陶芸美術作家・近藤高弘 #149 2019年05月05日(日)放送

今回の主人公は陶芸美術作家の近藤高弘さん。
祖父は染付の第一人者で人間国宝にも認定された近藤悠三。父も染付を受け継いだ陶芸家です。
近藤さんは25歳で陶芸の世界に入り、幾何学的・抽象的な造形表現を模索してきました。陶器の肌に雫が零れ落ちている様子を銀を用いて表現した作品や、イギリス留学でガラスを学び、磁器とガラスを組み合わせた作品。そして近藤さん自身をかたどった坐像など、数多くのオブジェを創作してきました。

そんな近藤さんは今、陶芸の原点である「器」に立ち返り、白磁の大壷の制作に取り組んでいます。真っ白で巨大な大壷は一回で挽くのではなく、上下に二つの器を重ね合わせる椀継と呼ばれる技法を用いて制作します。
高さ60センチ前後の壷の大きさには意味があり、単なる伝統回帰というわけではありません。大きいが故、器が非対称だったり割れが生じたり...自分自身ではコントロールできない偶然の要素に美を感じるという近藤さん。作為と無作為、必然と偶然の狭間で創作を楽しみ、用途を超えた器の景色を眺めています。

【INFORMATION】
近藤悠三記念館
〒605-0862 京都府京都市東山区清水1丁目287−35
TEL:075-561-2917

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