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「このままでは国に帰れない」万博・コモンズD出展の「ギニア」 "行き違い"で売れ残った大量の工芸品...ピンチに万博スタッフらが再集結し『売り尽くしイベント』開催!価格は交渉次第...目玉商品2メートル超の『ニンバ』は売れる?

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 大阪・関西万博の閉幕から1か月。西アフリカのギニアはコモンズDに出展していましたが、手違いがあり工芸品が大量に売れ残ってしまう事態に。「このままでは国に帰れない」ということで「売り尽くしイベント」を開催することにしましたが、果たして購入者は現れたのでしょうか?万博後の奮闘に密着しました。

約100tの工芸品 “行き違い”で1割ほどしか売れず

 大阪・関西万博でコモンズDに出展したギニア。黒光りする女性像や壮大な年月を感じさせる仮面の数々など、自慢の工芸品を販売しようと、約1万4000km離れた本国から総重量100tほどの品を運んできました。

 (ギニア政府代表団 ケイタさん)「愛知万博でもたくさん買ってもらえたし、2017年のカタールでの展示会でもたくさん売れました。それを計算したうえで持ってきました」
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 ところが、どこかで行き違いがあったのか万博での物販スペースはたたみ9畳ほど。ほとんどの工芸品は、置くことすらできず、結局1割ほどしか売れませんでした。これでは渡航滞在費も賄えません。大赤字です。

 (ギニア木彫組合・代表 ママディ・カバさん)「全ての事態の責任は私たちにあると感じています。だけど売ることが簡単ではないことはわかっていました」
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「ギニアのピンチを救いたい」コモンズDの元スタッフらも集合

 「このままでは国に帰れない」と、相談を持ち掛けられたのが、コモンズDを運営するディレクターだった森重裕子さんでした。

 (コモンズD・元ディレクター 森重裕子さん)「『助けたい』というよりは、この人たちが目の前にいて『売りたい』『そうか、じゃあ売ろうか』っていう感じ」

 考えたのは、工芸品の「売り尽くしイベント」。倉庫のオーナーも協力してくれることになり、2日間大々的に開催することになりました。

 (倉庫のオーナー 篠原彰子さん)「作った木工製品に対する情熱というか、すごく大事にされている。こんなすばらしいものに触れてもらう機会もできればなと思うし、いっぱい売れて皆さんが安心して国に帰れるように」

 「ギニアのピンチを救いたい」森重さんの呼びかけでコモンズDで働いていたスタッフたちも集まってきました。
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 (コモンズD・元スタッフ)「25か国入っていたパビリオンの中でも一番強烈な思い出がある。本当ににぎやかな国がギニアだった。海外にいたことがないけど、海外旅行に行ったような半年間だった。なにか力になれることがあればと思って」

ギニアの雰囲気が味わえるよう交渉次第で値切り可能に

 まずはイベントを知ってもらうことが大事。みんなで工芸品の写真を撮ってSNSにどんどん投稿します。

 森重さんは、日本語が話せないギニア人スタッフに代わってスムーズに接客できるよう使い方や由来、希望する販売価格などを聞き取っていきます。

 (森重裕子さん)「小さいものだと2000円だとか、3000円のものを用意している。初めて見た、女の人のマスク。すごくめずらしいと思う。こういうのを探し出してきて家族から譲り受けてくる」

 子宝や豊作を願う女神の像『ニンバ』。ギニアの家庭には、必ずといっていいほど置いてある身近な存在だといいます。土産用から祭りに使うものまで大きさは様々。今回持ってきたニンバで一番大きいものは2mをゆうに超えます。
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 販売価格は…

 (ママディ・カバさん)「15万ドル(約2300万円)」
 (森重裕子さん)「いやいや15万ドル(約2300万円)って…」

 (森重裕子さん)「2300万円って。それはみんな『(高すぎて)違う』と言って。結局、250万円くらいから交渉開始」

 ある程度の価格は設定しますが、値札はつけません。せっかくなのでギニアの雰囲気が味わえるよう、現地と同じく交渉次第で大幅に値切れるようにしました。

 (ママディ・カバさん)「手伝ってくれてうれしいし、ありがたい。私だけじゃなくてここにいるギニア人みんな感謝している」

イベントへ向け作業開始 多くの工芸品を見てもらえるように展示

 イベントまであと2日。そろそろ準備も終わったころかと倉庫をのぞいてみると、前とあまり変わってないような雰囲気です。

 (森重裕子さん)「ギニアタイムが多分あって、まだ集まってないようで…10時集合だったけど、今もう11時45分」

 午後1時ごろになってようやく集まり始めました。まずは腹ごしらえから。午後2時を回ったころに作業開始です。

 なるべく多くの工芸品を見てもらえるよう、倉庫のスペースを目いっぱいに活用します。大きいものは移動にも一苦労です。

 倉庫を閉めなければならない午後5時までには、作業をなんとか終えることができました。

―――Qどれくらい売れたらいい?
 (ママディ・カバさん)「75%。まあやってみるさ」

「おまけつけて」価格は交渉次第!

 そして、11月15日売り尽くしイベントの当日は、朝からお客さんが次々と集まってきました。

 みんな売り込みに一生懸命です。

 (接客をするママディ・カバさん)「ダンシングマスク(踊るための仮面)」
 (客)「えー!」
 (ママディ・カバさん)「重くないよ」
 (客)「いくらですか?」

 価格は交渉次第。電卓にお互いの希望金額をいれて、合意できるラインを探ります。

 (客)「15万…ん~よう買わん…」
 (ママディ・カバさん)「問題ない。安くするよ!」

 「値切れる」と聞くと腕が鳴るのが大阪人のさが

 (客)「おまけつけて。これで2万3000円、OK?」

 ギニアの文化にもばっちりなじみます。

 (客)「結構下げてくれはるんで大阪のおばちゃんとしてはうれしい」
―――Qいくらに値引き?
 (客)「3万5000円が2万2000円に」
 (客)「コモンズで買おうと思ったらいっぱいで入れなくて、だからきょう来ました。(万博)ロスです。(イベントあって)よかったです」
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 会場では、民族楽器による演奏で来場者はノリノリ!高い栄養価でギニアのスーパーフードとして注目される雑穀「フォニオ」を使った料理も提供され、ちょっとした万博気分が味わえます。

大きな「ニンバ」売れ行きは?

 イベントの目玉、あの大きな「ニンバ」の前で立ち止まる人も…

 (森重裕子さん)「230万か250万かそれくらい」
 (客)「本物?」
 (森重裕子さん)「本物です」
 (客)「これは買えない買えない。置けない。おそれ多い」

―――Qニンバ売れそう?
 (森重裕子さん)「値段もそうだし、大きすぎて日本家屋には厳しいかな…でも関心持って見ていただけるのはとてもうれしい」

 やはり大きい品は売れ行きが芳しくないようです。

 しかし、椅子などを購入していた男性に買ったものをみせてもらうと…車のトランクにニンバがありました。3番目に大きなものを買っていました。
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 (大きなニンバを購入)
 「26万円かな。最初70万円。それで50万円に下がって」
 「だから本当にお得でしたよね」
 「アフリカの人がつくった気持ちがすごく出ているような。日本のいろんな商品と違う人間らしさが出ていると思いました」

 帰って早速、玄関に飾ったそうです。
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2日間で万博期間とほぼ同じ量の工芸品を売却

 イベントは大盛況で幕を閉じ、結局2日間で6か月間の万博とほぼ同じ量の工芸品が売れました。

 (森重裕子さん)「本当にたくさんお買い上げいただけた。見て喜んでいただいた方がたくさんいた。そういった意味では想定以上だったと言えるかもしれない」
 (ママディ・カバさん)「みなさんにとても感謝しています。私たちが失ってしまった希望など、みなさんのおかげで取り戻すことができた」
 (森重裕子さん)「少し減りましたね」
 (ママディ・カバさん)「いえ少しではないですよ。『ニンバ』も売れて、全体重量は減った。ありがとうございます。ありがとう日本」

2025年11月20日(木)現在の情報です

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