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『斎藤知事の印象操作をした黒幕は...』立花孝志氏が入手の"リーク文書"「渡していない」と岸口県議は否定 兵庫県知事選の裏にあったそれぞれの思惑

解説

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1月に死亡した元兵庫県議・竹内英明さんをめぐり、「元県民局長の自殺を知事の責任に見えるように印象操作、黒幕・主犯格は竹内」と書かれているという『文書』の内容を、YouTube上で発信したN党・立花孝志氏。立花氏はその文書を、百条委員会副委員長・岸口実県議から入手したと主張。対する岸口県議は、去年11月に立花氏と会ったことは認めましたが、文書を提供したことは否定しています。それぞれの思惑とは?甲南大学・園田寿名誉教授らの見解を交えてお伝えします。

N党・立花氏の主張「岸口実県議が文書を手渡してきた」

元兵庫県議の竹内英明さん(当時50)は百条委員会のメンバーでした。しかし、去年11月の知事選直後に議員を辞職し1月に死亡したことが分かりました。関係者によると、SNS上での誹謗中傷に悩まされていたといい、自殺とみられています。

知事選に立候補していたNHKから国民を守る党・党首の立花孝志氏は、YouTube上で竹内さんが「デマを流している」などと繰り返し発信。立花氏が入手したという「秘密の文書」には、竹内さんを名指ししてこのような内容が書かれていたといいます。

【立花氏のYouTubeより】
「マスコミに一方的な情報のリーク」
「元県民局長の自殺を知事の責任に見えるように印象操作。黒幕・主犯格は竹内」

立花氏によると、知事選さなかの去年11月1日、百条委員会の副委員長で維新の岸口実県議が文書を手渡してきたといいます。

維新・岸口県議の主張「文書は渡していない」

これに対して2月10日、岸口県議は去年11月に立花氏と会ったことは認めましたが、文書を提供したことは否定。立花氏と主張が食い違うと問われると…

(岸口実兵庫県議)「(当時面会したときに)民間人の方もおられますので、そこはなんとも今説明のしようがないというのが本音」

詳細については回答を控えました。

様々な人物、問題が絡み合う、兵庫県知事選を巡る一連の問題。立花氏と岸口県議の意見が食い違う、今回のニュースのポイントを整理します。

斎藤知事支持の立花氏に…対立候補支持の岸口県議が“リーク文書”?

岸口議員から文書を渡されたというのが立花氏の主張ですが、維新・岸口議員は兵庫県知事選で斎藤知事の対立候補である清水貴之氏を応援していました。

一方、立花氏は自ら立候補し、斎藤知事を支持していました。こうした状況で立花氏に“リーク文書”を渡していたとすると、岸口県議にはどういった思惑があったのでしょうか。本人の口からはいまだ詳細は語られていません。

リーク文書”を渡していたら違法?

もし文書を渡していたとしたら、罪に問われる可能性はあるのでしょうか?甲南大学の園田名誉教授に聞きました。

公職選挙法で禁じられているのは、「候補者に関する虚偽」を公にすることで、今回の内容が虚偽でも該当しないということです。今回の場合、文書の内容が「斎藤知事に関する虚偽」であれば法律に抵触したということです。

また、兵庫県によりますと、百条委員会の規則に抵触する可能性もないといいます。百条委員会の規則は「委員会で知ったことは口外NG」ですが、文書の内容は百条委員会で知ったことではないのでルール違反にはあたりません。

一方で、元県民局長の不倫という私的な情報を引き合いに出すこと、また百条委員会の副委員長で公平に調査する立場としてのモラルを指摘する声もあります。さらに、竹内県議の自殺との因果関係が認められれば民事で訴えられるなどの可能性はあるということです。

元厚労相・元衆議院議員の豊田真由子氏は一連の問題について次のような見解を示しています。

(豊田氏)「何か新しい情報が出てくるたびに悪役とヒーローが入れ替わって、みんながそれに同調して動いている。もうちょっと冷静に中立に見た方がいいと思う。まず一番大事なのはファクトが何かということ」

今後、岸口県議が所属する維新の会は事実関係を調査し、近く結果を公表する考えですが、岸口議員本人からの丁寧な説明はあるのでしょうか。

2025年02月13日(木)現在の情報です

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