秋元康「記憶に残る幕の内弁当はない」ヒットメーカーが信じる2つの"鉄則"とは

日曜日の初耳学 復習編

2022/12/07 12:00

作詞家で日本を代表するクリエイタ-である秋元康氏が12月4日放送の「日曜日の初耳学」の人気コーナー<インタビュアー林修>に登場。11月13日放送回に引き続き、ヒットメーカーならではの哲学を包み隠さず語った。秋元氏がものづくりにおいて意識しているという信念“記憶に残る幕の内弁当はない”、その意味とは?

■失敗も緊張も怖くなくなる方法とは?

高校生で放送作家としてデビューし、ヒット企画を量産。作詞家としても4,500曲以上を作詞し、累計売上数1億6,000千万枚という稀代のヒットメーカー・秋元氏だが、その言葉には気負いや力みは感じられない。

「ほかの誰かに嫉妬することはない」といい、「もともと高校生のアルバイトから(自身のキャリアが)始まってるんで。つい最近まで、心のどこかで『ムキにならないでくださいよ。高校生のバイトですよ』『作詞家じゃないですよ、僕は放送作家ですよ』っていうエクスキューズ持ってましたからね」と、冗談めかした語り口も軽やかだ。

長きにわたって第一線を走り続けながらも気負わずいられる理由の一つが、この日のインタビューの中に隠されていた。

林先生に「『失敗は怖くない』と書かれていますけど、それはずっと変わらず?」と問われた秋元氏は、「そうですね。失敗も怖くないし、緊張もしないです。なぜかって言うと自分が自分に期待していないから。カッコいい自分でいたいと思えばミスは許されない。でも僕は『誰も見ちゃいない、誰も注目してない』っていう考えが基本なんです」と返答。

自分に期待しすぎないことが、失敗への恐怖や必要以上の緊張から自分を解放する秘訣。この人生訓に、スタジオからは納得の声が上がった。

■鉄則①:"大衆"とは自分自身である

インタビューでは、ヒットを生み出し続ける秋元氏が新しいものを生み出す時に必ず意識している"鉄則"も明かされた。

ひとつめは、「"大衆"とは自分自身である」ということ。「40歳ぐらいの時に、自分が作った番組とか映画、CMを見ていない自分に気づいたんです。自分も大衆なのに、自分は見ていない。ここに間違いがある」と振り返り、「今のテレビがつまらないと言われる大きな原因がそこにあると思うんです。『俺は見ないけど、大衆はこういうモノが好きでしょ?』っていう作り方をする」と指摘した。

"大衆"のひとりである自分自身が見たいと思わないものは作らない。それが今、秋元氏のものづくりの基準になっているという。

■鉄則②:記憶に残る幕の内弁当はない

秋元氏が意識するもう一つの"鉄則"は、「記憶に残る幕の内弁当はない」というもの。

秋元氏は「例えば『ゴールデンタイムで林先生一人で哲学の番組を作ろう』っていうのは勇気がいるけど当たったらぶっちぎりなんです。でも、どんどん『お笑いの人誰か入れた方がいいんじゃないか』『誰か可愛い子を入れた方がいいだろう』...で、だんだん"幕の内弁当"になっていく。今までで一番おいしかった幕の内弁当って思い出せます?」と林先生に逆質問。

そして「一点突破にしないと。(人がエッと驚くような)単品主義にしないとダメだと思いますね」と力強く持論を展開した。

誰よりもまず自分自身が見たいと思える企画作りと、他と明確に差別化できる単品主義。秋元氏が語ったヒットメーカーならではの"ものづくりの鉄則"に、聞き手の林先生も深く共感。納得の表情でうなずいていた。


12月4日放送「日曜日の初耳学」より、<インタビュアー林修>の秋元康編、および人口減少後の日本の未来について考える『未来の年表』の著者・河合雅司編がTVerで見逃し配信中!

秋元康<インタビュアー林修>のTVerはここをクリック!
※12月11日(日)22:09終了予定

河合雅司<インタビュアー林修>のTVerはここをクリック!
※12月11日(日)22:09終了予定

「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
公式HPはこちら。

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