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オミ株亜種『BA.2』には重症化予防の抗体薬「ソトロビマブ」が効かない可能性?現場医師は"治療の選択肢が狭まる"と危機感

2022年04月06日(水)放送

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 感染力が強いとされる新型コロナウイルスのオミクロン株の亜種『BA.2』への置き換わりが進む中、特に若者の感染者が増えています。患者と向き合う医師は“従来の治療薬が効かない可能性がある”と警鐘を鳴らしています。

置き換わり進むオミクロン株の亜種『BA.2』

 (大阪府 吉村洋文知事 4月6日)
 「BA.2への置き換わりが進んでいる中で、下げ止まりの状況になり、少し増加の兆候も見られる」

 1週間あたりの感染者数が増加傾向に転じた大阪府。その要因の一つとみられるのが従来より感染力が強いとされるオミクロン株の亜種BA.2への置き換わりです。大阪府が実施したスクリーニング検査では49.7%がこのウイルスの疑いがあったということです。

医師に聞く現場の今

 現場を知る医師は今の状況をどう見ているのでしょうか。4月5日、コロナ患者の治療を続けてきた大阪市生野区にある葛西医院の小林正宜院長(39)に話を聞きました。

 (葛西医院 小林正宜院長)
 「(Q第6波は落ち着いてきている?)施設クラスターの数も落ち着いて、波が少し収まってきたなと。比較的若い方に感染のメインがシフトしているのではないかなと思います」

 若い世代から高齢者へと感染が広がった第6波。高齢者施設でのクラスターなどにより、大阪府の死者数は全国ワーストとなりました。

 (葛西医院 小林正宜院長)
 「新型コロナがきっかけとなって元々の基礎疾患が悪くなる方々が多いんですけれど、できるだけクラスターを抑えて、初期段階の感染対策で感染者数を抑えていく。この対策が第7波では大きな課題になっていくと思っています。(Q第7波は来る?)ある病院では3分の2の患者がもうBA.2になっていると。第7波がそろそろ来るだろうというような見方をして動いています」

亜種『BA.2』には効かない薬がある?

 有志の訪問診療チーム「KISA2隊大阪」の代表でもある小林医師は、BA.2がこうした訪問診療の現場にも影響を及ぼすと話します。
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 今年4月1日、新型コロナに感染した40代の女性を往診した「KISA2隊」の小林医師。女性はコロナに感染してから、のどが焼けるように痛く、2日間は水を飲むことも食べることもできませんでした。小林医師らは女性に症状に対する処方と水分補給のための点滴を行い、翌日には症状が改善したということです。

 そんな中、重症化を予防するための抗体薬「ソトロビマブ」について、小林医師は「オミクロン株の亜種BA.2には効かなくなっている」と話します。

 (葛西医院 小林正宜院長)
 「(ソトロビマブは)効かなくなってしまっているという現状がありますので。その薬はもう投与できない。治療の選択肢が狭まってしまう、ここが難しいところではないかなと思います」

 実際、感染者の半数以上がBA.2に置き換わったアメリカでは、4月5日にFDA(食品医薬品局)がBA.2には「ソトロビマブ」の効果が期待できないとして、全ての州で緊急使用許可を停止しています。その代わりに使用される治療薬が「レムデシビル」。しかし、3日連続で点滴を行う必要があり、現場の負担は増えます。

 薬が出来ても一筋縄ではいかないコロナとの戦い。小林医師は、第7波に向け、第6波とは違う戦略が必要になると訴えます。

 (葛西医院 小林正宜院長)
 「(Q第7波はBA.2との闘い?)今のところそういった予想をしています。クラスターの施設を守っていく。守るべき対象を高齢者にシフトして、高齢者の方々の感染対策をしっかりやっていかないといけない」

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