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【きょう判決】山上被告「(旧)統一教会に一矢報いるのが人生の意味」 安倍元総理銃撃事件 「極めて危険」と無期懲役求める検察側と「壮絶な生い立ち」重視の弁護側...司法の判断は

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 安倍晋三元総理が銃撃・殺害された事件で、殺人などの罪に問われている山上徹也被告(45)の裁判。1月21日、ついに判決が言い渡されます。  裁判では、母親と妹の証言から被告を事件に向かわせた壮絶な人生が明らかになりました。「てっちゃん、ごめんね」「徹也は絶望の果てに事件を起こした」など家族の生々しい言葉から露になった、山上被告の旧統一教会への深い恨み。一方、白昼の演説現場を襲った犯行の危険性も浮き彫りになっています。 無期懲役を求める検察側に対し、弁護側の主張は「重くても懲役20年」。総理大臣経験者が殺害された前代未聞の事件で、裁判所はどのような判断を下すのか…

「安倍元首相のご家族に恨みなし」「弁解の余地はない」 山上被告が語った言葉

 去年10月の初公判、傍聴席32席に対し700人以上が並びました。裁判所の周りには大勢の警察官に報道陣、被告を応援するメッセージを掲げる人の姿もありました。

 山上徹也被告(45)は2022年7月、参議院選挙の応援演説をしていた安倍晋三元総理を手製の銃で撃ち殺害した罪などに問われています。

 法廷に姿を見せた山上被告は、長く伸びた白髪まじりの髪を後ろでくくっていました。

 (山上被告)
 「全て事実です。私がしたことに間違いありません」
 「安倍元首相のご家族に何の恨みもありません」
 「私も肉親が突然亡くなる経験をしていて、弁解の余地はない。非常に申し訳ないことをしたと思っています」

 起訴内容を認め、謝罪した山上被告。前代未聞の事件に及んだ動機を詳しく語りはじめました。

“旧統一教会への恨みと怒りが原点” 執念の背景に壮絶な過去

 (山上被告)「(旧)統一教会に一矢報いるというか、打撃を与えることが自分の人生の意味だと思いました」

 母親が入信し献金していた“旧統一教会への恨みと怒りが原点”だと話し、当初は韓鶴子総裁ら旧統一教会の幹部を狙っていたといいますが、教団に友好的で影響力があるとして安倍元総理をターゲットにしたといいます。

 そして岡山市の演説会での襲撃を計画しましたが、警備の厳しさなどから断念。その帰り道に地元・奈良に安倍元総理が応援演説に来ると知り、こう思ったといいます。

 (山上被告)「まさか銃撃に失敗した翌日にまた来るとは思わず、偶然とは思えないような気がした」

 なぜこれほどまでに執念を燃やしたのか。山上被告の母親と妹の証言から壮絶な過去が明らかになりました。

「てっちゃん、ごめんね」母親が語った献金の経緯

 まず出廷したのは母親。ついたての向こうから献金を始めたいきさつを話しました。

 (山上被告の母親)「夫の自殺や長男の手術で非常に心を痛めておりました。(教団から)献金をしませんかということで、(献金)しました」

 母親は、夫が自殺し山上被告の兄である長男に重い病気があったなかで、1991年に教団に入信。夫の生命保険金や自宅を売って得たお金など計約1億円を献金したといいます。

 (山上被告の弁護人)「徹也さんがこのような事件を起こした原因についてどう考えますか?」
 (母親)「原因は、私が加害者だと思います。(旧統一)教会にもっともっと尽くしたら家が本当に良くなると思っていましたが、そういう思いを利用したのは(旧統一)教会だったと思っています。宗教は、たとえ貧しくても心が豊かになるようにするのが本来の宗教だと思います」

 母親は証人尋問が終わった後、裁判長の制止を振り切って息子にこう呼びかけました。

 (母親)「徹也に本当に申し訳なかったと思います。てっちゃん、ごめんね」

 ただ、山上被告が母親の方に目を向けることはありませんでした。

山上被告の妹も証言「徹也は絶望の果てに事件を起こした」

 続いて、弁護側の証人として法廷に立ったのは山上被告の4歳下の妹。母親の献金で家庭が崩壊していく様を克明に証言しました。

 (山上被告の妹)「母は教祖の写真を飾って、祭壇を置いて、壺を置きだしました。毎晩毎晩お祈りしていました。食事に行こうと言われてついていったら(旧)統一教会のイベントで裏切られた気分でした。母は、(旧)統一教会と長男のことで頭がいっぱいで、私が40度の熱が出ても(旧)統一教会の活動に行っていました」

 2002年に母親が自己破産すると生活はさらに困窮。妹は母親から金を無心されるようになったといいます。

 (山上被告の妹)「家賃を滞納していて金をくれと、必死の形相で道路で私にしがみついて。私は母親を20~30m引きずりました。恥ずかしくて、みじめで、つらかった。母親が私に連絡してくるのは、金の無心をする時だけでした。母親のふりをした(旧)統一教会の信者だと思いました。母親のふりをしているから、私は突き離せない」

 信仰をやめない母親に対し、山上被告の兄である長男は叱責したり包丁を振り回したりすることもあったといいます。その長男は、2015年、人生を悲観して自ら命を絶ちました。

 (山上被告の妹)「警察署で長男の遺品を渡されたとき、徹也は声を上げて泣いていました。長男の遺体から一晩中離れず、『俺のせい』とつらそうでした」

 山上被告は長男の自殺をきっかけに旧統一教会への復讐を決意したといいます。

 (山上被告の妹)「私たちは(旧)統一教会によって家庭が破綻した被害者でした。相談する窓口も探しましたが、親が入信した子どもの相談窓口は見つけられなかった。徹也は絶望の果てに事件を起こしてしまったんです」

 弁護側は、こうした過酷な生い立ちが「犯行と一直線に強く結びついていて、量刑判断において最も重要視されるべき」と主張。重くても懲役20年までとしています。

検察側 “犯行は極めて危険なものだった”と主張

 一方で検察側が強く主張しているのが「犯行の危険性」です。

 (記者リポート)「私の後ろに見える交差点付近が事件現場です。そして、あちら(事件現場)から約100m離れたこの駐車場ですが、私より見上げる位置に銃弾の痕が今も残されています」

 山上被告は安倍元総理に向けて計12発の弾丸を発射。そのうち3発がこの駐車場の壁にめりこみました。

 検察側は事件当時、街頭演説の聴衆が約300人いて、山上被告が作った銃は弾丸がどこに飛んでいくか分からず、犯行が極めて危険なものだったと主張しています。

安倍元総理の妻・昭恵さんは意見書で「突然夫を亡くした喪失感は一生消えない」

 さらに被害者遺族である妻・安倍昭恵さんの思いも量刑判断に考慮すべきだと主張します。

 (安倍昭恵さん 弁護士が意見書代読)「私にとっては政治家・安倍晋三であるとともに、かけがえのないたったひとりの家族です。最後に言葉を交わすこともできず、突然夫を亡くした喪失感は一生消えることはありません」

 検察側は「社会を変革するために人を殺害するなどということは法治国家において絶対許されず、刑事責任を軽くすることがあってはならない」などとして、無期懲役を求刑しています。

 総理大臣経験者が銃撃されるという戦後初めて起きた事件に裁判所はどのような判断を下すのか。判決は1月21日午後1時半に言い渡されます。

2026年01月21日(水)現在の情報です

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