2026年01月16日(金)公開
【維新の国保逃れ】調査結果と処分内容を詳しく 元区議が「国保料を下げる提案」LINEで勧誘 6人いずれも社会保険料は『最低等級』 中司幹事長は「あくまで個人の関与だ」
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維新所属の議員らが一般社団法人の理事になるなどして、議員報酬より著しく低い報酬を基準にした社会保険料を支払う、いわゆる「国保逃れ」について、日本維新の会は、関西の地方議員ら6人を除名処分にしました。維新の調査および判断はどんなものだったのか、中司幹事長の会見から詳細を報じます。 1月15日に除名処分となったのは、長崎寛親兵庫県議、赤石理生兵庫県議、南野裕子神戸市議、長崎久美尼崎市議、松田昌利大阪市議、松本光博元杉並区議の6人です。
■中司幹事長「所属議員が脱法的な行為に関与」
中司幹事長は会見冒頭、「党所属の地方議員が脱法的な行為に関与していたことにより、国民の皆様方の納得を得られない事態を招いたことについて、深くお詫びを申し上げます。申し訳なかったと思っております。」と謝罪しました。
調査は1月13日までに特別党員806人に対してアンケート調査とヒアリングなどを通して行われました。このうち社会保険に加入していたのは共済組合である首長19人をのぞく364人いました。
維新は、「社会保険に加入すること自体については問題がないと認識している。今回は、法人実態や業務実態がないにもかかわらず、あえて報酬を低額に設定をして、社会保険料を不当に低く抑えるように、明らかに制度の趣旨を逸脱するものについて、国保逃れとして、脱法的な行為と捉えている」としました。
■中間調査から減った理由
一般社団法人・栄響連盟を認知していた者は中間調査では49人いましたが、結果的に9人でした。加入者が4人、これに問題意識を持って調査した者が2人、DMで勧誘を受けた者が1人、その他「聞いたことがある」という程度で回答したのが2人です。
数が大きく減った理由については、設問に「どの時点で知っていたか」と書いていなかったため40人が報道で知ったとの返答、設問に問題があったとしました。
■関与していたのは5人
さて、こうした一般社団法人への関与があると認定された者は5人でした。中間報告では「関与がある」と回答した者は8人(4人が栄響連盟、4人が類似法人)でしたが、4人について追加調査した結果、栄響連盟と同じスキームと見られる一般社団法人「フリーランスジャパン」に加入していた者が1人でした。(残り3人のうち、1人は勤務する株式会社の法人名を誤記載。2人は実態のある法人に関わっていて今回の問題とは無関係と判断)
また、栄響連盟または類似法人に対して、維新関係者から勧誘があったと回答した者は13人いました。元秘書(栄響連盟関係者)からが5人、特別党員からが3人、元特別党員からが5人でした。
■「栄響連盟」関与議員の詳細
長崎兵庫県議と長崎尼崎市議は毎月会費3万4000円を支払い、報酬1万1700円を受領。赤石兵庫県議と南野神戸市議は毎月会費5万円を支払い、報酬1万1700円を受領していました。社会保険料は最低等級の月額約1万1500円でした。
理事の業務として、月に2回金融や会計、法務、税務などに関するアンケートに回答し理事として制度に関する知識の研さんをしていたということです。
■類似法人に関与した議員
また一般社団法人「フリーランスジャパン」に関与したのは、松田昌利大阪市議で、令和7年8月から12月まで理事として登録されていました。毎月会費3万4,000円を支払い、報酬1万1700円を受領していました。理事の業務は「アンケートへの回答」のみで、社会保険料は最低等級の月額約1万1100円です。
中司幹事長は、「代表理事が元栄響連盟の代表理事である点や、法人の目的がほぼ共通する点から、栄響連盟の4名と同様の行為があったと認められる」としました。
■脱法的行為とされた元区議
また、勧誘行為などの脱法行為に関与したとして、松本光博元杉並区議も除名処分です。令和7年4月から7月の間、自ら設立した合同法人の代表者に就任し、毎月2万5,000円の報酬を受領していました。社会保険料は最低等級です。
元区議は、東京維新の会のLINEグループに「国保料を下げる提案」と投稿し、個別に連絡のあった特別党員に対して、自身が設立した合同会社名義で、「国保料負担に苦しんでいる議員の皆様の国保料負担を下げる改革」と題するファイルを送信して勧誘を行っていました。
■盲点を突いた脱法的な行為
日本維新の会は、「6人は議員報酬よりも著しく低額な役員報酬を基準とした社会保険料しか払っておらず、応能負担という現行制度の趣旨を逸脱し、制度の適正な運用を歪めるもので、社会保険制度の盲点を突いた国保逃れの脱法的な行為」との見解を示しました。
5人については、「理事の一定の業務を行っていたという主張をされているが、会費を納入することを前提に理事に就任し、形式的に加入資格を取得したと認められるもので、その行為は悪質である」としました。
■「組織的関与はない」と発表
いっぽう維新の党本部や総支部、議員団が組織的に「国保逃れ」を指示、奨励した事実は、調査の結果、確認されなかったとしました。中司幹事長は、「複数名が関与していたことをもって組織的という指摘も受けておりますが、組織としての意思決定や指示があったわけではなく、あくまで個人の関与」との考えを示しました。
いっぽう、勧誘に関与したとされる大阪市議が処分されていない件については、「直接スキームを熟知して関与したわけではなく、間接的に関係者を紹介したという実態が判明し、本人が事態を重く受け止めて離党届を提出したため受理」したとし、処分対象には含まれないとしました。
記者から「(処分対象の)議員に対して辞職を求めますか」と問われると、「既に辞職を勧告しており、本人が応じなかったため除名処分としておりますが、今後も引き続き辞職は求めていきたいと思っております。」としました。
■選挙が近いタイミングで発表
記者から「衆院選が近いとされるこの時期に早急に処分と発表をした理由は」と問われると、「選挙の有無に関わらず800名超に調査を進めてきた。時間がかかりましたが、このタイミングでの公表となりました。選挙において、これまでと同様に社会保障制度の改革をしっかり訴えていきたいと思っていて、さなかにこのようなことが起こったのは本当に残念であり、忸怩たる思いがございます。」と述べました。
中司幹事長が約15分説明を行い、記者からの質問が10分ほどあって、会見は終了しました。
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