経師・大入達男 | 唐紙・西村和紀 #289 2022年02月13日(日)放送

京都1200年の美のタイムラインに時々の「斬新さ」を見つける番組『京都知新』。今回は2人の主人公をご紹介します。

1人目の主人公は、和本の製本技術を用いて、文化財の修復、複製をてがける経師(きょうじ)大入達男さんです。
日本の経師の歴史は、奈良時代、仏教の伝来とともに始まりました。書物のもっとも古典的な形態は巻物ですが、巻末を見るのに不便なことから考え出されたのが、和本の始まりともいえる長い紙を折りたたんで「つないだ」折本です。現在も、仏教の経典などに多く使われる形式です。大入さんは18歳から文書の仕立て、修復などの技術と知識を積み重ねてきました。
そんな大入さんはデジタル技術の進化に併せて、文化財などのデジタルデータ化にも取り組む中、その技術を応用して、音声をモノクロの模様で紙に記録し、それから音声を復元、呼び戻す「画像音」という技術を世界で初めて和紙にアーカイブさせることに成功しました。この技術は、新たに医療の分野でも注目されています。
伝統産業をいかにうまく今の時代にあわせて発展していくか。大入さんの挑戦をご紹介します。

もう一人の主人公は、京からかみ「丸二」4代 西村和紀さんです。
古くから、ふすまや屏風などに使われてきたのが細工紙・唐紙の文様です。モチーフは、六片の花を咲かせる蔓草、鉄線などで、針金のように細く硬い蔓状の茎は、固い絆や結びつきを表現していて、古来、唐紙に多く取り入れられてきた文様です。西村さんは、この唐紙の世界観を紙の上だけではなく、立体的に現代空間に広げていく挑戦をしています。
そんな西村さんが、現代空間にマッチする唐紙の在り方を考える中で着目したのが、かつて京都で作られていたいう「漆唐紙」で、ホテルなどの現代建築用の内装材として使用しています。
崩してはならない部分はこれからも大切に受け継ぎながら、長年受け継いできた文様を使い、新しい景色を作り出していく西村さんの挑戦をご紹介します。


【INFORMATION】
●株式会社大入
〒604-0061 
京都市中京区小川通二条上ル槌屋町611
電話:075-212-0248
ホームページ:http://www.ooiri-co.com

●株式会社 丸二
〒600-8076
京都市下京区高辻通堺町東入ル 泉正寺町462
電話:075-361-1321(代表)
ホームぺージ:https://maruni-kyoto.co.jp

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