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この時代に『200円~の激安弁当店』の一日 朝3時半に起き6時開店 毎朝来る受験生のためにも店主は「お腹空いたら勉強できない...だから寝坊なんかできない」

2023年11月24日(金)放送

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 お弁当がなんと200円からという激安弁当の店。JR京橋駅から徒歩6分、京橋中央商店街(大阪市都島区)にある「三代目かっちゃん」。おなかも心も満たしてくれる小さな弁当店の一日を定点観測しました。

午前5時にやってきた店主「そら、しんどい(笑)」

 午前5時、暗く静けさの残る商店街。この時間に出勤してきたのが三代目かっちゃんの店主・寺崎康弘さん(45)です。店に入ってまず向かうのは厨房。着替えよりも準備が優先です。

 (寺崎康弘さん)「(Q早いですね?)はい、いつもこんなもんです。(Q何時起き?)3時半ですね。きのう寝たのは11時半ぐらいですかね。(Qしんどそうですが?)そら、しんどい笑」

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 1日200個ほど売れるお弁当。1時間後の開店に備えて、とんかつを揚げたり、ハンバーグを焼いたり、手際良く調理していきます。

1人目の客は受験を控えた高校生

 開店時間の午前6時。
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 さっそく1人目のお客さんがやってきました。受験を控えた高校3年生。なぜ、こんな朝早くに?

 「とんかつ弁当を買いました。日曜日以外は毎日来てます。朝から勉強しようと思って。学校は開いているので。お弁当がパワーの源になっているかもしれないです」
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 寺崎さんにとっても彼の存在は特別だそうです。

 (寺崎康弘さん)「いつもトップバッターですね。応援してあげたいなと思って。おなかすいたら勉強もできないでしょうから。だから寝坊なんかできないですし、困るでしょ、彼が来てしまっていたら」

毎日来店する会社員「魅力はお値段」

 日が昇り始めた午前7時。会社員の男性が来店しました。

 (お客さん)「あした休みやからね、かっちゃん」
 (寺崎さん)「あ、そうなんですか」
 (お客さん)「有給休暇とらなあかん」
 (寺崎さん)「さみしいなあ。どっか行かれるんですか?」
 (お客さん)「行きません。行くわけないやん」
 (寺崎さん)「ほな、うち来てくださいよ」
 (お客さん)「わかりました」
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 毎日、通勤前にお弁当を買うのがルーティン。この日はメンチカツ弁当、ご飯増量で432円(税込み)です。毎日来るほどの魅力とは?
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 「そりゃ、お値段。安い。サラリーマンの年金生活者の強い味方。高くて美味いのは当たり前や。思いません?」
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 お客さんが声をそろえて言うのはお弁当の安さ。チンジャオロース弁当、麻婆豆腐弁当、白身フライの入ったのり弁当は、どれもなんと216円(税込み)!
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 一番人気のジューシーで柔らかい唐揚げが4個入ったとり唐弁当は324円(税込み)。オープンから3年、物価が高騰する中でもお客さんのために値上げは一度もしていません。

 (寺崎康弘さん)「僕もつくっていても頭おかしいなと。(Q値上げは考えない?)値上げはそうですね、ずっとこの先どうかはわからないですけど、もう最後の最後ですね、多分、値上げをするのは」
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 お昼時になるとお客さんの数はピークに。寺崎さんはお弁当の売れ行きを見ながらひたすら弁当作りに励みます。
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 正午、自転車でやってきた男性。近くの放課後等デイサービスの職員で店の常連さんです。よくお弁当をイートインするそうです。お昼休みは1時間。このお店で過ごすひとときが大切だといいます。

 「自転車に乗ってきたんで、持って帰るよりはここで食べたほうが楽。袋持ってロードバイク乗るより安全やしね。施設に子どもがいてるので、ちょっと離れて息抜きという。この値段で息抜き」

東大阪市からの客「ガソリン代払ってもこっち来た方が安いで」

 午後2時、店の入り口で小さな声でヒソヒソと話す2人。初めて来店したようで、あまりの安さに興奮が収まりません。

 「いや、のり弁200円って安すぎる」
 「これとこれで550円でしょ。ほんまにこれとこれ買おうかな。毎日来るわ、俺。ガソリン代払ってもこっち来た方が安いで」
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 男性は東大阪市で会社を経営していて、この日は仕事で京橋に来ていたんだそうです。同じ経営者として思わず本音が出ます。

 (お客さん)「これ値段上げてもいいと思うけどな」
 (寺崎さん)「よく言われます。974円になります」
 (お客さん)「ほら、3つ買ってお釣り来るんやで、えぐ」

お会計めぐり争う先輩と後輩

 美容系の会社に勤める3人が来店しました。代金の支払いをめぐって何やら揉めている様子。払うという先輩と、断ろうとする後輩2人です。

 (先輩)「全部一緒で」
 (後輩)「いや、いやです。だっていつも払ってくれてる」
 (先輩)「あかん」

 (後輩)「いつもこういう争いをしています」
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 お会計をめぐる争い、その結末は…?

 (後輩)「負けました。ごちそうさまです」

 3人で仲良くランチタイムを過ごしてくださいね。

コロナ禍に考えついた“テイクアウトできて安い”弁当店

 昼のピークを過ぎた午後3時。寺崎さんもようやくお昼ごはんです。でもゆっくりすることなく再び仕事に。
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 実は寺崎さんはこの弁当店とは別に飲食店を経営しているのですが、コロナ禍で経営が悪化。こうして働けることに幸せを感じています。

 (寺崎康弘さん)「緊急事態宣言の時に同業の方が、今はじっとしといたほうがいいよ、どうなるかわからへんしっていう中で、困難や大変なことが起きても自分の今までの考え方の角度をちょっと変えることで前に進んでいけるんちゃうかと」

 どんなに苦しい状況でも前を向く。そこで考えついたのがテイクアウトができてお客さんの懐にも優しいリーズナブルなお弁当でした。
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 夕方、幼稚園帰りの親子がやってきました。机のすみからすみまでお目当てのお弁当をよーく見て選びます。

 (母親)「夕飯つくる時間待たれへんって言われたので。(Qお子さんに?)はい」

 確かに成長期です。待てないですよね。

 (子ども)「(Q一番上に持っているのは?)からあげ。(Q一番好きな食べ物は?)ひじき」
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 言っていたように夕食前に仲良くお弁当を食べておなかいっぱいに。お母さんの作ったご飯は食べきれなかったそうです。

トレーニングに励む人も「減量が終わりいっぱい食べている」

 午後9時30分。閉店時間が近づく中、1人の男性がやってきました。この時間にお弁当を買う理由を聞いてみました。

 「ちょうど体をでかくしようと思っていたので。ありがたいです。トレーニングしていまして、10月中旬に大会に出て、今は減量が終わってオフシーズンで、いっぱい食べていっぱいトレーニングしているので」
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 なんとこちらの男性は1か月ほど前に、体の美しさを競うフィジークという競技の大会に参加していました。男性にとってここのお弁当は…。
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 「おやつくらいです。僕はオフシーズンは好きなものを好きなだけ食べてしっかりトレーニング。人より食べられる時間が短い分、食べられる間にいっぱい食べたい。冬眠みたいな感じでやっています」
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 午後11時。三代目かっちゃんの一日が終わります。大勢の人に愛される弁当店。そこには店主の大きな愛がありました。
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 (寺崎康弘さん)「店は生きものだと思っているんです。だから自分がちゃんとしていたら良いお客さんは来てくださると思っているので。今こうやって自分が仕事できるのも当たり前じゃないので、感謝しないといけないなと」

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