現代美術家・人長果月 #327 2022年11月13日(日)放送

 京都生まれの現代美術家人長果月さんが今回の主人公。
 2022年1月には、「新鋭選抜展2022」の特別出品作品として、百分の一サイズの地球をイメージして作られた直径12メートルの半円形のスクリーンに、生命の始まりでもあるプランクトンの映像を映し出したインスタレーションを発表しました。

 人長さんは1990年代後半よりデジタル技術を用いた映像作品の制作を始め、2000年からは、映像にコンピューターやセンサー技術を組み合わせた双方向性を持ったインスタレーションを制作。自然界の複雑な在りようを、光・音、鑑賞者の振る舞いによって創出することを試みています。
 2015年にはユリをモチーフにした「Carpe diem(カルぺ ディエム)ー百合」で「琳派400年記念 新鋭選抜展~琳派の伝統から、RIMPAの創造へ~」で最優秀賞を受賞しました。「Carpe diemカルぺ ディエム」とはラテン語で「その日の花をつみなさい。」という意味。何気なく過ぎゆく日々を花畑の花々に例え、花の一本一本を愛おしむように一日一日を大切に過ごすののがよいという、古代ローマの詩人ホラティウスの名句にインスピレーションを受けてバラや紅葉などでもシリーズ化しています。

 人長さんは、主に左京区の哲学の道や吉田山などで自ら撮影した木々や花、動物たちの画像を素材にレイヤーを重ねたり、アニメーションを加えたりすることで、撮影した時の感動をより強調した映像に加工します。
 その映像を映し出すモニターにカメラセンサーを取り付け、人の動きに反応して映像が変化するインタラクションを組み合わせています。
 鑑賞者が運動を伴って鑑賞することで新たな思考を引き出すことができるのではないか・・・。既成概念や固定観念にとらわれず、自分の思考や発想力を養うきっかけになるような作品を作りたいと考えています。

 2022年秋、左京区の金戒光明寺の秋の特別拝観では「Carpe diem -紅葉2022」を、名古屋中区で開催中の現代アートイベント「ストリーミング・ヘリテージ」では「Biosphere -Kurokawa」の新作2作を発表しています。


【INFORMATION】
■人長果月 
https://hitoosa.jp/

■人長果月「Carpe diem ー 紅葉 2022]展
くろ谷金戒光明寺 秋の特別拝観
※予約なしで拝観できます。
https://www.kurodani.jp/sp_daytime/

日中拝観
2022年11月12日(土)~12月4日(日)
10:00~16:30(最終入場 16:00)

夜間拝観
2022年11月18日(金)~12月4日(日)
17:30~20:30(最終入場 20:00)

■「ストリーミング・ヘリテージ 2022 台地と海のあいだ」
11月3日(木・祝)~ 11月20日(日)
https://streamingheritage.jp/program/hitoosa.html

■京都丹波/亀岡の「夢コスモス園」
https://yume-cosmos.com

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