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木々を伐採する『メガソーラー建設』周りは「急傾斜地崩落危険箇所」で住民らが土砂災害を懸念...業者側『法律上問題ない』と説明の繰り返し

2021年12月13日(月)放送

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温室効果ガスの排出ゼロを目指してメガソーラーの建設が各地で相次いでいますが、建設をめぐって地元住民たちとトラブルが起きています。クリーンエネルギーのために山の木々が伐採され、住民たちは『山の保水力が失われて土砂災害を誘発するのでは』と不安を募らせています。

約5500枚のソーラーパネル設置計画 住民側は土砂災害のおそれで「反対」

取材班が話を聞いたのは、滋賀県大津市に住む今井俊夫さん(78)です。今年6月、自宅近くでソーラーパネルの建設工事が始まったといいます。
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(今井俊夫さん)
「ここが大規模太陽光発電の建設現場です。3ヘクタールの土地を削って太陽光パネル5500枚を並べる。最初は、太陽光だから自然エネルギーということで反対していなかったですが、山を削るということは山崩れとか土砂崩れが起こる危険性が非常に高いので、我々はこの場所での建設はやめてほしいと」
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住民らが工事の中止を求めて約1200人の署名を集め大津市に提出するなどしましたが、工事は進められ、地面がむき出しの状態になっています。
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メガソーラー建設が進められているのは、琵琶湖の南側にある山あいです。約3ヘクタールの斜面に5500枚ほどのソーラーパネルが設置される計画になっています。斜面のまわりには小さな集落が点在しています。

(今井俊夫さん)
「ここの山を削ってやれば大きな災害が起こってくるのではないか。数年前に台風ですでにこの近くで土砂崩れが発生していて、崩れた状況を我々は体験しているわけです」
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8年前の2013年、京都・嵐山などで大規模な浸水被害を引き起こした「台風18号」。大津市でも400mm近い雨が降り、メガソーラーの建設現場近くの斜面では土砂崩れが起きていました。

計画地の周辺は「急傾斜地崩落危険箇所」「土砂災害警戒区域」

今年11月、取材班がその現場へ向かってみました。そこはメガソーラーの建設現場から100mほど離れたところでした。近くの住民によりますと、当時、自宅の裏山で土砂崩れが起き、家の中まで土砂が入ってきたといいます。

(近くの住民)
「寝てて全然知らなかったんですよ。起きたら泥がたまっていて、後になったら冷や汗ですけどね」
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森林を伐採するメガソーラー建設は、保水力が失われて土砂災害を誘発するのではと不安がよぎります。

(近くの住民)
「市は工事を認めるならちゃんとした情報を出して、『あなたたちここに住んでいても大丈夫です。私たちが責任を持ちます』というメッセージを市が住民に対して出してほしいんです。でもそれに対してノーコメントで」
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土砂災害などのリスクを表示するハザードマップでメガソーラーの建設現場付近を見てみると、予定地の周辺は「急傾斜地崩落危険箇所」「土砂災害警戒区域」などと災害の危険性が高いエリアに指定されています。
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MBSは今年、メガソーラーの建設をめぐって地域住民とトラブルになっている実態をたびたび取材してきました。奈良県平群町内の建設予定地も土石流の警戒区域でした。土砂災害の警戒区域が近くにあっても基準を満たせばソーラーパネルの建設は進められているのです。

説明会で住民側『納得のいく説明』求めるも…業者側「法律上問題はない」

大津市のメガソーラー建設をめぐっては、5年前にすでにパネルを設置した場所があります。

(今井俊夫さん)
「設置されたときにいくつかの問題が発生したんです。気温の上昇、電磁波が出る。そして雑草がいっぱい生い茂っています」
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ソーラーパネルのすぐそばには民家が建っていて、災害の警戒エリアではありませんが、今回の建設予定地とは約200m離れた場所にあります。住民らは、雑草の草刈りなど事業者側と交わした約束が守られていないと主張しています。
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こうした中、同じ事業者が今年1月に今回の計画について開いた住民説明会は紛糾しました。

【住民説明会でのやりとり】
(事業者)「法律に則った中でさせていただきます。それでだめな場合はやめます。国がやめなさいと言ったらやめます」
 (住民)「法律通りだったら何してもいいんですか?」
(事業者)「それが法律なんじゃないんですか」
 (住民)「何してもいいんですか?」
(事業者)「やってはいけないことはやっていません。計画を変えるというのは今からちょっとできないんですよ。つぶれますんで」

住民らによりますと、何を聞いても「法律上は問題ない」と説明されたといいます。

市は3年前「計画は望ましくない」と判断 一転して建設許可を出した理由は…

3年前に大津市が滋賀県に対して提出した書面を見ると、当時、市は今回の計画について「土砂災害の危険性が高い地域である」「地元に対して合意形成を図ることは必須である」と、こうした理由で計画は望ましくないと判断していました。しかし、一転して今年6月になって建設許可を出しています。なぜ判断を変えたのか市の担当者に話を聞きました。
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(大津市都市計画部開発調整課 川添信昭課長)
「防災上の措置や自然環境の保全、太陽光発電施設の安全性、すべての基準を満たした限りは許可せざるを得ないという判断に至りました。(Q暮らしへの不安はすべて解消された?)今までの住環境に大きな影響を与えるのではないかという心配は十分理解しております。やはり国の方で法律として規制なりを考えていただかないと、現状、完全に住民のみなさまの心配を払拭するまでには至らないのかなと感じております」

防災施設の設置など法的な基準を満たせば許可を出さざるを得ないと話しました。市は地形の安全性などを確認するために、業者側に再度ボーリング調査の実施を要求し、調査結果を待っている状況だといいます。
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多くの住民が反対する中、合意形成を図ったといえるのか。事業者側に取材を申し込みましたが、「一切取材に応じることはできない」と回答しています。

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