合計21時間の大冒険!神田川をボートと徒歩だけで源流までたどってみた!

日曜日の初耳学 復習編

2020/08/29 14:00

かつて、汚染がひどく生き物の住めない“死の川”と呼ばれていた神田川が今、美しく生まれ変わっているのをご存じだろうか。8月23日放送の「林先生の初耳学」では、人気モデル・ロイが21時間かけて神田川を河口から源流までたどる旅に出発! 川の中だけを進むと、絶滅危惧種があちこちで顔を出す自然ゆたかな神田川の“今”が見えてきた。

専門家でもやったことのない調査に出発!
人気アーティスト・あいみょんのMV撮影が行われたことでも話題の神田川。
せっけんをカタカタ鳴らし、手ぬぐいをマフラーがわりに銭湯通いする学生の姿はもはやなく、川沿いには「マーチエキュート神田万世橋」(甲武鉄道万世橋駅跡を利用して2013年に誕生)をはじめとした水辺の観光スポットも現れ、新たなおしゃれエリアとして注目を集めている。
そんな神田川だが、身近すぎるためか専門家でも川の中を歩いて生態系をじっくり観察する機会はなかなかないという。
「神田川は(場所によって)ものすごく表情が変わるんですよ。水の中を歩きながら観察できたらさぞかし面白いだろうな」と話すのは法政大学の陣内秀信特任教授。「(神田川の中を歩いて観察することは)今までやれていない」という陣内教授のひと言で、<初耳トライ>の今回のテーマは「神田川を河口から源流まで川の中だけ移動するとどんな生物、どんな場面に遭遇するのか大検証」に決定した。
スタジオからも「街ブラ番組はあれど川ブラはない」(千原ジュニア)、「面白いね!自分が冒険してるみたい」(和田アキ子)と期待の声が上がる中、検証スタート!
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ガマガエル、カワセミ...絶滅危惧種に遭遇!
検証に向かったのは、ハイテンションなキャラクターで人気のモデル・ロイ。「千葉県は本州と繋がっていない島なのか?」「福島県の細長い県境には何がある?」「一晩20分しか寝ないキリンの寝姿撮影に挑戦」に続く"ロイ君の長時間かけて撮影シリーズ"第4弾だ。
自然解説者・佐々木洋先生に同行してもらい、河口からボートに乗って出発。隅田川から河口を背にして左に逸れ、両国柳橋をくぐった先が神田川だ。
「自転車で神田川沿いを遡上したことはある」という佐々木先生にとっても、川の中を遡っていくのは初めてのこと。「私も生まれて初めてでワクワクドキドキです」と期待いっぱいで進む。

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橋をくぐるとすぐにウミネコを発見。日本ではそれほど珍しくないが、ウミネコは日本近海にのみ生息するため「世界規模では珍しい。アメリカとかヨーロッパのバードウォッチャーは、日本に来たらまずウミネコを見たがる」と佐々木先生。
その後もギンヤンマ、カルガモ、ハクセキレイ、コアジサシなど貴重な生き物を確認しながらボートは進む。
御茶ノ水付近では、水中にいくつもの穴が...。何のための穴?という問題に、林先生は「もともと水道が通っていた」と答えたが不正解。
実はこの穴、"魚巣(ぎょそう)"と呼ばれ、小魚が休憩したり産卵したりするための穴だという。神田川では、御茶ノ水~水道橋付近に約2,000個の魚巣があるともいわれている。「人間が作った、自然への愛情だよね」という佐々木先生に、ロイも「愛があふれる感動のナイアガラですね」と大興奮!
河口から6km地点の文京区本郷付近ではアズマヒキガエル(通称ガマガエル)など区指定の絶滅危惧種にも遭遇した。さらに先の杉並区方南付近ではコイ科の淡水魚・オイカワ、高井戸付近では東京23区の絶滅危惧種・カワセミも発見! 
昭和40年代、生活排水の垂れ流しなどにより生物の住めない"死の川"だった神田川。時が経ち、"水辺の宝石"カワセミが住むまでに復活を遂げた姿に、一行は感激しきりの様子だ。

神田は昔"山"だった!
神田川には、人間の営みの痕跡も多く残されている。
秋葉原付近では、新幹線の鉄橋のそばに斜めに走る歩行者用の橋が確認できる。「神田ふれあい橋」と名付けられたこの橋、実は新幹線の鉄橋を作るための工事の際に架けたもの。工事が終われば撤去する予定だったが、地元の住民からの要望で残されたという。
この橋の成り立ちを問われた林先生は、「あの橋と僕は"同期"なんです。僕が社会人になった時にできて」と意外な告白。「あれがあることによって大回りしなくて済むようになったので、残されたんです」と、当時を知る一人として橋の由来を解説した。
御茶ノ水付近には、もともとあった「神田山」という山を切り崩して作られた人工の渓谷が広がる。佐々木先生に「なぜ山を切り崩した?」と問われたロイは「お城を守るため」と答え、見事正解! 神田山は標高17mと低くて防御にならなかったため、お堀が作られたのだという。
一行は、氾濫を防ぐために作られた分水路内部も許可を得て観察。河川維持に関しては、佐々木先生から「神田川の改修工事には、当時30代だった松尾芭蕉が参加した」という豆知識も。これには中島健人らスタジオ陣から「教科書に載ってないよ!」と驚きの声が上がった。

「足がとられる...」ロイ君を苦しめた最大の難関
杉並区永福付近は、最大の難関・オオカナダモの群生地。モに足を取られ、体力とテンションを奪われていくロイ。「けっこう初めてかも...こんなに大変なの」と珍しく弱音も吐きつつ進む。
大冒険の末たどりついた神田川の源流は何と、都民のいこいの場・井の頭恩賜公園だった。
普通、川は山の雪解け水などを源流にしているが、神田川の場合はそれとは全く異なる成り立ちを持つ。公園内の湧き水を源流に約25km流れ、隅田川に注ぐ河川こそ神田川なのだ。
こうしてロケ総時間21時間におよぶ検証の結果、「東京のど真ん中を流れる神田川は、絶滅危惧種も暮らす自然ゆたかな川」であることがわかった。

     ◇

ロイ君の"神田川遡上ロケ"も!「初耳トライ」を公式YouTubeチャンネルで配信中
【公式YouTubeチャンネル】

次回8月30日(日)放送の「林先生の初耳学」では、ロイ君の新作ロケ企画を放送。"地図に載っているのに誰も見たことがない島"を調査する。このほか、人気ユーチューバー・フワちゃんは"数珠つなぎでジャスティン・ビーバーにたどり着けるか"を検証。早起きが苦手なゆきぽよは、緊急地震速報を作った音のプロによる"絶対に起きられる目覚まし時計"を体験する。

「林先生の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
博学で知られる林先生でさえ知らなかった知識を"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/

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