2025年10月30日(木)公開
「被告人は『当たったか?』と言葉を発した」山上被告を取り押さえた警察官が明かす緊迫の状況 提示された安倍氏の傷痕の写真を食い入るように見つめた山上被告 自作のパイプ銃は「発射罪」適用されるか?
編集部セレクト
10月30日、殺人などの罪に問われている山上徹也被告の裁判員裁判は3日目を迎えました。証人尋問からみえてくる検察側の”ねらい”とは――。
■裁判の争点 「発射罪」適用されるか
山上被告は午後0時半時ごろに奈良地裁に到着し、メガネをかけ黒い長袖シャツにグレーのスウェット姿で少しけだるそうに法廷に姿を見せました。
起訴状によりますと山上被告は3年前、奈良市で街頭演説中の安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われています。
これまでの裁判で山上被告は起訴内容を全て認め、一部の罪については「成立しない」などと主張し争う構えです。それが、銃刀法に定められている「発射罪」です。
「発射罪」とは、けん銃といった銃などを不特定多数の人がいる公共の場所で発射した場合、無期または3年以上の懲役が科せられるというものです。この罪が適用されるかどうかが、被告の量刑に影響する可能性があります。弁護側は、山上被告が自作したパイプ銃はこの発射罪の規制対象には当たらない、などと主張しています。
■取り押さえた警察官の証言「『当たったか?』という言葉を発していた」

30日、最初に出廷したのは、事件現場で山上被告を取り押さえた警察官。安倍元総理の演説が始まると一気に聴衆が増えたと話しました。
(検察官)「演説中、どんなことがありましたか?」
(警察官)「ドンという音が聞こえました。何かが爆発したような音でした。白煙が舞っていて、車道の中央に被告人が立っているのが見えました」「(被告人が)バズーカのようなものを持っているのが見え、2発目を発砲しようとしていました」
![]()
そして山上被告を取り押さえた際、、被告のこんな言葉を聞いたといいます。
(警察官)「被告人は『当たったか?』という言葉を発していました。バズーカのようなものから何かが発射され、被害者に当たったかを確認していたと思いました」
次に出廷したのは、安倍元総理の遺体を解剖した法医学者です。安倍元総理の肩などの傷痕の写真が法廷で提示されると、山上被告は食い入るように見ていました。
次の裁判は11月4日に開かれ、別の警察官の証人尋問が行われる予定です。
2025年10月30日(木)現在の情報です
