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京都で新たな景観論争『五山の送り火』めぐり「田んぼがあり茅葺の家があり山がある景観が変わってしまう」地元住民が住宅建設計画の見直し訴え

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 古都・京都で『五山の送り火』の景観をめぐる新たな議論が持ち上がっています。

 (中島晃弁護士)
 「建物などが突き出て、五山の送り火『鳥居形』の眺望を遮らないように。住民の皆さんにとっても大変深刻な問題だと受け止めていますので、保全措置を取っていただきたい」

 毎年8月16日に行われる京都の『五山の送り火』は言わずと知れた古都の夏の風物詩。最も西に位置する「鳥居形」は嵐山付近からの眺望が親しまれてきました。

 今回問題となっているのは、鳥居形のある曼荼羅山に近いエリアです。京都市右京区の嵯峨鳥居本六反町の更地に、住宅を10戸建設する計画が持ち上がっていて、京都市もすでに開発許可を出しています。これに対して地元住民らは、住宅が建ってしまうと近場からの眺望が変わってしまう、と懸念しているのです。

 (地元住民)
 「田んぼで茅葺の家があって送り火の山があってというのが昔からの風景なので。その景色が変わってしまう。寂しいというのが一番じゃないですかね」

 京都市では眺望景観創生条例を制定して、神社仏閣や五山送り火の景観について「視点場」と呼ばれる地点を設けて、そこからの景観が損なわれないよう規制をかけています。送り火の鳥居形については、桂川の左岸を視点場に設定しています。京都市によりますと、今回の開発許可が出ている地点では、高さ10mほどの建物は建てられる計算になっています。要するに、かなり近い場所からの景色は、それほど想定していないわけです。

 実際に住宅が建ったとすればイメージ画像のような感じになるのでしょうか。

 地元住民らは今回、『開発許可を見直して、予定地のすぐ近くにある橋を新たな視点場に設定して、鳥居形の眺望を守るべきだ』と訴えています。

 (中島晃弁護士)
 「桂川左岸は、ずーっと遠くから見る視点場になっていまして、これは京都市の条例の運用上の不備ではないかと」

 新たに持ち上がった景観論争。今後の展開に注目が集まります。

2023年05月11日(木)現在の情報です

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