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巨大な丸い目が特徴!縄文時代の土偶が京都に集結「なぜ遮光器土偶と呼ぶ?何のため作った?」学芸員に聞く土偶の不思議な世界

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 「土偶」と聞いて頭に思い浮かぶのは、丸くて大きな目の周辺が特徴的な「遮光器土偶」ではないでしょうか。特別展「世界遺産 縄文」では、東北地方で出土した実物5点を含む貴重な遮光器土偶が京都に集結。その不思議な魅力について、特別展を企画した東北歴史博物館の山田凜太郎学芸員に疑問をぶつけました。

 (東北史博物館 山田凜太郎学芸員)これらの土偶は、約1万年ある縄文時代の終わりの時期の、東北地方から出土する土偶で、特徴は大きな目です。北方民族がつけている「遮光器」という眼鏡に似てるから「遮光器土偶」と名付けられました。中は空洞になっています。土偶の中でも数が少ないです。

――遮光器土偶はなぜこのような形をしている?

 (山田学芸員)なぜ目が強調されているかは分かっていません。「宇宙人ではないか」などいろんなことを言われますが、遮光器土偶が作られる前の時代の土偶は、実は目が小さく、徐々に大きくなっていき、遮光器土偶が作られる時代には目が巨大になりました。

 また、土偶のほとんどは女性をかたどったものと考えられています。柔らかなフォルムだけではなくて、ときに胸や尻のあたりが強調されていたり、お腹が膨れているのは妊娠を表現していて、妊娠した時にできる「妊娠線」が表現されています。

 ――土偶にはどんな願いが込められていますか?

 (山田学芸員)医療も今ほど発達しておりませんでしたし、子供が生まれるときに、母子とも危険で亡くなる人も多かったと考えられます。子どもが安全に生まれるように、健やかに育つように、といった願いが込められたと考える研究者が多いです。

 また、女神の像として祈りの対象だったと考える研究者もいます。墓から出土しているものもあるので先祖を祀るものだったという説もあります。遮光器土偶が作られた縄文時代の晩期は、西日本の遺跡が少なくなり、東北地方で遺跡が多くできました。遮光器土偶は祭りの道具だった可能性もあり、祭りを大切にする文化ができた象徴が遮光器土偶ではないかという考え方もできます。

――遮光器土偶の違い、見るポイントは?

 (山田学芸員)マニアックな見方ですが、模様や形に少しずつ違いがあり、県ごとの傾向があります。「口」を表していると考えられる穴の位置が、秋田県で出土したものは、目と目の間の下あたり、通常の口の位置にあります。一方、青森県や岩手県で出土したものは、穴は目と目の間に位置しています。

 横や後ろから土偶を見ることができるのは展覧会ならではで、例えば背中が擦れているものは、背中を下向きに保管されていたのではないでしょうか。

――遮光器土偶はどうやって作られたのか?

 (山田学芸員)パーツごと作り、それをくっつけるようにして完成させています。脚のない土偶など、一部欠損している土偶がかなりありますが、パーツごとに作ったうちの一部が取れた可能性があります。今回展示されている岩手県盛岡市の手代森遺跡の遮光器土偶は、欠けているところがなく、個人的におすすめの土偶の一つです。実物の質感の迫力が伝わりやすいと思います。

 10月4日から11月30日まで京都文化博物館で開催されている特別展「世界遺産 縄文」では、シャープな上半身と対象的に太い脚が特徴の国宝の土偶「縄文の女神」(10月19日まで展示)や、中が空洞となっている国宝「中空土偶」(11月1日から展示)など、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」などから出土した土偶や装飾品など約250点が展示されています。

2025年10月05日(日)現在の情報です

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