路地裏や僻地などで見かける飲食店に「なぜ、こんな場所で?」と不思議に思ったことはないだろうか。そんな飲食店のワケを探る「わざわざグルメ調査隊」は、夕方の情報番組「ミント!」の水曜日の人気コーナーでリポーターは“関西のグルメ王”として名高い、シャンプーハットてつじが務める。アシスタントは、辻沙穂里アナウンサー。9月11日(水)放送分の舞台は、「本業は木材店なのに“わざわざ”立ち飲み屋さんも営業する人」を調査したのだが、放送中から「これは、ぜひ行ってみたい!」となる店が登場した。どんな店なのか。
「木材店」「立ち飲み店」
お店がある京都・上京区は、「京都御所」や全国1万2,000社の天満宮、天神社の総本社「北野天満宮」がある場所。多くの観光客が訪れる人気のエリアだ。
この企画は、まずてつじが「わざわざの理由」を先に予想するのが決まりごとなので、早速、こう見立てした。
「僕、プライベートでお店の方と一緒に木材店に行ったことがあります。それはなぜかというと、カウンターを探しに行きました。カウンターとは、お店の顔です。何年か経たんとそのカウンターの良さ・木の味は分からない。その木材店は『何年もの』など(品揃え)があって、そのカウンターを使って実際に立ち飲み屋の営業をしている!」。
店先で立ち飲み店を営業
木材店を探すべく、「京都御所」周辺から聞き込み調査を開始したてつじを辻アナ。すぐに「夕方になったら店先で飲めるんだけど」という情報を入手。さらに、「お客さんは多いです。車で通って『よういつもお客さん入ってはるな~』って思って」という声も。
酒場 井倉木材
てつじと辻アナはすぐに「木材店」を発見。たくさんの木材が並び完全に「木材店」だ。てつじも「めっちゃ木材店ですけど!店(立ち飲み屋)どこ?」と言いながら奥へ入っていくと、材木と一緒に手書きのメニューがあった。立ち飲み店の店主・井倉康博さん(43歳)の本業は、100年以上続く木材店の四代目。工務店などから発注を受け木材を現場に運ぶ仕事。そして、夜は「木材店」の店先で営業している立ち飲み店「酒場 井倉木材」を切り盛りしている。
絶品料理
この店のメニューは、90円の「ポテトサラダ」から、「鱧焼霜作り(950円)」、「うなぎ蒲焼き(2,000円)」など充実している。てつじらも料理を味わうことに。
女性店員がてつじらにオススメしたのは、「鰹の塩タタキ(950円)」と、「とようけ屋さんのおあげ(350円)」。「とようけ屋」とは、創業明治30年の「京豆腐 とようけ屋 山本」のことで、その店の"あげ"を提供している。この"あげ"は、表面はカリッと中はふっくらジューシーに仕上げた逸品だ。
立ち飲み店の魅力
そして、てつじが見立てた「わざわざ」の理由を店主の井倉さんにぶつけると、答えは全然違った。
「僕は11年ほどサラリーマンをしていまして、立ち飲み屋をやりたくて脱サラをしたんですよ。で、知り合いの飲食店の所でノウハウとかを勉強させてもらっている時にウチの父が突然亡くなりまして...」と井倉さん。
それから、木材店を継ぐことになったと明かしたが、「でも、木材店を継いだのになぜ立ち飲み店屋さんをしているのですか?」とてつじ。
この答えは「務めていた会社が大阪だったのですが、そこで初めて立ち飲み屋に行ったんです。で、その時『京都ってあることはあるけど、立ち飲み屋文化ってないな』と思いまして...」と話し出し、「イスが無いことでいわゆる"パーソナルスペース"がないのでお店と僕と客さまとの一体感が生まれる」などと、「立ち飲み屋」の魅力について熱く語った。
木材店への想い
取材日、立ち飲み屋は大繁盛していた。そこで「木材店をやらなくてもいいのでは?」と一つの疑問がわいてくる。「もう、立ち飲み屋をやる夢をかなえたから木材店をやらなくてもいいのでは?」と、てつじのこの質問には、井倉さんは淡々とこう答えた。
「父がいざ亡くなって、自分で大工さんの注文受けて配達するじゃないですか。ホンマ、めちゃめちゃ(木材)重かった...。『なんで、こんなん持ってマンションの三階まで上がらなあかんねん』と思ったんですけど、そういう思いをして育ててもらったんだと思って。僕の代で終われへん」と話した。
木材店は100年以上も続く店という。「(両立は)楽しいですよ。最近は、魚屋さんとかでいろんな料理人と顔合わせして、ここでこういうこと(木材店)やっているって話しをしますと、まな板とか注文受けます。今はめちゃめちゃまな板が売れていますよ。ほか、新店舗のカウンター作って頼まれたりしています」と。ここで、てつじの見立てがきたので「やっぱり!」。絶品料理や旨い酒を味わいながら「店との一体感」も楽しんでみては?
「わざわざグルメ調査隊」は、情報番組「ミント!」(毎週月~金 午後3時49分放送)で毎週水曜日に放送している企画。「なぜ、わざわざこの場所に飲食店が?」など、"わざわざ"その場所で店を構える理由を、シャンプーハットのてつじが"わざわざ"その場所を訪れ調査する。
https://www.mbs.jp/mint/info/wazawaza/