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外来生物をカラッと揚げる!?増える『アカミミガメ』の注目される活用方法は「食べる」 国による規制の動き進む"外来カメ"

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 来年にも『特定外来生物』に指定される方向の「アカミミガメ(通称:ミドリガメ)」。殺処分する自治体も多い中、あえて「保管」する選択を取っている自治体もあります。そんな中でアカミミガメの活用法として注目されているのが「食べる」という試みです。

 8月21日に神戸市長田区にオープンした展示施設「外来生物展示センター」。約30種の外来生物の生きた個体や、はく製が並びます。港湾都市であるため長年外来生物の脅威に悩まされてきた神戸市が、全国の自治体で初めて外来生物の展示に特化した施設として整備しました。

 (来場者)
 「かわいいやつもおったけど、他の生物に影響があるやつがおったりして、見分け方とかを知っていたら何かできるかなと思いました」
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 センターにはペットとして馴染みがある動物の姿もありました。「アカミミガメ」です。そのアカミミガメをめぐって今年、動きがありました。生態系や農業・水産業への影響が大きいとして、国は今年5月に法律を改正。アカミミガメを「特定外来生物」に指定する方向性が示されたのです。来年には指定される予定で、輸入・野外への放出・販売・購入が規制される見通しです。
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 既に規制を始めている自治体の現場を取材しました。兵庫県明石市では2014年に施行した条例でアカミミガメを早くも市の指定外来種に。市内のため池で生息する個体を捕獲したり、ペットとして飼えなくなった個体を市民から回収したりしています。殺処分する自治体も多い中、明石市はあえて保管する選択を取っています。カメを保管しているプールに案内してもらいました。

 (明石市環境創造課 植田久博係長) 
 「(Q顔出しているのは全部アカミミガメ?)そうです。(Qだいたい何匹くらいいる?)正確な数は分からないですけど、2000匹くらいはいるのかなと」
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 水面から顔を出す無数のアカミミガメ。エサの食パンを投げると、激しい奪い合いが展開されます。
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 生まれてまもない頃はかわいらしいサイズのアカミミガメ。
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 しかし、成長すると記者の顔と変わらない大きさになります。
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 (明石市環境創造課 植田久博係長)
 「『回収後どうするんですか?』『殺処分します』では、たぶん(市民は)放出を選ばれるのかなということもあります。捕まえた個体の有効活用についてどういうことができるか、まだ決まっていません」
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 アカミミガメに活用法はあるのか。その1つとして注目されているのが“食べる”です。兵庫県稲美町のある夏祭りでは、数年前からアカミミガメを解体・調理して提供しています。卵と小麦を絡めて油に入れてカラッと揚げると確かにおいしそう。お味は…?

 (アカミミガメのから揚げを食べた子どもたち)
 「おいしいです」
 「鶏肉みたい」
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 企画した団体「和亀保護の会」の西堀智子代表は「食べるということを1つのきっかけにして、外来種の危険性や野外に安易に放さない大切さを考えてほしい」と話します。

 (和亀保護の会 西堀智子代表)
 「外来種も同じ命なので、やはり何か有効利用できないかということでこのような試みをするようになりました。こうやって外来種のことを勉強しながらおいしくいただくというのは大事なことだと思います」

2022年08月24日(水)現在の情報です

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