2026年02月27日(金)公開
【独自】分配金停止の『みんなで大家さん』大手銀行が指摘していた「資金流用疑惑」 出資金2000億円はどこへ...元幹部も証言「身内のグループ会社でお金を回している」
特命取材班 スクープ
大阪の会社が運営する不動産ファンド「みんなで大家さん」の追跡取材第4弾。「みんなで大家さん」は3万7000人以上から2000億円を超える出資を集めましたが、多くの商品で分配金の支払いが停止するなどしています。 去年11月、出資者約1200人が114億円あまりの返還を求める集団提訴を大阪地裁に起こしましたが、2月18日には新たに出資者約1300人が集団提訴し、合わせて約2500人が232億円の返還を求める異例の事態となっています。 集めた巨額の出資金はどこへいったのか?取材班が独自に得た元幹部の証言などから、出資金の流用疑惑が浮上してきました。
37商品中35商品で分配金ストップ 不動産ファンド「みんなで大家さん」

2月9日、大阪市内で開かれた投資トラブルについての無料電話相談会。近年はマッチングアプリやSNSを介した投資についての相談が多いといいますが、今回、約3分の1を占めたというのが、不動産ファンド「みんなで大家さん」に関する相談です。
「みんなで大家さん」は、千葉県の成田空港近くに「ゲートウェイ成田」という新たな街をつくり、テナントなどからの賃料収入をもとに年利7%の分配金を支払うとする主力商品を中心にして、3万7000人以上から2000億円を超える出資を集めました。
しかし、「ゲートウェイ成田」の開発工事は当初の予定から大幅に遅れ、去年7月には出資者への分配金がストップ。その後、「成田」以外の商品についても分配金が停止し、現在、37商品中35商品で分配金が支払われていません。
こうした事態に出資者は…
(400万円出資した男性)「頭にきますよね、お金をすごく集めているでしょう。それがどこにいったのか?お金の管理が全くなっていない」
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一方で、ファンドの代表は去年8月、出資者への動画で「計600億円ほどの所有不動産の売却を進めているため分配金の遅延は一時的」だと説明していました。
所有する坪単価7000万円超の一等地は「差し押さえ」

取材班がその所有不動産の一つへと行ってみました。
大阪・宗右衛門町にある駐車場や廃ビルが建つ土地。坪単価7000万円以上する一等地(2025年公示地価より)で、確かに「みんなで大家さん」グループが所有しています。ところが…
(1月末に出資者に送られたメールより)「これまでに差押えを受けた不動産、預金について、以下のとおりご報告いたします」
1月末、「みんなで大家さん」から出資者にメールが送られ、税金の滞納などのため宗右衛門町の土地や会社の銀行口座が差し押さえられたというのです。さらに、その口座の残高は計約5600万円だったといいます。
元幹部が証言「グループ会社のほとんどが赤字」「大車輪操業」

2000億円を超える出資金はどこへ行ったのでしょうか。「みんなで大家さん」グループの元幹部がその行方について証言しました。
(元幹部が寄せた文書より)「グループの会社のほとんどが赤字経営でした。ただ身内のグループ会社でお金を回している。グループ全体で回す大車輪操業です」
元幹部によりますと、各投資商品を運営するグループ各社のほとんどは赤字で、出資者に分配金を支払うために別の商品で集めた出資金を流用していたというのです。
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不動産ファンドのルールである「不動産特定共同事業法」では、集めた出資金をそれぞれの投資商品ごとに分けて管理することを義務付けています。
例えば集めた資金を別の商品の分配金の支払いに充てることなどはできません。元幹部の証言が事実なら、このルールに違反していることになります。
銀行も資金の流れを疑問視 みずほ銀行の「質問状」をMBSが独自入手

さらに、この資金管理の問題に関する指摘は外部からも寄せられていました。
指摘していたのは「みんなで大家さん」グループ各社が口座を開いていたみずほ銀行です。
資金の流れに疑問をもち、2022年12月から24年2月にかけ「みんなで大家さん」に対し5回にわたって「質問」を行っていて、MBSはその質問状などを独自に入手しました。
質問状の中でみずほ銀行は主力商品の「ゲートウェイ成田」についてこう指摘していました。
(みずほ銀行の質問状より)「投資家から資金を集め続けないと、いずれ資金ショートする仕組みであると考えられます」
工事が進んでおらず賃料収入が発生していないのに出資者に分配金を支払っているプロジェクトの仕組み自体を疑問視。その上で…
(みずほ銀行の質問状より)「出資金は、ゲートウェイ成田シリーズ以外の投資に使われているように見えます」
集めた出資金を『香港IPO資金 50億円』『軽井沢PJ 17億円』『本牧PJ 42億円』など総額100億円以上の投資案件に流用している可能性を指摘していました。
巨額投資物件の1つ 横浜の『ベイタウン本牧5番街』へ行ってみると…

実際に「みんなで大家さん」はこれらの案件に資金を投入していたのでしょうか。取材班が「本牧PJ(ほんもくプロジェクト)」と記載されていた場所へと行ってみると…
(記者リポート)「みんなで大家さんが巨額の投資をした物件の1つが、こちらの『ベイタウン本牧5番街』です」
横浜市中区にある「ベイタウン本牧5番街」。バブル期(1989年)に開業した大型商業施設で去年11月までは大阪市内の不動産会社が所有していました。
その不動産会社によりますと、「みんなで大家さん」は2023年、この物件を購入するため手付金15億円を支払ったといいます。しかし、残金27億円を払えず、手付金を没収され物件も入手できなかったといいます。
みずほ銀行から指摘された資金流用の可能性について、当時「みんなで大家さん」側はこう回答していました。
(みんなで大家さんの回答書より)「分別管理の方法についての回答は、法令を遵守し監督官庁のご指導に従って行っております」
こうしたやり取りの中で、みずほ銀行側は一時、口座を凍結することも検討したといいます。
みんなで大家さん代表「銀行の指摘に根拠はなく不当な攻撃」

MBSはおととし、「みんなで大家さん」の代表にみずほ銀行からの質問について直接、見解を尋ねていました。
(みんなで大家さん 柳瀬健一代表)
「みずほ銀行は20年来、当社を攻撃している銀行なんです。口座を凍結するっていうのは法的にも違法だと思っているし、みずほ銀行の銀行規定にも沿っていないと考えているので、それはやり取りしています」
「彼らがウチを潰したいという思いがものすごくあるものだから、風説・風評を彼ら自身が流しているのか」
代表は「銀行の指摘に根拠はなく不当な攻撃を受けている」などと主張していました。
MBSは今回改めて「みんなで大家さん」側に対し出資金の管理方法や分配金の再開の見通しについて問い合わせましたが、期限までに回答はありませんでした。
2026年02月27日(金)現在の情報です
