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花火大会後に業者が「大量の土のう」を投棄...ビーチの岩場になんと90袋超 『ゴミはゴミを呼ぶんや!』と市民は怒り 直撃取材に業者は『本当、軽い気持ちで...』

特盛!憤マン

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 今年8月に大阪府泉南市で開催された花火大会「泉州夢花火」。きれいな花火が夜空を彩り、多くの人を魅了しました。しかしその翌日、花火大会側の“目を疑う行動”に市民らは愕然。なんと、花火大会で使われた『大量の土のう』をビーチの岩場に捨てていったのです。

『普通持って帰るやろ!』岩場に捨てられた“大量の土のう”

 夜空に打ちあがる大輪の華。今年8月26日に開催された「泉州夢花火」。この花火大会のウリは「ドローン」を使っての演出です。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となりましたが、泉南市のビーチを舞台に1万人以上が訪れ、花火やドローンショーを楽しみました。
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 しかし、このビーチを舞台にした花火大会をめぐって怒っている人がいます。怒りの声をあげるのは、近くに住む田中正視さん(73)です。

 (田中正視さん)「この海岸でゴミ拾いをもう30年近くやっているけど、こんなゴミの投棄の仕方は初めて見たわ。普通持って帰るやろ、持ってきたものは。こんなところ(岩場)に突っ込まれたらたまりませんわ。とにかくダメ。やったらあかん、こんなもん」
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 打ち上げ花火が行われたビーチの岩場。その岩場に大量の袋が捨てられているのです。10m以上にわたって岩の間のいたるところに捨てられています。

 (田中正視さん)「重たいよ、ごっつい重たい。砂っていうより土やな。これ用に詰めてきたんちゃう。ここで調達したとは思えないけど」
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 捨てられていたのは、土が詰められた袋「土のう」でした。中には、時間が経ち変色しているものや、海に浸かっているものも…
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 (田中正視さん)「これなんかひどいわ。後からくるゴミがまた絡んでくんねん。ゴミはゴミを呼ぶんや。そうやってどんどん悪くなっていくんや」

ウミガメがこのビーチに産卵へ 田中さん「大事な場所、大事な海」

 ビーチがゴミで汚されることに田中さんが怒るのは“あるワケ”があります。

 (田中正視さん)「ここの海はね、アカウミガメのお母さんが卵を抱いて上陸した場所なんです。産卵して赤ちゃんがいっぱいかえって。大事な場所、大事な海」
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 実は、このビーチは1995年からウミガメが何度も産卵にきている場所。自然豊かで地元の人たちにとっても大切な場所なんです。

 実は田中さんも日本ウミガメ協議会の会員として見守ってきました。

市民らの目の前で“花火業者が土のうを捨てる”様子が…

 そんなビーチに一体、誰がこんなものを捨てたのか。

 取材班が入手した花火大会翌日の映像をみると、岩場の上には、花火の筒や足場の板を固定するために使った大量の土のうが確認できます。片付けるのは花火業者です。すると、次の瞬間…

 (撮影者)「あれホンマに捨ててんの?」

 さらに、花火業者が次から次へと土のうを岩場の隙間に落とす様子が確認できました。市民が見ている前で堂々と土のうを捨てていたのです。
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 岩場から去る際には土のうを全て投げ捨て、1つも残っていませんでした。

 この状況に地元の人たちは…

 (地元の人)「当然、持って帰らないとね。そんなんちょっと腹立ちますね。最後まできちんとやってくれていたら僕らも安心して楽しめるんですけどね」
 (地元の人)「そういうことで花火大会がなくなったりする。なくなったりしたらすごく大きなことなので」
 (地元の人)「みんなでいい気持ちで花火を見たいのに、そういうことになっちゃったら次からちょっともうやめてとなっちゃいますよね」

花火業者『運ぶのがめんどくさいじゃないがそういった気持ちで…』

 花火大会から2か月近く経っても放置された土のう。取材班が取材を続けると、現場に動きがありました。土のうが捨てられた岩場に、花火の主催者と花火業者が現れたのです。取材班が花火業者を直撃すると…
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 (記者)「なんでこんなことに?」
 (業者)「なってしまったのは…本当に安易なところで、片づけているものを、もともと一部土のうもあったので、それと同じように置いていったというのがあると思います」
 (記者)「一部、土のうはあったんですか?」
 (業者)「あったというふうにうかがっています」
 (記者)「あったからそこに捨ててもいいという考えですか?」
 (業者)「それもよくないんですけれども、そういう浅はかな考えで、もともとは。いまはこういう結果をまねいてしまったということだと思います」

 花火業者は安易な気持ちで土のうを捨てたことを認めました。
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 (業者)「運び出す時に安易に、足場が悪くて重たくて暗いというので、本当に軽率な考えで置いていったということだと思います」
 (記者)「日中ですよ、捨てているのは。夜ではありませんよね?」
 (業者)「あっはい」
 (記者)「午前中ですよね?足場は見えていますよね?」
 (業者)「あのーちょっと運ぶのを…」
 (記者)「市民が見ている前ですよ?撮られている中で捨てたんですよ?」
 (業者)「本当、軽い気持ちで…運ぶのがめんどくさいじゃないですけど、そういった気持ちで起こした行為だと思います」

花火業者が片付け作業 90袋を超える土のうが回収される

 そして、この取材の翌日…

 (記者リポート)「午前10時すぎです。ゴミを放置した業者が岩と岩の隙間に挟まったゴミを片づけに来ました」

 花火業者は岩と岩の隙間に捨てたゴミの片付け作業を行いました。一つ一つ、岩の隙間から土のうを取り出していきますが、かなりの数が出てきます。憤マン主の田中さんもその様子を見守ります。
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 回収された土のうの数は全部で90袋を超えました。これだけ大量の土のうが岩の間に捨てられていたことになります。
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 片付けに立ち会ったこの場所を管理する大阪港湾局の担当者は次のように話しました。

 (大阪港湾局 泉州港湾・海岸部 木ノ元善繁管理担当係長)「最終、撤去する時にこういうことが起きたということは、大阪港湾局としても大変遺憾には思っております。こちらとしても心苦しいところもございますので、みなさんルールを守って最後までやっていただきたいなと思っております」
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 花火大会から約2か月、ようやく岩場に捨てられた土のうがなくなりました。

 (花火業者)「見ていただければわかる通り、これだけの数が隠れていたので、非常に悪質であったなと。こういった事態一つで楽しかった花火大会の記憶も台無しにするようなことだと思います。そのことに関しては非常に気分を害するようなことをしてしまって大変申し訳ないと思っております。おわびさせていただきたい」
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 ようやくきれいになったビーチに田中さんは…

 (田中正視さん)「ほったらかしでもええわというわけではない。きちっと見守っていきたいと思います。きょうのこともどこかでウミガメくんも喜んでいるかもしれません。来てほしいですね」

 多くの人を魅了する花火。大会を続けていくためにも自然や環境を大切にするあるべき姿勢が求められています。

2023年10月24日(火)現在の情報です

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