2025年07月24日(木)公開
【独自】吉田兼好ゆかりの古刹の一部が「廃墟化」高校生らの心霊スポットに... 大阪府警がすでに11人を補導「夏休みなので取り締まりを強化」大阪・阿倍野区
編集部セレクト
大阪市阿倍野区にある吉田兼好ゆかりの寺の敷地の一部が心霊スポットとなり、無断侵入者が続出。高校生ら11人が補導されていることが捜査関係者への取材で分かりました。大阪府警は「夏休みなので取り締まりを強化していく」としています。
大阪市阿倍野区松虫通にある「正圓寺」は、939年創建で千年以上の歴史があり、随筆「徒然草」で知られる吉田兼好ゆかりの寺として、地元では「天下茶屋の聖天さん」として親しまれていました。
ところが、寺の敷地内で進められた特別養護老人ホームの建設工事をめぐり、資金繰りが悪化。
元住職の男(58)が差し押さえをまぬがれようと、寺が所有する土地を売買したとするウソの登記申請を行うなどしたとして詐欺などの罪に問われ、去年10月に大阪地裁で懲役2年6カ月の実刑判決が言い渡されました。
その後、寺は債権者から破産を申し立てられ、大阪地裁は6月18日に破産手続き開始決定を出しました。
老人ホームになるはずだった建物が「心霊スポット」に…
近隣住民によりますと、特別養護老人ホームになる予定だったものの、工事が中断された建物が約5年前から“廃墟化”。
最近は「心霊スポット」として、若者たちが肝試し目的で無断侵入するケースが相次いでいるということです。
MBSの記者が現場を確認すると、建物は窓ガラスが割れ、あちこちに落書きがされるなど、荒れ果てた様子になっていました。
地元からは塀などの設置を求める声
今年5月には地元の丸山連合振興町会が、防犯カメラや侵入防止の塀などの設置を求める要望書を阿倍野区役所に提出。
地元町内会の会長の1人は「地域の住民が安心できるガードを設けるとか、とにかく“これなら大丈夫”と私たちが思える対策をしてほしい」と話しています。
阿倍野区役所は「消防署や警察署などの関係機関と連携し、建物管理者に対して建物の適正管理について助言・指導を行ってまいります」としています。
4月以降に高校生ら11人を補導 大阪府警「夏休みなので取り締まりを強化していく」
捜査関係者によりますと、今年4月以降、肝試しなどをしようと建物の周りのバリケードを乗り越えた11人の高校生らを補導したということです。
大阪府警阿倍野署は「敷地に入ることは建造物侵入になるため、遊び目的での侵入はやめてほしい。これから夏休みが本格化するため、取り締まりを強化していく」としています。
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