細見美術館 館長・細見良行 #187 2020年02月16日(日)放送

生き生きと躍動的に、そして細密に。高価な絵の具を使い色鮮やかに描かれた『雪中雄鶏図』。一方で、ユーモラスな表情を見せる水墨画。
これらは、近年、圧倒的な人気を博している江戸中期の画家、伊藤若冲の作品です。若冲のコレクターであり、若冲没後220年を記念した展覧会の監修も行うのが、今回の主人公。細見美術館 館長 細見良行さんです。

良行さんは、昭和の実業家の家に生まれました。1998年、細見家三代が70年余りをかけで蒐集した日本美術コレクションを礎として、京都・岡崎に日本美術中心の『細見美術館』を開館させました。
当時国内ではまだ日本美術を褒める風潮はなく、マスコミの関心は、西洋美術一辺倒。「印象派でなければ美術ではない」とされてきた逆風の中で、一人でも多くのひとに日本美術の魅力を伝え、広めたいという思いからの開館でした。

若冲の他に、良行さんが力を入れて展覧会を開いてきたのが、俵屋宗達や尾形光琳に代表される『琳派』の作品です。2018年秋、「日本美術の凄さを世界中にアピールしたい」と、ヨーロッパ初公開となる国宝『風神雷神図屏風』や細見コレクション等を展覧し、パリから琳派の美を伝えることに成功しました。日本人のDNAに宿る美意識のすばらしさをどう発信していくか...

今春、岡崎公園内にリニューアルする『京都市京セラ美術館』。この開館記念展と連動し、良行さんは、また新たな企画を考えています。

【INFORMATION】
細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
TEL:075-752-5555
WEBサイト
https://www.emuseum.or.jp/

京都の若冲とゆかりの寺 ーいのちの輝きー
2月21日(金)~3月8日(日)
大阪高島屋 7階グランドホール

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