観世流能楽師・林宗一郎 #236 2021年01月31日(日)放送

京都1200年の美のタイムラインに時々の「斬新さ」を見つける番組「京都知新」。今回の京都知新は、観世流能楽師・林家14代当主の林宗一郎さんが主人公です。

林家は、能を大成させた観阿弥と世阿弥を流祖にもつ観世流の中でも、京観世五軒家の1つとして江戸時代以来、所作や囃子を伴わず謡のみで能を表現する、素謡の師範を任されてきました。現在、京観世五軒家で唯一残るのは林家だけです。

林さんは、京都観世会の理事として能の普及にも力を入れています。コロナ禍の中、"こんな時こそ能が知りたい"をテーマに「KYOTO de petit 能」を企画しました。
2020年12月に行われた第1回目の演目は「土蜘蛛」です。

能を楽しむポイントは「あらかじめ粗筋を知ってから演目を見ること」です。「土蜘蛛」の粗筋をご紹介します。

― 体調がすぐれない源頼光のもとに怪しげな僧が現れます。
この僧を演じているのが「シテ」と呼ばれる主役の林さんです。
実はこの僧は源頼光を苛む蜘蛛の化け物。しかし、武勇に名高い源頼光に刀で切りつけられ、退散していきます。騒ぎを聞きつけた頼光の家臣がその後を追いますが、ここからがこの演目の見どころです。シテが和紙でつくられた蜘蛛の糸を投げ、放物線を描いて宙に浮く様子は見た目にも華やか。
そして最後は、蜘蛛が敗れて終演となります。 ―

さらに林さんは多ジャンルのとの共演も積極的に行っています。2020年11月にはソプラノ歌手の田中彩子さんプロデュースの新作モノオペラ「ガラシャ」にも出演し、新しい能のあり方を提案しました。

今回は京都から能を盛り上げたいと精力的に活動する林さんの取り組みや、能の楽しさをご紹介致します。


【INFORMATION】
●観世流能楽師・林宗一郎 公式ホームページ
 http://hayashi-soichiro.jp/
※公演日程、お稽古の依頼などはホームページをご確認ください

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