて』を合唱と管弦楽で歌い上げる趣向。さらに中国、マレーシア、韓国、日本の各ソリストが各国の名曲をメドレーでつなぎ、第一部ファイナルには「なみはや国体」のテーマソングを作詞作曲したシンガポール出身のビッグ・アーティスト、ディック・リーが登場。アジアからの留学生による合唱団もはじめての第九に一喜一憂しながら、感動のゴールを目指しました。
できごと...
アトランタオリンピック開催。「たまごっち」や「プリクラ」が大流行。
映画『Shall we ダンス?』のヒットにより社交ダンスブームが巻き起こった。
第15回を記念し、15歳の少年少女で結成されたファンファーレ隊による幕開け。ウィーンからも、「ウィーン少年合唱団(シューベルト組)」が来日、シューベルトの歌曲集などを透き通る美声で聞かせてくれました。また、中丸三千繪をはじめ4人のソリストが『アヴェ・マリア』『セレナーデ』をゴージャスに歌い上げ、感動も覚めぬまま、第一部ファイナルのシューベルト『菩提樹』を1万人で合唱。テレビ放送では、女優・岩崎ひろみが第九にチャレンジする姿を追いました。
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サッカー第16回Wカップアジア地区予選で、日本の本大会初出場決定。北野武監督『HANABI』のベネチア国際映画祭金獅子賞をはじめ、国際映画祭での日本映画の受賞が相次いだ。
クラシックにジャズの融合させ新しい時代の音楽を切り開いたアメリカの偉大なる作曲家ジョージ・ガーシュイン生誕100年。この年は、ニューヨークのジャジーなリズムで幕開け。特にジャストランペッター日野皓正の吹き鳴らす名曲『サマータイム』や『ラプソディ・イン・ブルー』には1万人がうっとり。またドヴォルザークの『ユーモレスク』に山本直純が雄大な詩をつけ、合唱しました。元大関のKONISHIKIが第九合唱に挑戦し、その懸命さと、特大サイズのタキシード姿に1万人が釘付けに。
できごと...
ガーシュイン生誕100年。冬季オリンピック長野大会開催。フランスで行われたサッカー第16回Wカップ本大会が開催。日本初出場。