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特命取材班 スクープ

"不可解な求人"社長を直撃取材 「在宅ワーク」面接のはずが...消費者金融で金を借りて50万円を渡すことに?!

2021年03月31日(水)放送

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新型コロナウイルスの影響で収入が半減した女性が、生活のためにと見つけた「在宅ワーク」。アルバイトの面接のつもりで担当者に会いに行くと、話が少しずつ変わっていき、消費者金融から50万円を借りて相手側に手渡すことに。その後、連絡は途絶えた。いったい何があったのか…“不可解な業者”を記者が直撃した。

中古ブランド品をフリマアプリで代行して出品する「在宅ワーク」

(山下礼子さん 30代・仮名)
「案の定『お金返せない』『返しません』という形だったので“絶対詐欺やな”と。」

大阪府内に住む山下礼子さん(30代・仮名)。大阪・北新地のバーで働いているが、コロナで収入は半減。生活していくため、目に止まったのが「在宅ワーク」だった。

(山下礼子さん 30代・仮名)
「バイトルを通じて応募しました。中古ブランド品の主にバッグや財布を、メルカリ・ヤフオク・ラクマなどに代行で出品していただきますと。」
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山下さんが実際に応募した求人広告を確認すると「フリマアプリに出品作業」「フリーターや主婦」「誰でも簡単にお小遣いを稼ぐことができます」などと記載されている。

山下さんによると、応募した直後に採用担当のNと名乗る男性から電話があり、業者側が仕入れた中古ブランド品をメルカリなどで転売する仕事だと説明を受けた。その際に「借金があるか?」「クレジットカードは作れるか?」などと質問されたという。

この電話の数日後、N氏から「社内選考に通過した。直接会って面接したい」と連絡があり、山下さんは面接を受けた。

(山下礼子さん 30代・仮名)
「私のことを探っている感じで、『彼氏はいますか?』から始まり、仕事の給料まで聞いてきたぐらい、結構ずけずけプライベートを聞いてくる感じではあったんですけど。」

面接で“50万円”を渡す

一体、どんな面接が行われたのか?場所は大阪市内のカフェ。その時のやりとりを山下さん本人が録音していた。

【録音されたN氏の音声】
「具体的にやっていただくことは、(ブランド品の)写真を撮っていただいて、文章を書いていただいて、出品して、売れたら発送までしていただく。“フルラ”とかご存じですか?全然触っていただいて大丈夫ですので。こちら仕入れ値の方が1万円もいかないくらいなので、だいたい2~3万円で売れたらいいかなみたいな。売り上がった分、収入を取っていただけるので。」
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応募したのは「フリマアプリの出品作業」。中古ブランド品を転売して利益分から報酬を受け取ると思っていた。しかし話が少しずつ変わっていく。

【録音されたN氏の音声】
「こういったお仕事、結構お金がかかったりもするんですけれども、手元に資金がない方でもやっていただけるようにキャンペーンをさせていただいておりますので。“サポート料金”の部分ですね。弊社の方、しっかりサポートさせていただいていて、3か月目以降が固定の6万円だけいただいているというような感じになります。」

フリマアプリの出品作業に“サポート料金として毎月6万円が必要”になるというのだ。さらに話はこんな展開に…。

【録音されたN氏と山下さんのやりとり】
(N氏)「特に問題がなければ、“金融審査”の部分をさせていただきながら、そこで“枠”とかを見させていただくという形になるので。」
(山下さん)「“金融審査”って何ですか?」
(N氏)「まあそういった“枠”とか、どれくらい資金調達できるか。まず消費者金融の方で審査させていただく形なので。」
(山下さん)「えーと…。」
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(山下礼子さん 30代・仮名)
「結局はブランド物の仕入れ代、商品の仕入れ代、という形ですね。向こう(N氏)はパソコンをずっと何かしらいじくっている感じで、最終的に消費者金融にお金を私の名前で借り入れをしてはって、私が暗証番号や本人確認をして。(Q怖さはありましたか?)ありましたね。(借りたのは)50万円です。」
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アルバイトの面接のつもりが、「出品する商品の購入代金も必要」などと言われ、消費者金融から50万円を借り、相手側に手渡すことに。山下さんの手元には仕事の契約書も渡されず、2日後に契約の解除を申し出たものの、N氏からは「返金はできない」と言われ、その後、連絡は途絶えた。

記者が酷似した求人に電話をかけると…

今、コロナ禍で仕事を失い在宅ワークを始める人は多い。取材班は山下さんが応募した求人と酷似したものを探してみた。

(記者リポート)
「在宅ワーク、急募、フリマサイトへ出品スタッフ大募集、と書かれています。」

似たような求人を複数見つけた。試しに応募してみると、すぐに電話がかかってきた。

【電話のやり取り】
(在宅ワークの採用担当者)「在宅ワーク募集の件でご連絡しております。採用が決まりましたら、中古のブランド品の財布とバッグをですね、ご自宅に郵送させていただきますので。」
(記者)「すみません、お名前だけ一応教えていただけますか?」
(在宅ワークの採用担当者)「私“N”と申します。」

電話の相手は山下さんとやりとりしていたN氏だった。

【電話のやり取り】
(N氏)「今、ご結婚はされていらっしゃいますか?ちなみにどういったお仕事をされていますか?」
(記者)「ご連絡いただいてその後、面接があるんですか?」
(N氏)「というような感じになりますね。」

警戒されたのか、ここで電話を切られ、これ以降は連絡が取れなくなった。

専門家「99.9%詐欺だと思って」

そもそも「契約書を渡さず50万円を返金しない」という行為に問題はないのか?詐欺事件に詳しい専門家に話を聞いた。

(松尾善紀弁護士)
「何らかのお店を構えてフリマサイトへの出品業務を行っているという事業所としての実態があればともかくとして、まだ開業も何もしていないんですよね。“個人事業主だからクーリングオフできない”というのはちょっと違うんですよ。『仕事ができますよ』『その仕事によって対価が得られますよ』と言って勧誘するのは業務提供誘引販売なんですよ。概要書面と契約書面の2種類を作って交付しないといけないことになっている。99.9%詐欺だと思っていただいたらいいと思う。」

“不可解な求人”社長を直撃

Nと名乗る男性らによる不可解な求人。さらに取材を続けると、また似たような求人を見つけた。そこには募集会社が「L社」と記されている。会社の所在地がわかり訪ねてみたが事務所はなかった。しかしその後、社長の居所がわかり、実態を確認するために話を聞くことにした。

【L社の社長と記者のやりとり】
(記者)「すいません、Kさんですか?」
(L社の社長)「はい。」
(記者)「N氏と御社が繋がっているのかなと。」
(L社の社長)「なんか委託みたいな感じですね。」
(記者)「女性が50万円を払ってしまったと、あなたが委託したN氏に50万円を渡した。それを解約したいと言っているが。」
(L社の社長)「それはちょっと僕に言われても困るんですけれど。僕は直接その方とはやっていないので。一応たぶん契約書とかも渡っていると思いますし。」
(記者)「『一切書類をもらっていない』と言ってるんですけれど。」
(L社の社長)「それは僕も言われてもわからないです。」
(記者)「でも業務委託先ですよね?」
(L社の社長)「はい。」

これ以上、実態はつかめなかった。
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しかし、この8日後、山下さんの元に「返金に応じる」とN氏から突然連絡が来た。コロナ禍で広がる「在宅ワーク」。こうした不可解な業者が暗躍している。

(3月31日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)

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