林修・人生に大切なのは運でも実力でもない...錯覚資産

日曜日の初耳学 復習編

2018/10/02 10:30

 自分より実力がない者が評価される…そんな経験はないだろうか。9月16日に放送された「林先生が驚く初耳学!」ではそんな疑問に対する答えとして、林先生が「人生は運よりも実力よりも〝勘違いさせる力“で決まっている」と発言して話題だ。実力よりも勘違いさせる力が大切とは理不尽な気もするが、いったいどういうことなのか?

人生を成功に導く「勘違いさせる力」の正体
 世の中には、何をやっても成果が出せる人と、実力があるのに成果が出せない人がいる。今回、林先生が題材に取り上げたのは、今話題になっている『人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』と言う本の内容。では"勘違いさせる力"とは何なのか?本ではそれをアメリカ大統領の支持率を事例に挙げ解説している。9.11のテロ対策によって、ブッシュ大統領の支持率が50%から90%に跳ね上がった。それに伴い、もともと評価の低かった経済政策に対する支持率までが47%から60%に上がったという。これは、テロ対策ひとつが優れていたことで経済対策もよいのではと思われ、結果的に全体の支持率が上がったと説明できるが、支持した人々は自分が錯覚しているという自覚が無いのがポイントだという。

さんまさんのお墨付き
 こうした"勘違いさせる力"の事を、本では「錯覚資産」と呼んでいる。例えば、ゲストの藤田ニコルがプロデュースするブランドは、ニコル本人の可愛さが錯覚資産となり、「可愛いにこるんがプロデュースしたのだから"にこるん"の服も可愛いに違いない、自分もにこるんのようになりたい」とお客さんたちに思わせることで商品をより魅力的なものにしているといえるのでは...と説明。また、ゲストの有村架純に向かって王子キャラ全開でキザなセリフを決めスタジオを沸かせるるSexy Zone中島健人についても、「ケンティのこうしたフレーズを皆が面白いよね...となってきている。ケンティがずっと言い続けているうちに、それを明石家さんまさんがいじるようになった。さんまさんがいじるということは"面白い"のお墨付きが付いたも同然ということ」とし、錯覚資産として認められたということだと説明した。さらに、千原ジュニアからも、野生爆弾のくっきーについて、「顔の白塗りで様々な芸能人のモノマネをすることが受け入れられ、もはや誰を真似しても似ている、面白いというイメージを植えつけている」と身近な「錯覚資産」の例を挙げた。

本当の実力なんて誰がわかるか!?
 さらに林先生は、本に書かれている「錯覚資産の方が大切」な理由を次のように解説した。まず、実力があると成果が出る。成果は錯覚資産として周りに認められる。例えば、サラリーマンがひとつのプレゼンが上手くいって結果を出すと、あいつのプレゼンは良いという声が上がり、次にプレゼンをした時に周りはその人の言う事を聞いてみようと言う気になっている。つまりその人を受け入れる環境が出来ているということ。環境ができていれば益々成果が出やすく、ひとつ人に何かを思わせることによってこうしたループがぐるぐる回りだしたら実力は関係なく成果が出てしまうというわけだ。当然、錯覚資産があるいい環境にいる方が、頑張っても認められない(錯覚資産のない)環境にいるよりも、人は成長する。

アイツより自分の方ががんばっているのにと感じた時は
 この話に千原ジュニアは「これは芸人にめちゃめちゃ当てはまる。お笑いスピードガンなんてものは無いから(お笑いの)実力ってどやねん?というところがね...」と大きく共感。それに対して林先生は、「どの業界でも周りには自分より頑張ってないのにうまくいっていると思うことがあると思う。こうしたときに愚痴で終わるのではなく視点を変えて、あいつが人に凄いと思わせている錯覚資産は何か?と考えることが前向きな姿勢に繋がるのではないか」と提案した。

「林先生が驚く初耳学!」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
全国1億3千万人から募集した選りすぐりの知識を抜き打ちで林先生に出題。物知りの林先生でさえ知らなかったものを"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/

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