７月１２日放送の『プレバト！！』俳句コーナーに梅沢富美男が登場。特待生昇格試験で、前人未到の１０段を目指したが、渾身の一句は惜しくも“現状維持”。俳人・夏井いつき先生は「ほぼ１０段」という珍評価でホメあげたが、納得のいかない梅沢とまたも大バトルとなった。

「映像化とはこういうことだ！」フルポン村上が"名人の技"で歓喜の昇格
今回は「夏の食堂」をお題に、特待生昇格試験には名人４段のフルポン村上、前回名人９段に返り咲いた梅沢が登場。昇格できれば、梅沢ら"トップ３"の背中が見えてくる村上は「映像化というのは、こういうことだ！」と自信作を披露。「給茶機の上で、古い扇風機が軋めいている。それだけで、なんか居心地がいい」と写真の情景をそのまま切り取ったことを告白。いつもは風当たりが強い梅沢からも「こいつは日常のことをお題にして俳句を作る名人」とほめられ、上機嫌で査定を待つ。

＜１ランク昇格　名人４段→５段＞
給茶機の 上の軋めく 扇風機
　　　　　村上健志（フルーツポンチ）

そして見事に１ランク昇格が告げられ、俳人・夏井いつき先生は「写真から発想を飛ばすだけが全てではない」と切り出し、「しっかりと視線を誘導している。この句を詠んだ人の脳には同じ映像が再生される。名人の技です」と大絶賛。これには村上も喜びを爆発させ、「ちょっとは直してもよかったのに」と軽口を叩く余裕まで見せた。

梅沢富美男が故郷・福島に思いを馳せた一句は無念の"ほぼ１０段"査定
続いて、前人未到の１０段昇格を狙う梅沢は「本当の自分の心を詠ませていただきました」といつになく真剣なまなざし。芝居を見に来た自身と同じ福島出身のお客さんと出会ったことで、「この方も故郷には帰れないんだなと思ったら、句がポンと出てきた」と原発事故に苦しむ福島の現在に思いを馳せた一句を披露。

＜現状維持＞
原子炉と 共に溽暑に 眠る町
　　　　　　　　　　梅沢富美男

手ごたえがあっただけに、現状維持の査定に意気消沈する梅沢。しかし、意外にも夏井先生は「めちゃくちゃ褒めたい！ 本当にいいよ」と大絶賛し、「もう、今日のおっちゃんほぼ１０段！」と持ち上げる。さらに「"溽暑"という季語もいい。単純な憤りだけでなく、蒸し蒸しと湿気を持った暑さのような静かな怒りがある」とホメまくる。とはいえ、結果はあくまでも９段現状維持。もちろん梅沢は納得がいかず、「じゃあ１０段にしろよ！」と吠えまくる大荒れの展開に。

＜添削後＞
原子炉と 溽暑に眠る 町の黙（もだ）

猛抗議する梅沢に対し、夏井先生は評価のポイントが"と共に"だったことを明かし、「素晴らしい句だからこそ、なおさら要らない」とわずかに昇格に及ばなかった理由が"言葉のかぶり"だったとズバリ説明。食い下がり続けていた梅沢も、やがて夏井先生の的確な解説に真剣に聞き入り、さいごはＭＣの浜田雅功から「意外と素直やで」と言われ苦笑いした。

紺野美沙子が"すっぴんデート"の思い出で大健闘
一方、ランキング戦には、Kis-My-Ft2北山宏光、紺野美沙子、登坂淳一、土屋太鳳、神田愛花が登場。なんと今回は"才能アリ"が初登場の土屋１人という波乱の展開となる中、３年ぶりに登場した紺野が、結婚前の夫との思い出を詠んだほほえましい一句で、"凡人"ながら２位と大健闘する。

＜凡人２位＞
すっぴんの 食堂デート 冷奴
　　　　　　　　　紺野美沙子

紺野は「前回、最下位だったみたいですけど、ちょっとよく覚えていない...」ととぼけながらも、「夫と結婚前によく駅前の食堂でデートをしていて、イタリアンやフレンチとか気取った感じではなく、すっぴんで普段着だったんです。その気楽さがすごくよかった」と句に込めた甘酸っぱいエピソードを披露。そして２位という高評価に自身もびっくりしたようで、手を叩きながら大はしゃぎ。夏井先生は「言葉をポンポンと重ねるリズムが面白い。素材も愉快ですね」とうれしそうな笑みを浮かべ、「このままでも楽しいんですけど、いきなり"すっぴん"ではなく、駅前食堂から描くと、もっと句が生きてきますよ」と添削。

＜添削後＞
駅前食堂 すっぴんデート 冷奴

ポイントはズームインする語順で、「広い場所から小さいものに絞り込んでいくことで句がより鮮やかになる。これもテクニックの一つ」と解説。「作者が分かって、びっくりですよ！」と紺野の健闘をたたえていた。

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