2025年04月18日(金)公開
万博スタッフの賃金は平均より30~35%高い!?「万博が雇用創出の起爆剤になると思う」 さらにビジネス面でも日本にビッグチャンスか...動き出した"万博マネー"に迫る
編集部セレクト
大阪・関西万博が開幕し、会場でお金を使う来場者や働くスタッフなど、“お金の動き”が生まれています。今回の万博による経済波及効果は、大阪府だけで約1.6兆円とも(2024年4月 大阪府・大阪市万博推進局発表)。そんな「万博マネー」の現在地に迫りました。
高額な万博グッズも即日完売!どんなお土産が人気?
連日、多くの人が訪れている大阪・関西万博。みなさん、待ちに待った万博を思い思いの姿で楽しんでいて公式キャラクター・ミャクミャクも存在感を示しています。
会場内にはオフィシャルグッズを扱う店が4か所ありますが、山中真アナウンサーがそのうちの1か所、大丸松坂屋が運営する「オフィシャルストア 東ゲート店 大丸松坂屋百貨店」へやってきました。ここだけで2000を超える公式グッズが並びます。万博に来た記念に思わず買ってしまいたくなるTシャツにキーホルダーなど…
(山中アナ)「アート作品もあるんですね。アーティストがミャクミャクをしっかり入れ込んで描いている絵が並んでいます。こちらの大きな作品、330万円!こういうものがどんどん売れると万博経済効果、期待できるんじゃないでしょうか」
そこで、来場者にお金を何にどれだけ使ったか聞きました!
「(Q何を買った?)これが6000円ぐらい。首に着けている人がいて、芸人さんも顔につけてる人がいていいな思って買いました。これは会社のお土産にプリントクッキー。万博に行ったのがわかりやすいかなと思って」
「コーヒーとタオルとエコバックと…34点くらい買いました。3万2980円です」
海外の人はどうでしょう?
(アメリカ人)「万博は本当に最高だったよ、広いし。(Q何か買った?)もちろん、お香とお皿。韓国パビリオンでラーメンも買った。(Qどれくらいお金を使った?)1万5000円くらいかな」
(イスラエル人)「(Qどれくらいお金を使った?)7000円くらいかな。このミャクミャクを買ったよ。去年、日本に来た時にミャクミャクを見て、なんかおもしろいから本当に好きなんだ」
そこで、さきほどの「オフィシャルストア 東ゲート店 大丸松坂屋百貨店」で、開幕3日間の“メチャ売れランキング”を緊急調査しました。
第3位は「公式スタンプパスポート」(税込み1100円)。各パビリオンの入り口などで行った証のスタンプを押すノートで来場者の必須アイテムに。
第2位は定番のお菓子「ハイチュウ」のミャクミャクコラボ(税込み540円)。手頃な値段とサイズ感がお土産にぴったりと複数買っていく人が多くストロベリー味が人気だそうです。
そして1位は「カプセルフィギュア」(税込み500円)。1コインで買えて子どもから外国人まで大人気。ミャクミャクは8タイプあって、どれが出るかは開けてからのお楽しみです。
ちなみに、オフィシャルストアに売られていた330万円のアートは初日に売れ、この店で一番高いという440万円の博多人形もわずか30分で売れたということです。
給料は他より30%~35%高い!?万博雇用は数万人規模か
来場者の“消費”は大きな経済効果が見込めそうですが、この他にも会場内に関西の経済を動かしているものが。それは「雇用」です。会場を見渡すと、警備やパビリオンスタッフなど多くの人が働いています。実際に、万博内で働く人に話を聞くと…
(万博会場で働く契約社員)「パートやバイトで働くよりも、1.5倍くらい給料は高いんじゃないかなと。私にはもったいないくらいかなって思うんですけど。(応募条件は)全くない。英語自体も翻訳機があるので、日本語しか話せないスタッフもたくさんいますし」
人材派遣会社によりますと、万博での仕事は同じサービス業の平均賃金より30%~35%ほど高いそうです。
(人材派遣コンティフォース・金谷一興社長)「大阪の雇用は、めちゃくちゃ盛り上がっています。万博で(人の取り合いが起きて)他の会社で採用が難しくなっている部分があるので、全体的に時間給が上がってきています。万博が(雇用創出の)起爆剤になってくると思います」
半年の会期がある万博。働く人の延べ人数は数万人規模になるとみられ、この会社では引き続き募集を続けていくということです。
(金谷一興社長)「(大阪の未来は)明るいです!関西全体が明るいと思いますけどね。万博は大阪というか、日本のチャンスですよね」
パビリオンには商談ブースも 日本の新たなビジネス展開にも期待
今回の万博では158の国と地域が参加。パビリオンの数は80を超えます。各国のパリオンでは歴史や文化、最先端技術などに触れられるのはもちろん、意外な場所も…
(山中アナ)「こちらマレーシアパビリオンです。展示物とは別に、ビジネスホールというものがあるんですね。中を特別に見せてもらいます。結構広い部屋」
実はここ、日本をはじめ各国の企業などとビジネスの打ち合わせやセミナーなどを開催する商談スペースなんです。
(マレーシアパビリオン責任者)「(Qなぜパビリオンにビジネスホール?)マレーシアは万博で自国の伝統や文化を世界に発信するのはもちろん、ビジネスや貿易の側面を強く打ち出したいんです」
「(Q万博はビジネスでもチャンス?)もちろん。マレーシアは半導体産業に力を入れています。またグリーンテクノロジーでも強みがあり、先進的なデータセンターなどインフラも整備しています。これらを世界に向けて積極的にプロモーションしてマレーシアに投資を呼び込みたい」
万博をビジネスチャンスと捉える参加国は少なくありません。半年かけて腰をすえた交渉ができるため成果が期待でき、クウェートやサウジアラビアでもパビリオンの一角に豪華な商談ルームを設けています。
(日本総合研究所・石川智久調査部長)「参加国としては新たな貿易パートナー、取引パートナーを探したい。日本の企業は部品や素材の技術力が評価されていて(各国が)取引したい。関西の八尾市などの中小企業がどんどん世界に出て行くということがありえると思います」
さらに世界情勢の変化がいま日本にビックチャンスをもたらしているといいます。
それは、アメリカ・トランプ政権による“関税ショック”。付き合いづらいアメリカより貿易の自由度が高く安定している日本が、取引したい相手国として各国から熱視線が送られているといいます。
(石川智久調査部長)「(日本は)引く手あまたですね。信頼できる国で、治安や安全で安定している。日本は安定性が評価されている」
盛り上がりをみせる万博。この勢いが関西、そして日本経済をけん引してくれるのか注目です。
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