コロナ禍(2020~2021)では、第九の根本である「つながり」をミライに続くカタチへと進化させました。
佐渡裕監督は、コロナ禍の初年「人と人のつながりまで分断されてはならない」「希望を歌い継ごう」と決意表明、国内外から動画投稿を集め、無観客ながら奇跡のコンサートを実現させました。
平行して、オンラインレッスンや本番当日のリモート参加など、新しい参加方法を整備し、実行。
40周年となる2022年からは、「LIFE is SYMPHONY」のテーマを掲げました。
多様ないのちが折り重なり、生きるよろこびを歌い継ぐ新楽章です。
第38回目は、史上初の無観客コンサート。新型コロナウイルス感染拡大により、合唱団も観客も集まることはできませんでしたが、10000を超える投稿動画との共演により、佐渡裕さんが宣言した「奇跡のコンサート」が実現。司会の霜降り明星・粗品さんが会場をあたため、ゲストの反田恭平さんがピアノ演奏を披露しました。第九合唱は、生のオーケストラと、あらかじめ動画投稿によって集めた歌声のコラボレーションによって再現しました。ホール内のスクリーンには10000以上の参加者の顔が映しだされ、これに加えて、当日はリモート観覧の方たちの拍手や笑顔、オンライン配信やSNSに寄せられたメッセージによって「つながる」を体感できた1日となりました。準備段階では合唱レッスンをすべてリモートに切り替えるなど、今やれることに注力した1年。コロナ禍だからこそ見失ってはいけない「人と人とのつながり」を全世界にメッセージしました。
できごと...
新型コロナウイルス感染拡大。マスクを着け、ソーシャルディスタンスをとった新しい日常がはじまる。「東京五輪2020」をはじめ数々の集客イベントが中止となる一方、オンラインコンテンツが加速。スマホ5G時代本格化、『鬼滅の刃』は老若男女を虜にした社会現象に。
第39回。準備を重ねてきましたが、生の合唱団が大阪城ホールに集まることは叶いませんでした。しかし、みんなが何かひとつ「希望」を持てるステージにしたい、との想いから「2020+1(プラスワン)」を掲げ、日本各地に動画投稿キャラバンを決行するなど、「離れているからこそ参加できるチャンス」を創造。第九ファンの輪を広げました。総合司会は、霜降り明星粗品さん。ゲストにはFUNKY MONKEY BΛBY'Sと、3歳の童謡歌手・ののちゃんをお迎え。佐渡裕さんの指揮で第九演奏が始まると、13512人から寄せられた動画投稿による合唱が、大阪城ホールのステージにいる4人のソリスト、そしてオーケストラと共鳴します。その様子を、2700人の観客が見守りました。佐渡さんは、「今年はお客様に入っていただいたことが大きなことでした。ソーシャルディスタンスを保ってもらうなど制約のある中でしたがたくさんの温かい拍手をいただけて本当にこちらが感動しました」と話しました。
できごと...
新型コロナワクチン接種がはじまる一方で、新型コロナウィルスの変異株が猛威をふるう。「東京五輪2020」が1年遅れで開催され、最多の58メダルを獲得した。菅政権が退陣、岸田政権が発足。イタリア菓子『マリトッツォ』、Official髭男dismの楽曲『Cry Baby』などがヒット、映画『ドライブ・マイ・カー』が海外でも高評価(後にアカデミー国際長編映画賞などを受賞)。
「LIFE is SYMPHONY」のテーマを掲げた第40回記念。新型コロナウイルスが終息を見せない中、世界中に歌のエールを届けるべく、感染症対策を万全に2000人の合唱団が集いました。さらに、歌声動画投稿、全国各地からの生中継のほかに、NTT西日本などの技術を使って東京の会場とつなぐ、世界初となるリアルタイム遠隔合唱の実証実験も行いました。3年ぶりに合唱団が入った大阪城ホールでは、ロック界のレジェンド布袋寅泰さんと佐渡裕総監督が初コラボ。クラシックとロックが融合した、40回記念にふさわしい破天荒ながら荘厳な第九シンフォニーが演奏されました。新時代の人気ピアニスト、角野隼斗さんが圧巻の「ラプソディ・イン・ブルー」を披露。総合司会はジャニーズWEST小瀧望さん、合唱練習も体験し臨んだ本番では、熱量のあるトークで参加者の心をつかみ、会場、JNN28局のネット番組を大いに盛り上げました。
できごと...
3年目のコロナ禍に突入。2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、7月には安倍晋三元首相が銃撃され死亡。映画『トップガン マーベリック』『すずめの戸締り』がヒット。サッカーW杯では日本代表が16入りと大健闘。プロ野球(ヤクルト)の村上宗隆の活躍から「村神さま」が流行語となる。
第41回「more than music」。新型コロナウイルスが5類になり10000人の合唱団が4年ぶりに復活。さらに、歌声動画投稿も引き続き募集を行い、佐渡裕総監督の指揮のリアルタイムのテンポにあわせて、動画の再生速度が変化する世界初のシステムFUTTE-Meの技術を駆使し大阪城ホールの合唱と歌声動画投稿の合唱が融合。大迫力の第九合唱に…。4年ぶりの1万人の合唱団の復活ということもあり、会場は感動で包まれました。メインパーソナリティーは俳優の田中圭さん。レッスン会場へも足を運び参加者の想いなどを実際に体験、参加者の思いを受け感動を与える名司会ぶりを発揮しました。ゲストにはEXILE TAKAHIROさんをお迎えし、「Choo Choo TRAIN」や「道」で1万人の合唱団とコラボし会場を大いに盛り上げました。第九の合唱後、サプライズゲストとして阪神タイガースの大竹耕太郎投手が登場し、阪神タイガースの38年ぶりの日本一を「六甲おろし」の大合唱で祝福しました。
できごと...
佐渡裕、新日本フィルハーモニー交響楽団第5代音楽監督に就任。5月に新型コロナウイルス「5類」に移行。バスケ男子日本代表パリ五輪出場決定。プロ野球、阪神タイガースが日本シリーズで38年ぶりの日本一に輝く。音楽家の坂本龍一さん死去。