2025年10月16日(木)公開
【全文公開】維新・吉村代表「僕らにも正義があって、本気で高市さんにぶつけてます。あと数日で結論を出さなければならない」連立は?よんチャンTV生出演で行方を展望
編集部セレクト
自民・高市早苗総裁との党首会談を行った翌16日、維新・吉村洋文代表がMBS「よんチャンTV」に生出演。自民党との政策協議の展望や、譲れない一線、自党が消滅しうるリスクなどについて、存分に語ったやりとりをまとめました。
MBS前田春香アナウンサー)
今日の取材で吉村さんは、「政策協議で合意がまとまれば、総理指名選挙で高市さんの名前を書くし、連立入りも判断する」と答えています。実際、連立の現実性というところは今の段階ではどう捉えていますか。
日本維新の会 吉村洋文代表)
簡単にはいかないと思ってます。当然です。我々にも当然リスクがありますから。これまで自民党と連立を組んだ政党は消滅していることが多い。創価学会を支持母体とする公明党は残っていますが、それ以外の政党が消滅していることを考えると、党としてリスクはあると思います。
でも国家として本質的な改革をすることは非常に重要だと思っていますし、それを誰かが挑戦しないと、日本は30年間ずっと成長していないわけです。日本の政治も全然動いてないということを考えると、やっぱり誰かがリスクテイクして挑戦をしていかないと道は開けないと思ってますから、そういったことも含めて今回、政策12項目挙げましたけど、かなり幅広で深い項目になっていますので、これを高市さんどのように判断されるのか、そしてそれがまとまるのかということを、まずは続けていきたいと思います
提示した12項目「絶対譲れないのは…副首都構想と社会保障改革」
1経済財政政策
2社会保障政策
3皇室・憲法改正・家族制度など
4外交安全保障政策
5インテリジェンス政策
6エネルギー政策
7食料安保・国土政策
8経済安保政策
9人口政策・外国人政策
10教育政策
11統治機構改革(副首都構想)
12政治改革(企業団体献金の廃止など)
日本維新の会 吉村洋文代表)
今日の話し合いは1時間ちょっとぐらいと聞いています。まず我々から12項目についての説明をいたしました。藤田共同代表、高市総裁そして幹事長・政調会長6人での協議です。全て当然まとまるわけでもなくて、一旦持ち帰るということになったと聞いてます。私たちが絶対譲れないのは副首都構想。東京一極だけに頼るんじゃなくて、大阪・関西が一つのもう1つの軸になってツインエンジンで日本を引っぱっていくのは絶対やるべきだと思って政治をやっています。これは大阪だけじゃなくて、国家にとっても必要なことだと思う。
あとは社会保障、社会保険料が非常に高くて、これから少子高齢化でどんどん社会保障制度が厳しくなる。でも社会保障制度改革するのは難しいです。でもそこは必要だというのでこの2本柱は公約に掲げましたから、副首都構想と社会保障改革、これは絶対条件です。
――絶対に譲れない?
絶対に譲れないです。
「都構想を実現しないと、副首都は実現しないのか?」
MBS河田直也アナ)
副首都構想では必ず都構想の話も出てくるんですけども、この副首都を実現するためには構想もセットで考えるという。都構想を実現しないと副首都が実現しないんでしょうか?
日本維新の会 吉村洋文代表)
僕はそう思っています。副首都は、東京首都圏に匹敵するような経済圏域を作っていこうというのがひとつ。もうひとつは、いざというとき、何か首都圏にあったときにバックアップするところ、どこもないんです。
でも国家にとってのリスク管理としておかしいので、そういった首都圏の機能もバックアップできるようなそういったエリアを作っていきましょう、副首都で作っていきましょう。これを実際にやろうとしたときに、第1候補に挙がるのは僕は大阪だと思っています。そのときに副首都を担うのは、大阪府なんですか、大阪市なんですかって言われたときに行政として答えられないです。
なので、大阪市と大阪の一つになった強力な行政機構として副首都になっていく。つまり東京都のような行政機構でないとなかなか副首都の機能担えないのではと僕は思います。
「政治家である間は、都構想には挑戦しないと明言されましたが…」
MBS河田直也アナ)
都構想は皆さんもよくご存知だと思いますけれど、2度住民投票が行われて僅差ではありましたけども、2回とも否決をされました。吉村さんにとってちょっと耳が痛い話かもしれませんけど、これを受けて吉村さんは政治家である間は、もう都構想には挑戦しないと明言をされましたけれど、そこはどう説明されますか。
日本維新の会 吉村洋文代表)
はい。確かにそう申しましたし、そのときの気持ちに嘘偽りはないです。なので今都構想3回目っていうのを直接言ってるわけではありませんが、もし本当に3回目の挑戦をして、そして大阪副首都として成長して目指していこうっていうのを本気でやるんであれば、民主的なプロセスは踏まなければならないと思っています。
――3回目の住民投票はやることになる?
本気でやると思うんであれば、やっぱり民主的な手続きを踏まない限りは、それはやっちゃいけない、筋が通らないと思っています。ただ僕は大阪の将来を考えたら、絶対これは必要だという思いは変わりません。大阪・関西万博も成功しましたけれど、日本で一つの軸だけで僕は駄目だと思います。
――住民投票の民意はどう捉えている?
やはり非常に競ってますけれど、反対だということですから、一旦ここで結論が出ている話だと僕は思いますけれども、でもやっぱり知事市長をやっていて副首都に大阪がなっていく上で、都構想っていうのは僕は必要なんじゃないかと思っております。ただそこは、本当にやるんだったら、民主的なプロセスを踏まずにやるのは、筋は通らないと思っています。
「自民党に絡め取られてしまうのでは…」ジャーナリストの懸念
ジャーナリスト 立岩陽一郎氏)
維新の会は『小さな政府』を志向して、自民党に対するアンチテーゼを出してきたんです。自民党でも小泉さんのお父さん(元総理大臣)は、自民党の中では小さな政府を志向して郵政改革とかしたわけですよね。だから小泉進次郎さんもある程度わかるわけですよ。高市さんは、ご本人どうこうは別としても、自民党を代表しているという意味では、どちらかというとやはり『大きな政府』の政策になっているんですけど、せっかく小さな政府を志向した政治勢力が絡め取られてしまうのは、私はどうなのかなと思う。代表としてどう考えているのか聞いてみたい。
日本維新の会 吉村洋文代表)
象徴は、議員定数削減だと思います、一番のセンターピンは。小さな政府、様々なおかしな補助金の出し方とか、無駄な使い方はなくしていくべきと思います。わたしたちが最初にやったのは自分たちの身を切る改革、報酬の削減は僕も3割削減、退職金4000万円を0っていうのをずっとやっていますが、議員定数の削減というのが一番政治改革で難しいところ。だって、自民党と民主党も昔国政で約束したけど結局何もできてませんから。なので今回の項目で、議員定数の大幅削減は政治改革のひとつとして入れています。
それから社会保障政策、経済財政政策の中にも無駄遣いをなくしていく、補助金をなくしていく。日本版DOGEのような、おかしなものは無くしていこうといったことも項目を入れてますので自民党がどう考えるかと思います。
投資は賛成なんです。減税はやったらいいと思うし、いろんな成長戦略に投資するのは、僕自身もインフラなんかもやってますので、お金を使うな、ではなくて、無駄な使い方はやめようよ、だから議員定数削減とかおかしな補助金のカットをしながら、街や子供たちに投資していますので、緊縮一辺倒ではないんです我々。
「譲れない二つさえ実現できれば与党入りはOKか?」
MBS大八木友之解説委員)
議員定数の削減であるとか、あとは企業団体献金の廃止は、おそらく自民党なかなか飲まないと思うんですよね。譲れない一線が「社会保障」と副首都ということであれば、その二つさえ実現できれば与党入りはOKということでいいんですか?
日本維新の会 吉村洋文代表)
いや、12項目あります。二つは最低、絶対条件です。この12項目プラス、この中に実は細かな政策が入ってます。そういったことがきちんと実行されるか、賛同してもらえるかどうかっていうところがポイントだと思っています。政治資金の問題、議員定数削減、これは自民党としてもめちゃくちゃ嫌なことだと思います。でもそういったことはやっていかないと、構造改革っていうのをやっていかないと、どんどん負担ばっかり増える社会になりますから。なので、議員定数の削減なんか強い思いを持っています。
MBS河田直也アナウンサー)
企業団体献金の話、ここはもしかしたら譲るかもしれないけども、議員定数の削減はやりますよと、譲らないということですか?
日本維新の会 吉村洋文代表)
そこは議員定数削減については非常に強い思いを持ってます。
ジャーナリスト 立岩陽一郎氏)
吉村さんは危険も考えているって言いました。維新の言ってきたものが形骸化している可能性があるおそれがある。逆に言うと、今連立を組んで、その結果として維新というものが自民党の中に絡めとられていって、最終的には維新という政党がなくなってもいい、というぐらいに考えているのですか?
日本維新の会 吉村洋文代表)
日本の本質的な改革を実行することが重要だと考えています。僕がなくなってもいいとか、どうぞって話じゃなくて、最後は有権者が判断することです。でもその上で重要なのは日本にとって必要な本質的な改革、社会保障もそうだし、副首都なんか普通にやったら国ではできませんから、そういったことに本気で自民党が向き合うんであれば、今、日本維新の会の議員数はまだ少ないですけれども、日本が変わる可能性があるんであれば、リスクを誰かがテイクしないと道は開けませんから、そういったことは自分の中では当然選択肢としてはある。ただ、協議がまとまらないとやりません。自民党も簡単に飲むような話じゃないと思います。
仮に連立するとして 選挙協力や連携については?
MBS前田春香アナウンサー)
連立入りする場合、選挙協力について、連携などどう考えていますか?
日本維新の会 吉村洋文代表)
まだ先の話だと思っています。自公は選挙協力していましたが、ヨーロッパで連立組んでいるところで選挙協力しなかったりもしているので、必ずしも完全一致っていうのはないんだろうとは思ってますし、そもそも連立するか決まってないからまずは政策の本質的な合意が重要です。
MBS河田直也アナウンサー)
大阪の選挙では維新が圧倒的に支持されています。自民には投票できないが、維新にお願いしたいという人はたくさんいると思いますけどもそういう人たちにはどういうふうに説明されますか?
日本維新の会 吉村洋文代表)
さっきの12項目、本当に自民党が飲んだら、ほぼ維新の政策です。
――全部飲むのが前提ですか?
そこからの交渉になります。
――大阪の候補者は譲らず、立て続けますか?
選挙区調整はしていないし、まだそんなステージになっていないと思っています。
――大阪だけの政党だけになるリスクはありませんか?
でもこれは、本質的に国家として必要なことがかなり入ってますので、これを本当に自民党がやるかどうか。高市さんは、僕が会う限りでは、高井さんとして本気で熱意を持って国家を前に進めていきたいという思いがあるなと思いました。
ただ僕らにも僕らの正義があって、副首都としても社会保障にしても、数は少ないかも知れないけれど、絶対日本にして必要なのはこれだっていうのは思ってるので、それを本気でどうされますかっていうのを高市さんにぶつけてます。そこがまとまるかどうかです。本当に政治と政治と、エネルギーとエネルギーのぶつかり合いだと思います。あと数日間で結論を出さなければならないと思っています。
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