歴史ある日本家屋で"わざわざ"イタリアンなワケ

4分でわかる ミント!

2019/08/15 16:30

 路地裏や僻地などで見かける飲食店「なぜ、こんな場所で?」と不思議に思ったことはないだろうか。そんな飲食店のワケを探る「わざわざグルメ調査隊」は、夕方の情報番組「ミント!」の水曜日の人気コーナーだ。7月24日(水)の放送では、話題のイタリアンレストランを取り上げた。リポーターは“関西のグルメ王”として名高い、シャンプーハットてつじが務める。

大阪の新観光スポット!

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 リポーターのてつじと辻沙穂里アナウンサーは、富田林の寺内町にいた。江戸時代に興正寺別院を中心にできた町で、大阪府で唯一、国の「重要伝統建造物群保存地区」に認定されている。町並みは、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような雰囲気だ。最近では映画のロケ地に使われ、大阪の新観光スポットとして注目されている。画面から見る景色は風情ある「江戸の町」そのものだが、なぜ、この場所に"わざわざ"イタリアンの店ががあるのだろうか?

「イタリアンやけど...」

 てつじと辻アナは、"わざわざ"の理由を調べるべく聞き込み調査を開始。店名は「オアジ」と判明し、予約がいる店との情報を入手した。さらに調査を続けると、以前は一般公開されていた江戸時代末期に建てられた建造物「旧勝間家住宅」で、「オアジ」は営業しているという。「イタリアンやけど、出てくる素材が富田林の地の物」との情報も。グルメ番組などに登場する飲食店で「地産地消」や「地元の素材を使った」という店のほとんどは、店の佇まいや内装に風情があったり、ハイセンスでオシャレだったりすることが多い。また、店主やスタッフに熱い思いがあり雰囲気もスタイリッシュで、「目がキラキラ」と輝いている人を多く見かける。この時点で、おそらく「オアジ」の店主&スタッフもこのパターンだろうと予想。

 そして、てつじの見立ては、「店主は、寺内町の歴史に惚れ込んだのは間違いないと思うわ。イタリアの中でも寺内町と同じような歴史ある町で修業したと思う。似たような町なので、"わざわざ"この寺内町でやっていると思う」。

2013年にオープン

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 「OASI(オアジ)」 に到着した二人は「わあ!思ってたイタリアンと全然違うわ!凄い立派な家!」と驚く。店は、オーナーシェフの杉本郷志さん(42歳)と妻の裕子さん(37歳)が二人で切り盛りしていた。シェフの郷志さんは、29歳の頃から京都のイタリアンレストランで働き、料理雑誌で注目の料理人に選ばれたことがある実力の持ち主。33歳の時に結婚したが、店を持つ夢を叶えるために単身でイタリアへ武者修業の道を選んだ。そして、2013年に「オアジ」をオープンさせた。

「メニューはありません」

 店内は160年前に建てられた当時そのまま。案内されたてつじは「ぜいたくな空間!凄い!いい感じの店ですね」と。てつじ同様に「凄い!」とこの素敵な空間を気に入った郷志さんは、イタリア語で「憩いの場」という意味の「オアジ」を店名にしたという。気になるメニューについて、裕子さんは「メニューはありません。その日作れるお料理でコース提供しています」と説明。

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 コース料理の一品目は、南大阪で採れた「なにわの伝統野菜」の玉造黒門越瓜や毛馬胡瓜を調理した前菜。二品目は富田林の特産品・千両茄子を使ったタリオリーニ。三品目は、奈良県産の大和肉鶏に味噌を塗って火で炙りソテーに仕上げた逸品。そして、デザートは「パンナコッタ」。ソースはマクワウリを使っている。どの料理もてつじと辻アナは「スゴい!」「美味しい!」と絶賛していた。旬の食材を使ったおまかせコース・ランチ(パン付き)4,104円税込み・ディナーは、7,344円税込み。「自分のクオリティを保つために」とオーナーシェフ。そのために、昼・夜一日三組の完全予約制となっている。

 最後にてつじの「見立て」が正解なのか杉本夫妻に話をきいた。
「歴史が好きなので半分正解です。イタリアで感じたことを故郷でする。僕が働いていたところも山に囲まれていた州でした。100年、200年前の建物が残った町並みでした」と、よどみなく話す郷志さん。続けて、てつじの「日本家屋の建築物はイタリアとは全然違うけど・・・真逆では?」という問いには、「昔の建物を大切にして、時代にあったリフォームで楽しむというのが似ている」と話す郷志さん。「めちゃめちゃカッコいいじゃないですか!『真逆では?』って言うた自分が恥ずかしいわ」とてつじは言っていたが...。

さらに、郷志さんは「表面的な建物を大切にするのではなく、(昔からある)なにわの伝統野菜などの食材も表現したい」と語ったほか、迷路のような寺内町に"わざわざ"分かりにくい場所に店を構えたことについては「町を歩きながら"宝探し"をしてほしい。店探しを楽しんでもらえたら」とコメントした。このコメントに感心したてつじは、「レストランは宝探しやったんですか!扉を開けた瞬間からグルメはスタートしてたんですね!」とドヤ顔で言っていたが...。ブレない信念を持つオーナーシェフの郷志さんはこう返した。「いいえ。扉を開ける前からスタートしています」。

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 「わざわざグルメ調査隊」は、情報番組「ミント!」(毎週月~金 午後3時49分放送)で毎週水曜日に放送している企画。「なぜ、わざわざこの場所に飲食店が?」など、"わざわざ"その場所で店を構える理由を、シャンプーハットのてつじが"わざわざ"その場所を訪れ調査する。
https://www.mbs.jp/mint/info/wazawaza/


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