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「今も家の近くに撃ち込まれた」「昼夜問わず鳴り響く銃声」首都キエフで暮らす日本人に聞く ウクライナの街や人々の様子は?現地に残って動画配信も

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ロシアによるウクライナへの侵攻は今も緊迫した状況が続いています。ウクライナ国内の様子はどうなっているのか。今回、首都キエフに残る日本人に現地の様子について話を聞くことができました。

キエフ中心部で暮らす自営業の高垣典哉さん(56)。今も中心部に残りYouTubeで情報を発信し続けています。

(ウクライナ・キエフ在住 高垣典哉さん 2月27日)
「家の近くにロケットが撃ち込まれたみたい。きのうの朝に撃ち込まれたみたいです」
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銃声は高垣さんの暮らすマンションの近くでもありました。

【高垣さんリポート】
「流れ弾飛んでこないかちょっと不安ですね。(人が)走って逃げてはるね」

こうした音が聞こえるのは日中だけではありません。
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【高垣さんリポート】
「アパートの最上階に来ているんですけど…(音が)またしましたね。これは北の方ですね。煙のにおい、火事の時のにおいがします」
「午前2時55分、音がアパートの向こう側まですぐ近くまできました」
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(高垣典哉さん)
「(Q何日くらいで大きく変わった?)ここ3日ですね。それまでは普通に生活していました。ところが爆弾2発打ち込まれてからみんな逃げ出して、キエフの人はもう半分以上逃げ出しているんじゃないですかね」

高垣さんの映像を見ると、街には市外へと向かうのか大きな荷物を抱えた人たちが行き交っていました。

【高垣さんリポート】
「キエフ中央駅に入っていきます。レストランは閉まっている」
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キエフ中心部にある駅では、電車は動いているもののチケットは手に入りにくくなってきているといいます。駅の構内にもたくさんの荷物を抱えた人たちの姿があります。

(高垣さん)「出身は?」
  (男性)「バングラデシュ」
(高垣さん)「どこに行く?」
  (男性)「リビウに行く」
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ウクライナ西部の街「リビウ」に向かう電車のホームには、多くの人が詰めかけていました。
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こうした中、リビウに向かうタクシーの料金にも変化が出ているようです。

  (男性)「タクシー運転手は『リビウまで800ドル』と言っている」
(高垣さん)「800ドル!?めちゃめちゃ高い。300ドルぐらいですよ、普通だったら」

キエフに残るという選択をした高垣さんですが、食料などを確保するのも厳しい状況となってきています。

(高垣さん)
「店が全部閉まっていて、5つだけカップ麺を買ったんですけど、よかった5つでも買っておいて」

多くのスーパーやレストランは軒並み閉まってしまいました。
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空いていた店も、パンの棚はすっからかんです。

(高垣典哉さん)
「この状態が続いたらちょっと大変なんですけど(食料がなくなったら)そのときはその時で考えます。今も横でゴーと音が鳴りました。どこかに爆弾が撃ち込まれたんでしょうね」

さらに、高垣さんに2月28日、リモートで現地の様子を聞きました。

―――今はキエフ中心部のマンションにいらっしゃるということですが、今朝の街の様子はいかがでしたか?
「きょうの午前8時に外出禁止令が解かれたので、街の様子を見に行ってきたんですよ、車で。工作員とソルジャーの戦いであちこちで銃撃戦があった跡があって、大破している車がかなりありました」

―――街の中を今出歩くことは危険ではないですか?どんな空気でしたか?
「食料の買い出しで、各スーパーの前はかなりの列ができていました」
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―――日本政府から国外退避が強く呼びかけられていますが、現在もキエフにいらっしゃる大きな理由は何ですか?
「私の妻も息子もウクライナ人ですので、残して僕は帰れないです。それと、僕はここに住んで長いですので、もしかのときはウクライナのために戦おうと思っています」

―――ゼレンスキー大統領は、18~60歳の男性は出国禁止とし、民間人に対して、武器を提供するので戦える人はその武器を取って戦ってほしいというメッセージを発信したと聞きましたが、これに対してウクライナの皆さんの受け止めというのはどうなんでしょうか?
「37歳の顧問弁護士と今一緒にここのマンションに住んでいますが、彼は来てくれたんですよ。僕が1人だということで。彼に意見を聞いたら、彼は『戦いたい』と言っています。僕も彼に賛同して彼と一緒に戦おうと思っています。火炎瓶を投げたりそういうことは僕はちょっと否定的なんですけど、僕はパイロットの免許持っていますので、そういうことで協力できたら。ヘリコプターの操縦できます。それで協力したいと思っています」

―――実際にその戦闘に参加する民間人の方もいらっしゃるということですね?
「みんな残っている人間は戦おうと考えています」

―――戦いたくないと思ったときに避難できる場所やシェルターなどの施設の存在というのはあるのでしょうか?
「僕の場合は、このマンションに爆弾を撃ち込まれた場合は、地下に避難しようと考えています。地下の駐車場」
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―――ゼレンスキー大統領は就任の時に大変高い支持率がありましたが、そこから支持率が下がってきた。しかし、高垣さんのお話をきいていると、今急激に上がっているというのは、やはりゼレンスキー大統領が今この状況でもキエフに残り続け、SNSなどで国民や世界に向けた発信をしているという部分が大きいんですか?
「そうです。普通の大統領だったらもう逃げてるというふうにみんなが言ってますよ。でも彼は残って戦っているということで、支持率もかなり上がっています。90%ぐらいいっている可能性はあります」
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―――スーパーに行かれたけれどもなかなか食べるものが調達できないというような状況もあるようです。ここから数日間、どのように生活していきますか?飲み物や食べ物は足りているのでしょうか?
「今日、スーパーは開くと思うんですよ、今、行列になっていましたが。それで食料を1週間分ぐらい大量に買い込んで、家でちょっとずつ食べていくことを考えています」

※ウクライナの映像は高垣さんが運営するYouTubeチャンネル「ウクライナ情報局 Ukraine Infomation」より

2022年02月28日(月)現在の情報です

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