大阪の天神橋周辺は、グルメ通が足繁く通う店や「安くて旨い」飲食店が多くある。「ひしめき合っている」という言葉がピッタリだ。そこで、12月18日(水)に放送された情報番組「ミント!」(MBS)の名物コーナー「わざわざグルメ調査隊」では、「こんな所に?」「なぜ、わざわざこの場所で?」と疑問だらけの2軒の店を取り上げた。リポーターは、シャンプーハット・てつじと辻沙穂里アナウンサー。気になる店の“わざわざ理由”に迫る。
超人気天ぷら店の隣に...
今回、最初に訪れた店は、大阪メトロ「天神橋筋六丁目駅」から徒歩3分のところにある天ぷら専門店「天星」だが、この店は名店「天ぷら 沼田」の隣にあった。「大阪で『旨い天ぷらが食べたい』と思ったら『沼田』へ行け」と言われるほどの"超"がつく人気店だ。そんな"超すごい店"の横に、「なぜ、わざわざそんな場所に店をオープンさせたのか?」と疑問しか無い。リポーターのてつじも「プライベートで行ったことがあるんですが...。その理由は聞けませんでした」と言っていた。
最高のBGM
「天星」の店主は坂田勇太さん。28歳と若い店主だ。坂田さんは高校卒業後に料理の世界に入り、「天ぷら職人」としては7年目という。目の前で揚げる天ぷらは、こだわり抜いた新鮮素材。ランチコースのシメには自慢の「鯛茶漬け」がつく。早速、てつじらはその「天星」ランチコース(3,300円税込み)をオーダーした。
坂田さんが天ぷらを揚げ始めると「音声さん!この音とってくださいね!」と指示するてつじ。続けて「最高のBGMですね!」と。坂田さんも「音はかなり重要です」とコメントしたため、てつじのはしゃぎように「シっー!静かに!」と画面に向かって言ってしまった。天ぷらの揚げる音だけで「美味しそう~」となった。
醍醐味が出ている!
まずは、「白魚の大葉巻き」から試食したてつじ。この天ぷらは、柔らかい白魚を薄い大葉で巻いて揚げる。天ぷら職人の腕が光る組み合わせだ。「うわ!天ぷらの料理工程が全部出ている!醍醐味が出ている一品ですね。大葉に熱を与えることで大葉の香りが引き立ちますね!」と絶賛。
「鯛茶漬け」まで堪能した二人だが、この時、厨房からチラチラ覗いている男性がいた。その人とは...隣の「天ぷら沼田」のオーナー・沼田和也さん(34歳)だった。「後ろの厨房が繋がってまして...」と坂田さんはいう。「天星」は「沼田」の姉妹店...なのか?
実践経験を積むために...
このコーナーはてつじが"わざわざの理由"を見立てるのがお約束となっている。今回は「隣の名店『沼田』と厨房をシェアしてる!」とした。答えは...「間違いです」。
「実は、先ほどのぞいていた人の弟子にあたるんですが、僕ら弟子に経験を積ませるために『沼田』の大将が、こちらの店をオープンしました」と坂田さん。「沼田」で修業を経て、実践経験を積むため弟子は「天星」へ。しかし、なぜ、「このような業態なのか?」、「なぜ、隣に店をオープンさせたのか?」その理由について師匠の沼田さんに詳細を聞くと...
「お寿司屋さんに比べて天ぷらのお店は少ないので、職人がなかなか育たない環境が多い。天ぷらの技っていうのは揚げて、それを繰り返して実践しないと上手くならない。それで、この店をオープンしました」と沼田さん。あえて店名を「沼田」と名乗らない理由として沼田さんは、「『沼田』の名前が邪魔することもあるかと。責任感持って自分でやっていくことを身につける。習慣にしないとできない」と話した。「天星」は、優れた「天ぷら職人」を育てるための店だった。
この間に店?
天神橋筋商店街は「日本一長い商店街」で知られる。旨くて安い飲食店や、驚きの価格で衣料を販売している店に、大阪らしい"おもしろグッズ"などを扱っている雑貨店などが立ち並ぶ。街ブラが楽し過ぎる商店街だ。
そして、次の店はその商店街の「天三」(天神橋3丁目)というところにある。辻アナから「入り口は細長いんですよ。路地を入る感じです。見つけにくいです」と説明されても、店の入り口を見つけられなかったてつじ。その「見つけにくい入り口」の店は、「オレンジフィールズ・ティーガーデン」といって、入り口は洋服店と青果店の「間」...というよりも「隙間」だった。「どういう作りになってんの!?」とてつじ。この商店街を何度も行き来したことがある人でも「こんな場所に!?」と驚いていた。
おかわり自由!
この店は、スリランカ紅茶が楽しめる。539円(税込み)で、おかわり自由。さらに、贅沢にたまご3個分を使用したふわふわの「本気のたまごサンド(924円 税込み)」や、「メープルよつ葉バター極厚フレンチトースト(1,078円 税込み)」は、この紅茶にとても合うので、女性に大人気のメニュー。
ここで、てつじらも自慢のこのメニューを試食。ふわふわのたまごサンドを味わったてつじは、「卵にもクリーム入れてます?」と、オーナーシェフの野上剛さん(41歳)に聞くと、「入れてません。大分県産の『ルビーの瞳』という特別な卵を使っています」と。この卵には、クリームが入っているような濃厚さがあるようだ。
続いて、フレンチトーストを試食した辻アナ。「スフレみたいですね!溶けるような...パンじゃないみたい!」と満足していた。
スリランカへつながる道
「こんな旨い名物があるなら、もっと表に店を出したらいいのに!」とコメントしたてつじの"見立て"は、「恋愛を育てるために細長い通路を作った!」だった。商店街から店の中に入るまで、洞窟のような11メートルもある長い通路を抜けないと店内が見えない。そのため、てつじはこのように"見立てた"が、正解は「スリランカに通ずる『どこでもドア』みたいな、トンネルみたいなイメージで作りました」と野上さん。
見つけにくい入り口にした理由は、野上さんの「スリランカ紅茶」への熱い想いがあった。「スリランカの紅茶をメインにしているので、商店街のガヤガヤしている喧騒から、長いエントランスを抜けるとパッと広がってスリランカの雰囲気を味わってもらうイメージです」と説明。
スリランカのイメージがあまりわからないが、店の雰囲気は「癒やし空間」を演出している。「最近、ちょっと疲れた...」とお疲れの方、「スリランカへのつながる細長い道」を抜けてホッとひと息ついてみてはどうだろうか。
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「わざわざグルメ調査隊」は、情報番組「ミント!」(毎週月~金 午後3時49分放送)で毎週水曜日に放送している企画。「なぜ、わざわざこの場所で?」「なぜ、輝かしい経歴を捨てて店をオープンしたの?」などの"わざわざ"の理由を、シャンプーハットのてつじがその場所を訪れ調査する。